素晴らしき日本の景色たち

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黒滝山登山(群馬県)|黒瀧山不動寺から観音岩経由の周回コース及び絶景をお伝えします!

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紅葉が見頃の11月に群馬県の南牧村に位置する黒滝山を登りました。

人口が2000人を切り、村自体が消滅する恐れがあると言われている南牧村ですが、

南牧村は低い山々に囲まれ、人の手で積まれた石垣の集落が特徴で、昔から変わらぬ原風景を眺める事の出来る自然豊かな山村です。

そんな南牧村の魅力に引かれ、毎年南牧村を訪れるようになり、しかもハイキングから熟達者向けまで幅広い登山コースがある山なので、何度も訪れてしまいます。

さて、今回紹介する黒滝山は千余年の歴史を誇る古寺「黒瀧山不動寺」に位置し、山岳信仰の霊場として発展し、更に外見が岩山なので、歴史を感じながらスリル満点の登山を楽しむ事の出来る山です。

ちなみに、黒滝山は日本全国に存在し、私はここ群馬の他に広島県の黒滝山にも登りました。

群馬の黒滝山登山は二度目となり、相変わらず緊張の連続する山行でしたが、登山道の様子や西上州の山々の絶景を紹介したいと思います。

黒滝山のアクセス、駐車場

 

上信越自動車道下仁田ICより下仁田の信号を左に曲がり、国道45号を経て約30分で到着します。

また、上信電鉄下仁田駅からタクシーにより約20分で到着です。

駐車場

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車は黒瀧山不動寺の駐車場に停められます。無料駐車場です。

黒瀧山不動寺~五老峰入口

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登山口まではコンクリートの坂道を登ります。

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駐車場から坂道を歩いて5分くらいで黒瀧山不動寺に到着します。

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山奥に建てられた寺なので、ご覧の通り一面山々で囲まれ、深山幽谷な趣のある景色を楽しめます。

更に、秋は紅葉で色づき、低山ならではの美しい光景を目の当たりにする事も出来ます。

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さて、寺務所を通り過ぎると、いよいよ登山道に差し掛かります。

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最初はゆるいハイキング程度の坂道を登ります。

それにしても、木々の隙間から差し込む日差しが心地よいです。

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登山口から5分くらいで五老峰入り口に到着します。

あ、ここからいきなり核心部である馬ノ背に潜入します。

核心部、馬ノ背

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五老峰入口を入るとこのような馬ノ背に到着します。

長さ2、30mくらいの細い岩峰で、幅は細いところで3、40センチくらいしか無く、先月10月に登った戸隠山の「蟻の塔渡り」を思い起こすような絶壁を渡る登山道になっています。

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戸隠山と違うのは、このように鎖が設置されているので、不安な方は鎖を握りながら進みましょう。

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道は思った以上に歩きやすいので、よそ見をしない限りは滑落の恐れはないと思うので、安心して渡る事が出来ます。

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ナイフリッジよりもこのようなハシゴ登りの方が緊張します。

両サイドはスパッと切れているので、目線がどうしても前にしか向きません…

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そして、いよいよトラバースからの鎖登りの難所に到着します。

レベル的にはそれほどではないと思いますが、

下は完全な崖で、軽く10m以上の高さはあると思います。

窪みがあるので、そこに足をかけながら進んでいきますが、踏み外すと大変危険なので、三点支持を守りながら登りましょう。特に雨上がりの濡れ時は要注意です。

ちなみに、写真は雨上がりの濡れた様子です。

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登り終えても安心できず、すぐに垂直なハシゴが待っています。

これがまた怖い…

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上から見ると、なかなかの高度感を味わえます。(必死の撮影!)

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登り終えてもすぐに恐怖スポットが襲いかかります。

このハシゴもなかなかのスリルを味わえ、ここはほぼ四つん這いで通り抜けたと思います。

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先ほどの四つん這いから下を覗くとこんな感じ。

かなりの高度感です…

馬ノ背~観音岩

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恐怖の馬の背を越え、ここまで来れば一安心です。

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見晴台に到着しました。

この見晴台は展望が開けますが、ここは断崖絶壁で、しかも足場があまり良くないので、ここでの展望はあまりおすすめしません。

先にある観音岩の方がおすすめです。

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しかし、なかなか安心できないのがこの黒滝山の登山道。

見晴台からすぐに、このような崖道を歩かなければならず、緊張の連続です。

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暫く進むと、観音岩と九十九谷の分岐点に到着します。

黒滝山は観音岩からの景色が一番素晴らしいので、ぜひ観音岩へ行きましょう。

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ここ観音岩はご覧の通り、観音像が何体も安置されています。

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表情の分かるものから、岩壁と一体化されているものまで多数安置され、

黒滝山が山岳信仰の霊場であることを物語っています。

観音岩からの絶景

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観音岩のてっぺんに行くには、このロープを登ります。
ここは滑りやすいので、注意が必要です。

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てっぺんに到着しました。

黒滝山の最高峰である観音岩は360度の大パノラマが楽しめ、西上州を代表とする山々を眺める事が出来ます。

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西上州を代表とする上毛三山の一角、妙義山の全貌が丸見えです。

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紅葉シーズンは山が色づき、見ごたえ十分な景色を味わえます。

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西上州のマッターホルンこと碧岩、大岩の奇景も確認出来ます。

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左から、卵型の鹿岳、右は四ツ又山を確認出来ます。

これらも南牧村を代表とする山です。

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平野部の方面も拡大すれば眺める事が出来ます。

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おや?

先ほどの不動寺が見えますね。

いかにも山寺という感じの溢れるお寺です。

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観音岩のてっぺんは狭く、足場も安定しないので、絶景を眺める際は足元をよく確認しながら楽しみましょう。

九十九谷分岐点~九十九谷登山口(上底瀬口)

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絶景を楽しんだ後は九十九谷へ向かいましょう。

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ここから先はバリエーションルート

全て下りですが、途中滑りやすい岩場やロープ場など、迷いやすい所もありますので、慎重に進みましょう。

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早々に危なっかしい岩場とロープが登場します。

右は完全な崖になっているので、あまり近づかないように進みましょう。

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見下ろすと集落が現れます。

山々に囲まれた、まさに秘境の村に相応しいです。

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崖の下はこのようになっています。

ここは九十九谷という名前になっていますが、元々は百谷と呼ばれ、天狗伝説と関係があるそうです。

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途中、こんな難所も!

右側は相変わらず崖でしかもかなり細い道なので、渡る際は注意が必要です。

手前には要注意!という看板がありました。

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不安な方は下から遠回りで進む道もあるので、安心して通過する事が出来ます。

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が、今回訪れた際に、丸太の橋がご覧の通り真二つに折れていました。

他のブログを拝見すると、ここは以前は折れていない状態だったそうで、私も以前この橋を渡った記憶があります。

この状態だと、ほぼ渡るのは無理なので、私は少し上の岩をトラバースして、無理やり渡りました。

西上州の山は里山が多く、登山道の不十分な箇所がたまに見られますので、低山ですが注意が必要です。

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暫く安心した道を進むと、分岐点に到着します。

上底瀬に向かうので、ここからは急な下り坂となります。

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道は細く、ルートから外れそうな箇所もあるので、ピンクのテープを頼りに進んで行きましょう。

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ようやく上底瀬口に到着しました。

入口は竹藪になっていて、いかにも里山の雰囲気が漂う登山口でした。

九十九谷登山口(上底瀬口)~黒滝山登山口

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さて、ここからしばらく先ほどの集落の道路沿いを歩く事になります。

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しばらく進むと、黒滝山登山口の看板が現れます。

ここを入ると再び登りが待ち構えています。

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途中、養豚場がありました。

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ピンク色の豚、茶色の豚が放され、近くまで見る事が出来ます。

手を振ると反応します!

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養豚場を越えると、ひたすら登り道です。

広い登山道なので、この辺りは安心して登れます。

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そして、スタート直後の分岐点を過ぎ、黒瀧山不動寺に到着します。

黒滝山周辺のおすすめスポット及び見どころ

黒瀧山不動寺

黒滝山に建つ黒瀧山不動寺は上州の奥の院とも称され、その名の通り、奥深い山に建てられた山寺で、黒滝山の厳しい登山道から、山岳信仰の霊場として発展されたと思われます。

黒滝山の素晴らしい自然と一体になった山寺は、どこか懐かしさを感じるような思いに駆られ、日本人の美徳を表された見事な古寺です。

黒瀧山不動寺の様子はいつもお世話になっているヒロさんid:HatensHiryoaim40のブログをご覧ください。↓

hatenshiryoaim40.hatenablog.com

南牧三名瀑

南牧村は滝の村とも呼ばれ、多くの滝が存在しています。

その中でも南牧三名瀑という南牧村を代表とする滝が見どころです。

登山と合わせて行かれるのもおすすめです。

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西上州のおすすめ登山

黒滝山の周辺には他にも登山可能な山々があり、どれも魅力的で素晴らしい山行になると思います。

まさに天空の船旅!日本のテーブルマウンテン、荒船山に登ってみた! - 素晴らしき日本の景色たち

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おすすめ温泉

登山後のおすすめ温泉は、下仁田から南牧村への入り口付近にある下仁田温泉清流荘です。

趣のある露天風呂で登山の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。

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南牧村の伝統行事”火とぼし”

南牧村の伝統行事である火とぼしは、毎年8月の14、15日に行われる群馬県最大の火祭りです。

戦での勝利の喜びを表した事から始まり、今ではお盆の先祖供養の火祭りとして残されています。

村人たちが一体となって行う火とぼしをぜひご覧ください。

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まとめ

黒滝山は低山ながら鎖場やロープ場、ナイフリッジなど、上級者向けの登山道が多数存在し、しかも開始直後に核心部に差し掛かり、その後もいくつか難所があるので、終始緊張の絶えない登山になると思います。

しかし、展望は素晴らしく、観音岩からは360度の大展望が満喫でき、西上州の代表的な山々を眺める事も出来ます。

難易度は高めですが、歩行時間は短く、登り終えた後にもう一座登る事も近場を観光する事もでき、黒滝山に限らず西上州の山は歩行時間の短い山行が多いので、日帰りでも充実した登山や観光を楽しめると思うので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。