群馬県に京都の鞍馬寺、東京の高尾山薬王院とともに日本三大天狗の一つに含まれるお寺があると聞き、日本三大○○に目が無い私は是非とも訪れなくてはならないと思い、迦葉山龍華院弥勒寺を訪れました。
迦葉山龍華院弥勒寺の場所、アクセス
関越道の沼田インターを降り、国道266号を山奥に向かって走り、途中に迦葉山入り口の看板があるのでそれに従ってください。
新幹線を利用の場合は、JR上毛高原駅からタクシーで約40分
上越線の場合はJR沼田駅からタクシーで約30分
迦葉山龍華院弥勒寺とは?
迦葉山は沼田市街から16km北に位置し、地元の人からはてんぐ山と呼ばれて親しまれています。
その迦葉山の中腹には弥勒寺という寺があり、開創は桓武天皇の皇子の葛原親王の発願により、当初は護国寺として開かれたそうです。その後天巽禅師が来山し、天台宗から曹洞宗に改宗され現在に至ります。
天狗信仰の始まりは天巽禅師と共に来山した弟子の中峯尊者に由来します。
中峯尊者は童形で怪力の持ち主であり、また伽藍の造営や布教活動に精進し、人の力では考えられないような行動力の持ち主だったそうです。
中峯尊者は最期に、「私は迦葉の化身であり、やるべき事を終えた。今後は衆生を抜苦与楽する」と告げ、天狗の面を残して昇天されました。その後、中峯は中峯堂に祀られ、中峯はお天狗様として信仰されるようになりました。
拝殿
奥には中峯尊者(お天狗様)が祀られている中峯堂が建てられています。
中に入ってみました!
これが日本一の大きさを誇る天狗面!
目力が半端なく、物凄いパワーを感じます!
こちらの天狗さんはイケメンですな(  ̄▽ ̄)
夥しい数の天狗面!
篤い信仰を物語っています。
この中峯堂から天狗面を借りて自宅の神棚や仏壇に祀り、お礼参りの際に門前の茶屋で新しい面を買い、借りた面と一緒に奉納することが、迦葉山参りだそうです。
ちょうちんもダイナミック!
ヤツデも…大きいです!
天狗を祀るお寺は健脚の御利益もありますね!
これで登ったら相当鍛えられそう!
正面には狛犬ならぬ狛天狗!
さすが、天狗信仰!
本堂
拝殿のように派手さはありませんが、こちらが本堂です。
迦葉山への入り口
迦葉山への入口はちょっと変わっています。
なんと、ここを潜るのです!
なぜこの様な状況になったのかは分かりませんが、
どうやらここを潜らなければ迦葉山には登れないそうです。
趣のある橋を渡り、登山開始です!
弥勒寺の奥の院、和尚台とは?
迦葉山までは約1時間で到着します。
その途中には弥勒寺の奥の院とされている和尚台があり、そこも立ち寄りました。
登山開始からすぐに、開山堂があります。
円仁慈覚大師、天巽慶順禅師、歴代住職、檀家の位牌が祀られています。
登山道を登り、しばらくすると奇岩の和尚台に到着します。
もの凄い迫力です!
和尚台は天巽慶順禅師が修行した場所で、入口には投げ入れ堂の様なお堂、
岩の割れ目の中には空中お堂、絶壁のあちこちには石仏が祀られています。
相当苦労して建てられたのでしょうね!
中の様子
賽銭箱やお供えがある事から中に入れると思いますが、不安だったので入りませんでした。
さて、これから先は険しい鎖場です!
奥妙義の高岩を思い起こす様な鎖場でした!
鎖は続く…
途中までの割れ目は“胎内くぐり”と呼ばれ、これは洞窟や割れ目を母親の胎内に見立て、その中を行き来し、死んで生まれ変わる事の体験を目的とした修験者や行者の修行です。
これにより、犯してしまった罪や穢れを祓い、純粋無垢な自分に生まれ変われる事を示しています。
途中には絶妙なバランスを保つ空中お堂!
よくこんな所に建てたものです
空中お堂の前には三体の石仏
よく見ると、あちこちに石仏が安置されています。
今にも落っこちそうな岩が挟まっています!
本当ならてっぺんまで行けるのですが、前日の雨の影響でこの有り様!
左はスパッと切れていて、岩も鎖も濡れていた為、今回は断念しました。
また訪れよう…
和尚台からすぐに迦葉山山頂に到着しますが、展望は良くないです…
赤城山が見えるくらいです。
まとめ&感想
天狗信仰と言えば鞍馬山や高尾山を思い浮かべる人が多いと思います。
私も鞍馬山と高尾山には何度か足を運んだ事があり、迦葉山は失礼ながら今まで聞いたこともありませんでした。
山岳信仰系の本で日本三大天狗の一つである迦葉山を知り、日本一の大きさを誇る大天狗面を是非とも拝見したいと思い訪れました。
迦葉山弥勒寺は静かな山奥に位置しますが、趣のある杉並木や突如現れる奇岩など、まさに天狗の住まう雰囲気が漂い、日本一の大きさを誇る天狗面の奉納や夥しい数の天狗面から、多くの人々の篤い信仰を感じました。
群馬県に訪れ深山幽谷を感じたい人は是非、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?