4月の休日のある日、南牧村、下仁田の登山を堪能した後、いつもの事ながらドライブ観光を楽しみました。この日は下仁田が誇る世界文化遺産、荒船風穴を見学しました。
荒船風穴の場所
下仁田インターから国道254号を荒船山方面に進み、荒船の湯を通った後すぐに左に降り、国道44号神津牧場方面へ進み、途中に駐車場がございます。
荒船風穴とは?
荒船風穴は岩の隙間から流れる冷風を利用した蚕種の貯蔵施設です。
これまで年に1回の養蚕でしたが、荒船風穴の低温で蚕種を保存する技術により、いつでも提供出来る体制が整い、年間を通して養蚕の回数の増加に成功し、繭の増産に大きく貢献されました。
荒船風穴は明治から大正に営業が開始され、大正の半ばに最盛期を迎えましたが、昭和に入り、冷蔵技術の進歩により次第に衰退され、全国的にも養種貯蔵風穴の数が激減し、やがて風穴の利用も終わりを迎える事になったそうです。
参考URL:下仁田町ホームページ
荒船風穴までの道
荒船風穴の駐車場は風穴から歩いて10~15分くらい道路を登ったところにあります。
コンクリートの道路を歩きますが、意外に急な坂道なので軽い登山をするような感覚です。
なので入り口には杖が置いてありました。(行きは下り、帰りは登り、だったと思います…)
荒船風穴全体の様子
受付から歩いてすぐに風穴に到着します。
下から3号2号1号に分かれてそれぞれに蚕種の保管作業を行っていたそうです。
現役時代は窪みのところにそれぞれ建てられていました。
中の様子
岩が何重にも重なっています。
人の手で積み上げられたようで苦労して作られたのですね。
隙間からは常に冷風が流れています。
この場にいるだけで少し肌寒く感じる事ができます。
実際に隙間に手を入れてみました。
やはり、奥からヒヤリと冷たい風が吹いていました。
冬は寒いですが夏の暑い時期には天然のクーラーとなり、気持ちいいですね。
ご覧の通り夏でも十分に冷えています。
まさに、自然の恵みを利用した冷蔵庫ですね。
現役の様子
推定鳥瞰図
真ん中から右上へ、3号2号1号と建てられています。
大正時代の1~3号の様子です。
最後に
富岡製糸場と絹産業遺産群である荒船風穴は、 かつて一部の富裕層のものであった絹を大量生産可能へ導きました。後に日本はこれらの施設により世界一の絹産業国となり、多くの人々に絹を身近な存在へ促進した事が評価され、平成26年に世界文化遺産に登録されました。
文化遺産としての登録ですが、この 蚕種貯蔵庫は 自然の力によって作り上げた施設であります。それはつまり、自然と共に生き、自然を人間にとってより豊なものへ変化させる古代の日本人の精神そのものであり、自然の中に神を感じ自然に感謝する気持ちがあるからこそ、荒船風穴は自然と共に在る、いかに日本人らしい美徳が込められた文化遺産ではないでしょうか。
このような施設が世界遺産に登録されたのは我々日本人にとって誇りに思うべき存在であると見学しながら感じました。
是非とも自然と共に生きる日本人らしいが込められた世界遺産、荒船風穴に足を運んでみてはいかがでしょうか。