素晴らしき日本の景色たち

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【二王子岳登山】山頂からは飯豊連峰の大パノラマ!その全貌を紹介します!

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梅雨の中休みを利用し、新潟県新発田市からよく眺めることの出来る信仰の山、二王子岳を登りました。

飯豊連峰の西部に位置する二王子岳は古来より信仰登山が盛んな山であり、修験道の霊山として登られていました。その証拠に登山口には立派な社殿を持つ神社が鎮守されています。

標高は1400mとそれ程高い山ではありませんが、麓から眺めると横に長い巨大な山塊は存在感があり、新発田市を代表する山でもあります。

登山道は麓の二王子神社からのみ開かれているので、山頂まではこの一本道を進んで行く形になります。

今回は残雪期の6月に登り、登山道の途中には残雪をトラバースする箇所もありましたが、山頂からは絶妙な飯豊連峰を眺める事ができましたので、早速紹介したいと思います。

二王子岳のアクセス、駐車場、トイレ

アクセス

 

日本海東北自動車道聖籠新発田ICより車で50分。

公共交通機関の場合は新発田駅からバスかタクシー利用

駐車場、トイレ

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無料駐車場は二王子神社奥宮の少し手前に有ります。

約70台ほど停められますが、すぐに満車になるそうなので早めに!

ちなみにキャンプ場の隣(境内)にも駐車スペースはありますが、そちらには停めないように。

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トイレは登山口の前にあります。

最近できたばかりなのか、物凄く綺麗なトイレでした!

トイレはここだけなので、登山前に必ず寄りましょう!

二王子神社~一王子避難小屋

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駐車場から歩いてすぐに二王子神社に到着します。

二王子神社の拝殿は見上げるほど大きく、ここまで大きな拝殿はなかなかないと思います。暫し唖然としながら拝殿を眺めてしまいました。

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しかし意外なことに、荘厳な社殿の目の前はキャンプ場になっていました。

炊事場もきちんと完備され、ベンチも多数設けらており、信仰登山の出発点であろう登山口がこのような状況なのはちょっと意外でした…

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王子とは熊野権現の御子神を指し、熊野権現から分身した神様であり、修験道における修行者を守護する存在として祀られたそうです。

二王子神社の由緒を読んでみましたが、やはりかつては修験道の霊山として栄えたと書かれていました。

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この二王子神社の立派な社殿、更に広範囲に目を向けると滝や巨木などもあるそうなので、神仏習合時代には一大霊場として多くの修験者が集う場である事を感じます。

また、山中には奥の院があるそうなので、明治以前は神社ではなく寺院だったのでは?など様々な想像をしながら一向に登山口に向かわずその場で考え込んでしまい、なかなか登山がスタートしません…

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史跡に目をつけるとついそちらに意識がいってしまい、登山と言う当初の目的を完全に忘れていましたが、やっと思い出したので山に登りましょう!

二王子神社については調べる機会があれば調べてみます!

登りは4時間だそうです。

途中残雪ゾーンがあるみたいなので、そこは慎重に行こう!

ちなみに、二王子岳山頂までのルートはこれだけしかないそうですよ。

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一合目付近は緩やかな坂を登っていきます。

途中軽い沢登がありますが、特に危険ではないので滑らないように進みましょう。

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暫くすると、巨岩が出現します!

これが神子石でしょうか?

今まで岩はありませんでしたが、突如目の前に現れた感じです。

それにしても不思議ですねぇ~

周りを見渡してもこれほどの巨岩は無く、誰かがここへ積んだのではないか?と思えるくらい奇妙な巨岩です。

名前が神子石なので、修験道が盛んな時代には神が宿る石という磐座として崇敬されていたのでしょうね。

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神子石を過ぎた後も暫くは地味なそして細かい階段が続く登山道になります。

急な坂道ではありませんが、階段となると少し厄介に感じてしまう…

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地味な坂を登りきると、立派な避難小屋に到着です。

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ここからすぐ近くに水場があるそうですね。しかし、1分って…30秒で到着するなら30秒!って書くのかな?

一王子避難場所~油こぼし

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まぁくだらないツッコミはさておき先に進みましょうね…

所により平坦な道になったりします。が、展望は相変わらず望めません。

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暫く進むと、おっ!何やら残雪が現れましたね。

6月の二王子岳は麓から眺めればもう夏山のように感じますが、実際に入山するとこのようにまだまだ雪が残っているんですね。

しかしこの山だけでなく、大概の山は初夏ではこのような光景が広がっています。

まだ残雪トラバースゾーンには達していないようですね。

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ちょいっと残雪ゾーンを進んで行くと、若干の展望が開けてきます。

こういう光景が見えるだけで、テンションが上がりますね!

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見上げるとあれは山頂部でしょうか?

遠いようで近い、近いようで遠いのが登山あるあるです…

油こぼし~二王子岳山頂

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そして、二王子岳の核心部である油こぼしに到着!

核心部らしい鎖場、岩場ですが特に難しい鎖場ではありませんw

油こぼしの由来は調べていませんが、ご覧の通り非常にデコボコした岩場になっています。

ここを通過するにはこのデコボコか鎖場のどちらかを選択する必要があります。

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崖に沿って岩壁が続く油こぼしはこんな感じ

デコボコといっても何かに溶かさせたように不自然な窪みです…

本当に誰かが油をこぼして登ったのではないかと思わせる光景です。

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しかし私はこっちの鎖を選択しましたw

やっぱり山登りするからには鎖をどうしても登りたかったのでこっちにしちゃいました!

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鎖を登り終えると七合目の看板が見えてきます。

山頂付近に差し掛かってきましたね!

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七合目を過ぎると更に残雪の量が増します。

登山道にはまだありませんが、徐々に近づいてくるのが分かります。

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それと、何でしょう?

この付近になったらやたら猿が多く出没します!

警戒心が強いのか、ちょっと目が合っただけで逃げてしまいます…

が、手を振ると固まりながらこっちを見てきますw

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そしていよいよ残雪ゾーンに入りました!

突然目の前に雪がどっさり登山道を阻んでいます…

なんか…白い川を渡るようなそんな感覚に見舞われ、最初の一歩が出ません…

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しかーし!歩いてしまえば特に問題ありません!

雪は固く、滑りやすくはないですが、慎重に進んで行きましょう!

この程度の残雪は特にアイゼン等は必要ありませんでした。

登山者のみなさんが歩いた跡がしっかりのこっているので、そこを歩けば問題なし!

雪山NGのあおすけ氏にとってこの光景には大変感動しました!

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暫く行き来したり奥の方へ歩いたりしちゃいました(^_^;)

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残雪ゾーンをクリアすると、ここでやっと展望が開けた登山道になります!!

青空と夏の山肌、残雪のコントラストがお見事です。

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実はもう一ヶ所残雪ゾーンがあります。

ここも歩いた跡をたどれば何の問題もありません。残雪ゾーンはこれでおしまいです。

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残雪ゾーンその2を過ぎるといよいよラストスパートという感じになります。

恐らくこの辺りは山頂付近になりますね。

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そして奥の院に到着です。

石で出来た祠は比較的新しく、中には大国主命と豊受姫命が祀られています。

祠の土台は大きくしっかりしていて、以前はきちんとした社が建てられていたのではないかと思わせるほど立派でした。

ただ名所が奥の院のままになっているので、以前は寺院だった名残を感じさせます。

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奥の院を過ぎると分岐点に到着します。

二王子岳は縦走登山が出来ない山ですが、唯一もう一つのピークである二本木に向かう事ができます。今回は行きませんでしたが、次回登る時は訪ねてみようと思います!

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分岐点からすぐに山頂の避難小屋が見えてきます。

どうやらその先が山頂ですね!

いい感じに花が咲いていますが、ニッコウキスゲはあるのでしょうか?

まぁあの花はもう一月後に咲く花なので確認はできませんが、一面咲き誇ればいい写真が撮れそうな構図ですね。

さぁ!ゴールはすぐそこ!

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ちなみに二王子小屋はカマボコ型でオレンジ色の個性的な避難小屋です。

二王子岳山頂からの絶景

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山頂に到着しました!

360度の大絶景が楽しめますが、二王子岳の展望は目の前の飯豊連峰を一望できる、まさに飯豊山を眺める為の展望台と言っても過言ではありません!

標識の前には青春の鐘と書かれた鐘が吊るされています。

まるで鳥居のような青春の鐘の先には見事な飯豊連峰が眺められます。

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よく山頂には山頂から見える山々の展望図が提示されていますが、二王子岳山頂には飯豊連峰のみの展望図がありました。

いかにこの山は飯豊山の展望が素晴らしいという事が伝わってきますね。

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カメラに収まらないほど横に長い飯豊連峰

6月ですが山頂付近はまだまだ雪が残り、絶妙な姿を見せてくれますね!

標高も2000mを越え、東北でも上位の高さを誇る山並みです。

主峰大日岳を先頭に徐々に低くなっているんですね!

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飯豊連峰最高峰、大日岳を勝手に拡大!

堂々たる山容ですが、荒々しさを感じさせない穏やかな姿ですね!

そしてこの残雪具合がまたいい感じになっています。

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二王子岳山頂から先も緩やかな稜線が続いていますが、ここから先はルートが書かれていないのであちら側には進めません。

二王子岳も横長の山で縦走が出来そうですが、なぜかルートが開けていません…

見た感じ絶景を仰ぎながら素晴らしい山行が出来そうなのですが、なんかもったいない気もします…

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もちろん、日本海も眺める事ができます。

望遠レンズがあれば町や工場地帯の様子も丸見えですw

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ちょっとモヤっとしていますが、西の方面には北アルプスの山々も確認できます!

空気が澄んでいれば恐らくはっきりと見えるでしょう。

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ちなみに山頂はこんな感じ

よく整備され平坦になっているのでゆっくり過ごすことが出来ます。

目の前の飯豊連峰を眺めながらゆっくり食事するのもいいですね!

下山後は城山温泉へ

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二王子岳から少し距離はありますが、百花の里城山温泉は露天風呂のある日帰り温泉施設で、温泉の他食事や休憩する事ができます。

食事は定食屋のようにメニューが多く、一品料理から定食メニューまで幅広く揃っています。

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おすすめはその場で火を入れて蒸した海鮮チラシの城山わっぱめし!

この温泉の名物料理で、豪華な定食です。

イクラをまぶして召し上がれ!

【外部リンク】

www.shiroyama-onsen.com

最後に

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福島の名峰飯豊山の手前に位置する新発田市の名山二王子岳は麓の登山口である二王子神社からのみ登頂可能な山で、途中には山岳信仰の面影も残す信仰の山です。

登山道の長さはちょうどよく、危険箇所もほとんど無いので登りやすく、幅広い年齢の方々に楽しんでもらえると思います。

ただ、途中に残雪を通る箇所があるので、そこだけは注意しながら登りましょう。

また、山頂からは飯豊連峰全てを見渡す事のできる素晴らしい展望所となり、飯豊山が好きな人にはおすすめな山です。

ぜひとも、山頂に吊るされた青春の鐘を鳴らしながら、飯豊山の絶景を仰いでみてはいかがでしょうか。