素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

現在、過去、未来へ魂のタイムトラベル!出羽三山を訪ねてみた!

 7月21日は出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)に登り、その後は山形県の珍スポットであるトトロの木を見に行きました。

出羽三山は東北随一の霊場とされ、西の大峰と拮抗する程の勢力を誇っていました。

主峰の月山は過去、羽黒山は現在、出羽三山の奥宮の湯殿山は未来を表し、月山で死とよみがえりを体験し、湯殿山で再生を体験する三山巡礼が羽黒修験の行とされていたそうです。

また、出羽三山は先祖の霊が鎮まる山と信仰され、それぞれの神社では戦没者の霊、東日本大震災の霊、先祖の霊が祀られ、死者供養が行われています。

今回はまず月山を登り、下山後は湯殿山神社に立ち寄り、最後に羽黒山を登り出羽神社を参拝する慌ただしい山旅となりました。

それでは、月山の素晴らしい景色と三山のそれぞれの様子をお伝えしたいと思います。

参考:出羽三山HP

 いざ、月山山頂へ!

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朝3時に起床。

朝食を済ませ、登山の準備を進めます。

天気が良さそうで何よりです。

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AM4:00、新月に近い月読命の僅かな御光に照らされながら登山開始

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牛首まではこのように雪がまだ残っています。

7月上旬頃までは残雪を見るそうですが、この年は中旬でもこのように多く残っていました。

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トレッキングシューズで登りましたが、やはり滑るので軽アイゼンを装着しました。

夏でも場所によっては雪が積もっている所もあるので、このような軽アイゼンを持参する事をおすすめします。

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風が吹く度に白い冷気が見えます!

まさに天然のクーラー、めっちゃ涼しかったです!

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山頂に着きました!

雪は積もっておらず、穏やかで広い山頂です。

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所々このような池が点在し、神々の楽園のようでした。

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東方面は蔵王山が見えるはずですが、残念ながら霞んで見えません…

夏は時間が経つにつれ気温も上昇し、ガスも発生するので仕方のない事であります。

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やはり今年は積雪が多いのでしょうか?

まだまだ残雪が見られそうでした。

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山頂からの眺め!

残雪がいい感じです。

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霞んでなければ鳥海山などが見えるのですが、

今回はほとんど見えなかったので、残雪を楽しみました。

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月山神社本宮が見えてきました!

ピラミッドのてっぺんに見えるのが月山神社本宮です。

ここには天照大神の弟である月読命を祀っています。

月読とは月の満ち欠けにより暦を読むことであり、農業を行う人たちは月読によって種をまいたり、植物に手をかけたりしていたそうです。

つまり、月読命は夜の神と同時に農業の神でもあるのです!

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残念ながらここから先は撮影禁止とのこと。

中に入るにはお祓いを受けなければなりません。

それほど神聖な場所なんですね。

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帰り道

残雪が目立ちますが、緑の綺麗な夏山です。

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気持ちいい散歩道♪

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月山の天然水!

キーンと冷たかったです!

登られた際にぜひ、触れてみてはいかがでしょうか。

月山のアクセス

 

山形自動車道月山ICを降りて国道112号から県道114号を経由して、姥沢駐車場から登ります。

姥沢駐車場は約500台ほど停められる駐車場で、駐車料は無料です。

24時間トイレも完備されています。

御神体がむき出しで直に触れる湯殿山神社とは?

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さて、月山の登山を終えた後は湯殿山神社を訪れました。

湯殿山は出羽三山の総奥の院とされ、湯が湧き出る御神体が湯殿山神社本宮にあります。

境内に入るには月山神社と同様にお祓いを受け、更に裸足にならないと中に入れません。

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残念ながらここから先は撮影禁止とのこと。

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神社ですが社殿は建てられず、御神体のみ祀られていて、直に御神体に触れる事が出来ます。訪れる際に是非体験してみてください。

また、これと似たような神事もあり、愛媛県の石鎚神社には御神像を直接体に触れて御神徳を頂く特殊神事があります。

湯殿神社と同様に直接神様の依代に触れる事の出来る有難い神事です。

石鎚神社についてはこちら↓
www.narisuba.com

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江戸時代に羽黒山は天台宗へ改宗しましたが、湯殿山は空海が開いた真言宗のままでいたい思いがあり、空海と同じ即身仏を目指す多くの行人を輩出する事で羽黒山に対抗したそうです。

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レプリカの即身仏が祀られていましたが、怖くて撮れませんでした…

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水子の供養もしっかりとなされていました。

湯殿山神社のアクセス

 

月山に近いので、こちらも月山ICから国道112号を通り、湯殿山有料道路を経て到着します。

有料道路の詳しい情報は庄内交通のホームページをご覧ください。

www.shonaikotsu.jp

いよいよ、三山の神を祀る羽黒山へ!

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最後に羽黒山を訪れました。

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立派な随身門!

ここから2446段の長~い石段が始まります。

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随身門を下ってすぐに須賀の滝にでます。右の祓川神社には「延喜式」の中でも重要な祝詞である、「大祓詞」に登場する神様が祀られています。

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この四柱の神様は大祓詞のクライマックスに登場する神々で、全ての罪穢れをこの四柱の神々が力を合わせて消し去って下さる有難い神様です!

6月30日と12月31日は全国の神社では”大祓”という神事が行われています。

これは半年の間、知らず知らずに犯してしまった罪穢れを払う神事で、境内には茅の輪くぐりが行われると思います。そして、神主が大祓詞を奏上し、この四柱の神の名前を呼ぶので耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

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お不動様もご一緒でした!

神(水)と仏(火)と呉越同舟ですが、だからこそ素晴らしい祓いになるのですね!

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立派な杉が沢山あります!

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国宝の五重塔!

平安時代、平将門建立と伝えられています。高さ30m、東北最古の塔と言われ、羽黒山の篤い信仰を肌で感じる事が出来ます。

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神仏習合からの唯一の建造物ですね!

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この日の気温は35℃でしたが、杉並木を登っている間は暑さを癒すかのような優しい風が吹いていました。

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風情があります!

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石段には多くの神様が祀られています。

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途中、趣のある茶屋があったので休憩しました。

お店のおすすめである、きなことあんこの力餅セットをいただきました。

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この二の坂茶屋では寛いでいる間にこのような名前付きの認定証を作成してもらえます。

しかもこれ、無料なので登られた際には旅の思い出としてぜひ受け取ってみて下さい。

また、二の坂茶屋で受けそびれた方は、山頂の出羽神社でも受け取れるそうなのでご安心下さい。

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芭蕉塚!

松尾芭蕉も、おくのほそ道に出羽三山を訪れたと書かれています。

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羽黒山三神合祭殿

月山、湯殿山、羽黒山の祭神が祀られています。

月山、湯殿山は雪深い山頂や渓谷に位置するので、通年の参拝が困難な為に、羽黒山山頂に三山の神様を祀ったそうです。

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羽黒山の名前ですが、初代神武天皇と同じく出羽三山の開祖である蜂子皇子もヤタガラスの導きにより、無事開山に至ったと伝えられ、皇子はこの山をヤタガラスにちなんで羽の黒い山、羽黒山と名付けたそうです。

つまり、熊野の影響が強いお山という事なのです。

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神社には珍しく鐘が!

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霊祭殿

ここでも先祖の御霊を祀っています。

お線香のにおいが漂っていました。

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末社も立派でした。

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忘れてはいけない、蜂子社!

出羽三山の開祖は第三十二代崇峻天皇の皇子である蜂子皇子で、聖徳太子のいとこでもあります。

多くの人の悩みや病から人を救った事から、悩みを能(よく)除くという意味が込められた、能除太子とも呼ばれていたそうです。

出羽神社(羽黒山)のアクセス

 

山形自動車道庄内あさひICから約15km

鶴岡ICから約10km

麓に無料駐車場が有ります。

まとめ&感想

古来より、仏教や神道が発生する前の日本人は、山は水や食料を与えてくれる恵みの神と仰ぎ、同時に死後はその恵みの根元へ導かれ、山の神と一体となり子孫や地域を見守ってくれると信じる事で神や祖先を敬ってきた民族と言われています。

今回出羽三山を訪れ、多くの神様や先祖の霊を祀り祈りを捧げている姿を見て、私達の祖先であるネイティブジャパニーズの敬神崇祖の精神が今も生き続けいる事を肌で感じました。

死とよみがえりを体験し、今を精一杯生きる事の大切さを教えてくれた出羽三山はまさに、”魂のタイムトラベル”でした!