地球最後の秘境と言われている南アメリカのギアナ高地とエンジェルフォールは、テレビなどで度々紹介され、世界中から多くの人が訪れるほど魅力的なな光景です。
太古の時代の姿のままであり続けるあの巨大なテーブルマウンテンは、初めて見る人にも感動を与える事のできるほどのインパクトを持っています。
しかし、日本ではギアナ高地の規模まではいかなくとも、まるで荒波を行き渡る巨大な航空母艦のような姿をしたテーブルマウンテンが存在している事をご存知でしょうか?
今回は群馬県に存在する日本のテーブルマウンテンこと荒船山に登りましたので紹介したいと思います。
荒船山の場所
国道254号を荒船山方面へ向かい、峠の茶屋を越えた先に分岐点があるので、そこを右に曲がり、進んだ先のT字路を左に曲がると内山峠の駐車場があります。
道路から眺める荒船山
荒船山の真っ平らな山頂は、火山活動により地面に流れた溶岩がそのまま固まり残り、その後浸食によって今の姿になったそうです。
同じ200名山である妙義山のノコギリ形の山容とは対照的な姿ですね。
自然が生んだ航空母艦!
あの平らな山頂から何機もの戦闘機が飛び立ちそうですね。
先端の形から本当に戦艦に見えますね。
登山口~艫岩
内山峠の駐車場に到着です。
駐車場は広く、約20台くらい停められるそうです。
これから登山だというのに、登る前から先程眺めた荒船山の雄姿に感動してお腹いっぱいです。
さあ、気を引き締めて登山開始です!
5月の半ばなので道中は新緑が大変綺麗でした。
秋には真っ赤に染まりますが、
この時期の新緑もなかなか見応えがある事に初めて気づきました。
途中、荒船山の先端を確認出来ました。
あのてっぺんまで登るとなると、緊張感が増します。
しばらく進むと何やら大きな岩壁が見えてきます。
どうやら修験道場の跡みたいです。
燈籠の跡でしょうか?
やはりこの場で行や宗教行為が行われていたそうです。
滝です!
水量が多い時には水垢離が出来そうですね。
溶岩が冷えて固まった跡でしょうか。
所々にこのような光景が広がります。
不思議な形の小さな石も確認出来ました。
少し触れるだけで崩れてしまいます。
内山峠の登山道に鎖場はありませんが、岩場は多少ありますので注意が必要です。
ただ、そこまで難易度は高くないので、落ち着いて登れば問題ありません。
岩場を越えると突然平坦な道のりに変わります。
どうやらここから山頂の平坦なエリアへ差しかかったみたいです。
しばらく平坦な登山道を歩くと、艫岩の展望に到着します。
目の前に浅間山が見えます。
先ほど通ってきた国道254号がよく見えます。
それにしても、新緑が綺麗です。
秋の紅葉もきっと綺麗でしょうね!
春特有の霞んで見えない現象ですが、
奥には本来ならば御嶽や北アルプスの山々が見渡せます。
艫岩はちょうど荒船の先端部なので、まさに天空の船旅を楽しむ事が出来ます。
すぐ下は断崖絶壁です。
足を滑らせたら200m下まで滑落するのであまり近づかないようにしましょう。
上毛三山が一望できる隠れた絶景ポイント
艫岩からは浅間山をはじめ、北アルプスや美ケ原、蓼科方面がよく見渡せますが、上毛三山ははっきり言ってよく見えません。
しかし、実は艫岩のほか、上毛三山並びに下仁田町を一望出来る、地図には載っていないもう一つの絶景ポイントがあるので紹介します。
艫岩のすぐ後ろに東屋があります。
まっすぐ行くと経塚山方面へ、左の矢印の方へ行くと絶景ポイントに続きます。
東屋からほんの50mくらいですぐにポイントに到着しますのでご安心を。
矢印の方向に進むとすぐにぽっかりと空いた展望に到着します。
すぐ目の前には下仁田町が一望でき、
榛名山、赤城山、手前に妙義山と、群馬を代表する上毛三山がバッチリ見えます!
ここなら断崖絶壁から身を出さなくても安心して展望を楽しむ事が出来ます!
奥妙義の高岩もはっきり見え、表妙義、裏妙義、奥妙義の全てが一望出来ます。
恐怖の高岩の山行の様子はこちら↓
艫岩~経塚山
展望を楽しんだ後は、荒船山の最高峰である経塚山へ向かいます。
経塚山までは再び、とても山頂とは思えないほどの平坦な道のりを歩きます。
本当に登山を行っている事を忘れさせるくらい真っ平らです。
途中にクリンソウ群生地の看板があったので行ってみました。
クリンソウは湿地に群生するそうで、荒船山の山頂のこの一帯に咲いているそうです。
残念ながらまだ(5月中旬頃)蕾状態で完全に咲いていませんでした。
この状態だと、あと一週間ちょっとで見頃だそうです。
5月下旬から6月上旬が見頃なので、この時期に荒船山に登るのもおすすめですね。
相変わらずの平坦な道を歩き、経塚山の手前までやってきました。
ここから経塚山への登りですが、距離も短いのでそこまで辛くないです。
荒船山の最高峰、経塚山に到着です。
残念ながら展望は期待できません。
祠があるだけでした。
経塚山の名前ですが、かつて空海がこの山に経文を埋めたことから経塚山になったそうです。
駐車場へ到着。
休息と展望を含めて約4時間半の登山でした。
時間に余裕があったので、その後は神津牧場、荒船温泉の順に向かいました。
下仁田の観光名所を堪能した後は荒船の湯へ!
荒船山登山と神津牧場見学の後は国道254号線に位置する荒船の湯へ行きました。
ここは日帰り温泉施設で時間制限もありません。
大自然に囲まれた露天風呂を堪能した後は大広間や個室でゆっくり寛げるスペースも完備されています。
お土産はもちろん、食事メニューも豊富だそうです。
ホームページはこちら
広々としたロビー。
マッサージ機もあるので温泉に入った後、更に体を癒してみてはいかがでしょうか?
80畳ある大広間は宴会も承っているそうです。
個室もありました。
少人数でゆっくりお茶や食事を楽しめる空間になっています。
まとめ
荒船山は妙義山とともに西上州を代表する200名山の山です。
200mの断崖絶壁を成し、まるで航空母艦のような雄姿溢れる山容はドライブの途中思わず目を留めてしまうほど圧巻です。
また、登山道は途中に急登や岩場があるものの、危険箇所はほとんど無く、山頂部は山に登っている事を忘れさせるほど平坦な道なので、ハイキングに出かけたような気分を味わえます。
荒船山は見て楽しむのもよし!登って楽しむのもよし!な山です。
登られた際には是非艫岩の先端に立って、どこまでも広がる青空を大海原に、美しい山を島々に見立て、天空の船旅に出航してみてはいかがでしょうか?