素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

美ヶ原登山|王ヶ頭までの最短ルート及び日本アルプスの絶景を紹介!

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飯縄山登山の翌日は本来ならば黒姫山を予定していましたが、早朝の突然の雨により断念。悔しさが募る中、帰りがてらどこかお手軽に登れる山はないか探していたところ、百名山の中でも1、2を争うほど簡単に登れる美ヶ原がちょうど長野自動車道沿いあり、時間も迫っていたので急遽美ヶ原を登る事になりました。

今回登ったコースは最高峰の王ヶ頭に一番近い自然保護センターから美しの塔まで歩き、帰りはアルプス展望コースを経て王ヶ鼻まで歩きました。

終始平坦な道が続き、初心者でも十分に楽しめる美ヶ原は展望も素晴らしく、特に北アルプスの景色はちょうどよい距離間との事で絶妙な展望を味わえると称賛を得ています。

早朝に道の駅しなのから車を走らせた為に遅めのスタートとなりましたが、それでも十分にゆっくり登山を楽しめたので、今回は美ヶ原のコースや展望をお伝えしたいと思います。

美ヶ原のアクセス、駐車場

アクセス

 

長野道松本ICから国道158、143号、県道62号を経由、約30kmで自然保護センターに到着します。

駐車場

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美ヶ原自然保護センター前に約150台の無料駐車場有り

登山口に近い駐車場です。

美ヶ原自然保護センター~王ヶ頭

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駐車場には美ヶ原自然保護センターという、美ヶ原の自然や歴史、季節の花の情報を公開された施設があります。また、食堂やお土産、休憩スペースも設けてあるので気軽に立ち寄れます。登山開始前に一度寄ってみましょう。

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山頂に近い駐車場なのでインターから時間はかかりますが、ここから山頂まではほんの数十分の距離しかないので安心して登る事ができます。

さぁ出発です!

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スタート直後は平坦な道が続きます。よく整備されていて歩きやすいです。

視線の先にはすでに山頂部の電波塔が見えますね。

緩やかな登りだと想像できます。

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坂道もありますが緩いのでサクッと進めます。

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登山口から約20分で電波塔に到着します。

何かの基地ではないか?って思うほど近くで見ると迫力あります!

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電波塔の横には王ヶ頭ホテルがあります。ここは宿泊の他、食事や軽食、お土産も販売されており、食堂の窓からは美ヶ原の草原と八ヶ岳を眺めることが出来ます。

メニュー豊富な食堂なので訪れる事をおすすめします。

www.ougatou.jp

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ホテルのすぐ隣に美ヶ原頂上、王ヶ頭と書かれた山名碑に到着します。どうやらここが最高峰のようです。

広々として視界も抜群です!

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本当なら北アルプスの山々がずらりと一列に並ぶ光景が見られますが、この日は雲が多めで全部は見られませんでしたが、辛うじて槍ヶ岳が顔を出してくれました!

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雲が無ければここからの北アルプスは絶妙な光景になると思いますね!

山頂付近に薄っすら雪が積もっています。これから一気に雪山へと姿を変えるのであろう。と、そんな事を思いながら眺めていた…

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北アルプスの展望は微妙ですが、乗鞍岳ははっきりと見えました。

乗鞍岳って独立峰のようで独立峰じゃないんですかね?

御嶽山も見えるはずでしたが、惜しくも雲に隠れていました…残念!

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望遠レンズを屈して撮影

山頂部のみ薄っすら雪が確認できますね。雲に隠れていなければ御嶽山とのツーショットを撮りたかったですねぇ

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ふと思ったのが、この王ヶ頭の王は御嶽を指すのではないかと思う。

御嶽山は巨大な裾野を持つ事から王の嶽、王嶽とも呼ばれ、江戸時代には富士山と並ぶ篤い山岳信仰の山です。

石碑のすぐ横には鳥居が立てられ、中には石仏や神が多数祀られていました。

恐らく木曽御嶽から勧請され、ここから御嶽山を遥拝していたのではないかと思いました。

王ヶ頭~美しの塔

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さて、これより美ヶ原のシンボルである美しの塔まで行きましょう。

見渡す限り本当にここは山なのかと思うほど恐ろしい平坦な道が続いています。

ちなみに、正面奥に見えるのは八ヶ岳連峰。蓼科山の美しい山容が確認できますね。

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実際に道を歩くとその広大さに暫し呆然とします。美しの塔はそこまで時間はかからないと書かれていますが、不思議なことに歩いても歩いても近づく気配が感じられないので、焦りを感じます…

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6~10月にかけて牛が放たれているそうですが、10月末には牛はいませんでした…

これだけ広い草原だったら牛たちも気持ちがよいのではないでしょうか?

この草原で大の字になって寝転んだら気持ちいいんだろうなぁ~

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本当にここは山なのか、私は登山をしているのか?と疑問に思うほど、見渡す限り水平な道が続いています。確かにこれは1、2を争うほどの安易な百名山かもです。

それにしても、青い空と高原のコントラストが何ともいい感じで、立ち止まっては何枚も写真を撮りたくなる光景です。

ちなみに、この道はバスも通っているので歩く際は注意しましょう。

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美しの塔に到着

まるで城石のような石が積み上げられ、緩やかなカーブを描いたオシャレな塔ですね。

この美しの塔ですが、濃霧時の避難場所として建てられ、位置を知らせる鐘も付いています。

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確かにこんなだだっ広い草原が霧に覆われたら位置が分からなくなりそうですね。ちょっと想像するだけで怖いです…

アルプス展望コースのススメ

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さてさて、このまま来た道を帰ればよいのですが、せっかくなのでアルプス展望コースを歩いてみましょう!名前からしてアルプスを一望できるコースなのでしょうか?

アルプス展望コースと聞いただけでワクワクしますね!

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先ほどの広い草原とは違い、左側が崖になった道になっています。特に危険箇所は見当たりませんが、所によりガレ場のような足元を注意しなければならない箇所も一部あります。

しかし、基本は整備されているのでさほど心配は無いと思います。

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アルプスの展望を楽しむコースですが、途中歩いたコースを眺めると急斜面のガレや火口のような、先ほどの清々しい草原とは一変荒々しい場面も見られます。

美ヶ原は火山である事がこの光景を見て分かると思います。

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途中、こんな危なっかしい箇所もございます!

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板状に重なった溶岩が斜めに傾き、先端まで行けますが先っちょは断崖になっているので行く方は注意して下さい。

足場もガレ場になっていて足を持っていかれる危険性があります。

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さて、展望ですが名前の通り南アルプスから中央、北アルプスがよく見えるようになっています。この日は北アルプスの展望がイマイチでしたが、南アルプスはバッチリ眺めることが出来ました。

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ちょっと目を凝らすと…あれは…諏訪湖でしょうか?地図で確認すると意外に近いので恐らく諏訪湖だと思われます。

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むむむむむ~!!

双眼鏡を覗いていたら平べったい大地に何やらまん丸い建物が見えますね!

あれは恐らく霧ヶ峰の気象レーダー観測所でしょう。

霧ヶ峰も美ヶ原と同様にほとんど平坦な草原が広がる山ですね。確かニッコウキスゲが有名で草原には一面黄色い花が咲き誇り、とても美しい光景が見られるそうですよ!

実は私も何年か前に7月のちょうど見頃に訪れましたが、今でも忘れられない素晴らしい光景でした!

山は景色だけでなく花も楽しめる事を教えてくれた山行でしたね~

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アルプス展望コースは危険箇所もほとんど無く、雲一つない展望抜群の日にはアルプスを目の前に眺めながら登山をすることのできる、何とも贅沢なコースですね!

北アルプスの展望は王ヶ鼻へ

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展望のポイントは最高峰の王ヶ頭だけでなく、西の王ヶ鼻にもあります。

王ヶ鼻は王ヶ頭から20分くらいで到着します。

アップダウンも無く、ほぼ平坦な道のりなので気軽に立ち寄ることができます。

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西の王ヶ鼻に到着しました。

いい感じの山名碑が立てられています。

標高2008mと書かれ西暦2008年に訪れたら西暦の山になっていたのかも知れませんねw

もし可能であれば、タイムマシーンに乗って2008年に戻り、2008年の山だぜぇ!!って叫びながら自撮りしたいですねぇ~w

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タイムマシーンに乗ってうんちゃらはさておき、展望は王ヶ頭と奥には八ヶ岳、そして南アルプス、中央、北と人気の山々を見渡せる最高のビューを味わえます。

どちらかと言うと王ヶ頭よりもこちらの方が解放感あって壮大な景色!っていう感じですね。しかも見下ろせば松本市がズラリ一望できます。今回は残念ながら雲で隠れてしまいましたが、北アルプスの展望は王ヶ鼻の方が良いです。 

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ところで、この王ヶ鼻に着いたとき、ん?誰かいる?と、視線を感じましたが、どうやら石仏のようでした。

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どれもみんな同じ方面を向いていました。

これらは松本市を見下ろしているのでしょうか?それとも遥か先の御嶽山を眺めているのでしょうか?

まぁ恐らく山岳信仰に関する石仏だと思われます…

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地面を見ると、板状に岩が重なっているのが確認できます。

これは板状節理と呼ばれ、マグマが冷えて板状に重なった状態からこのように呼ばれている。溶岩が波のようにドローんと流れた様子が分かりますね。

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それにしても見事に重なっていますね。まるで皿を何枚も誰かが地道に重ねたようにも見えなくもない気がします…

ちなみにこの現象は王ヶ鼻だけでなく、王ヶ頭から先ほど歩いたアルプス展望コースにかけてこのような溶岩が見られます。

最後に

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美ヶ原はその名の通り山にも関わらず、平坦で壮大な美しい草原が広がる山頂であり、登山をしている事を忘れてしまうほど歩きやすい山です。

展望は八ヶ岳全体と日本アルプスなど、登山初心者でもこれほど豪華な山々を見ることができ、これから本格的な登山を始めるきっかけにもなるのではないかと思います。

今回は急遽美ヶ原を訪れる事となり遅れての登山開始でしたが、歩く時間と難易度はそれ程でもないので時間が少なくても十分に楽しめる山行でした。

登山に自信は無いけど百名山を登ってみたいと思いう方には美ヶ原はおすすめです。