素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

中津渓谷|見事な青と渓谷美が織り成す仁淀ブルーを満喫してきた!

f:id:nobuburi:20220212064606j:plain

日本一綺麗な川と称される四万十川を流れる四国地方は、息を飲むような美しい川や渓谷が多く、国土交通省が実施している水質調査でも群を抜いて素晴らしい水質として認められているそうです。

そんな見た目も中身も美しい清流の宝庫である四国地方には素晴らしい渓谷が多く、下調べの段階で行ってみたい候補地がいくつも浮かんでくるほど魅力があります。

さて、今回の四国遠征で最も感銘を受けた渓谷は中津渓谷という場所です。

中津渓谷は仁淀川上流の支流を流れる中津川沿いの景勝地で、上流に行けば行くほど巨岩や断崖、滝などの奇景が続き見る者を圧倒する力強い自然美や怖れを感じる事のできる渓谷です。

過去に水質調査で水質値ランキングトップを誇った仁淀川の支流である中津川の渓谷がどのような景観なのか、実際に歩いて触れてみたので早速紹介したいと思います。

中津渓谷入口~中間地点

f:id:nobuburi:20220213064218j:plain

中津渓谷の全体図です。

今回はスタートの笑美寿茶屋から順に遊歩道を歩き、最奥の石柱まで歩きます。

帰りはそのまま道路沿いを歩くのもいいですが、私はピストンしました。

歩行時間は写真を撮りながらゆっくり歩いて合計1時間20分くらいでした。

歩行時間は参考までに。

f:id:nobuburi:20220312064131j:plain

最初入口がどこだか分からず迷いましたが、茶屋のある方から入ります。

反対側の中津橋を渡ると別の方面へ行ってしまうので注意して下さい。

f:id:nobuburi:20220312064248j:plain

スタートの段階で既に見事なエメラルドグリーンを堪能できます。

こんなに綺麗だと眺めるだけで心が清まる。

f:id:nobuburi:20220312064447j:plain

遊歩道もしっかりしていますね。

手すりに付着した苔が何ともいい雰囲気を出している。

f:id:nobuburi:20220213070130j:plain

暫くすると崖の上に像が見えますね。

先ほどの地図にも書かれていましたが、中津渓谷には竜神七福神という像が渓谷内に安置されています。

美しい渓谷を眺めながら七福神を見つけご利益も得られるスペシャルな景勝地ですね。

七福神は地図に示された場所に安置されていますが、うっかりすると見逃すのでしっかり意識しましょう!

ちなみに私はいくつか見逃しました…

f:id:nobuburi:20220312065334j:plain

まだまだ序の口ですが、見事な岩がたくさん見られます。

石灰岩でしょうか?白い巨大な岩とエメラルドグリーンの色鮮やかな色のコントラストが見事で、まるで自然の中の彫刻を歩いているように感じます。

f:id:nobuburi:20220312065451j:plain

これから奥に行けばもっと素晴らしい奇岩や淡いエメラルドが見られますが、この段階で既に何度も立ち止まり写真を撮っていしまいます…

f:id:nobuburi:20220312065636j:plain

f:id:nobuburi:20220312065711j:plain

遊歩道もなかなかいい感じの造りですね。

岩と岩の間に架けられ、人工物でありながらも自然に溶け込んでいるようなデザインになっています。

f:id:nobuburi:20220312070044j:plain

弁財天の像を過ぎると、遊歩道から逸れた場所に神社がありました。

階段を少し登り、高台の所にお社が建てられています。

f:id:nobuburi:20220312210229j:plain

少々不安定な場所に小さなお社が設けられていました。

何を祀られているのか確認しませんでしたが、やはり水を司る神様が祀られていると思います。

f:id:nobuburi:20220312210743j:plain

遊歩道の中間地点までやって参りました。ここには休憩できる東屋があります。

雨竜の滝まで残り半分くらいなので、ここで一休みするのもいいかも知れません。

中間地点~雨竜の滝

f:id:nobuburi:20220312211037j:plain

さて、ここから雨竜の滝に向けて出発しましょう。

と、その前に東屋のすぐ隣に紅葉瀧という滝があります。

名前の通りこの辺りは紅葉スポットとなり、見頃には渓谷美と色とりどりの紅葉が合わさった光景を目の当たりにする事ができる場所です。

10月中旬に差し掛かろうとする日に訪れましたが、まだ青々としていますね。

東北や標高の高い山はこの時期に見頃ですが、四国の紅葉はもう少し先になりそう。それ程四国は暖かい場所という事が理解できます。

f:id:nobuburi:20220312211525j:plain

雨竜の滝まであと290m…

もうしばらく歩きそうですが頑張りましょう!

f:id:nobuburi:20220312211727j:plain

後半に入ると先ほどの白い岩と違い、徐々に黒ずんだ岩が増えてきます。

岩の大きさも少しずつ大きくなってきているようにも感じ、いよいよ上流に近づいてきた感が湧いてきます。

f:id:nobuburi:20220228184414j:plain

橋が見えてきましたね。

実はこの中津渓谷はここからが真骨頂!

f:id:nobuburi:20220228184716j:plain

f:id:nobuburi:20220228184752j:plain

先ほどまでの岩とは比べ物にならない巨大な岩が行く手を遮るかのように次から次へと現れます。

きちんとした遊歩道にも関わらず、本当にこんな所歩いていいのか?と思うほど若干の恐怖感も募り、まるで禁足地を歩いているかのような渓谷に変わります。

まぁ言葉で語るよりも実際に歩いて感じる方が分かります(あたりまえ)

f:id:nobuburi:20220312221348j:plain

奥に進めば進む程うす暗くなり、下を覗くと水の色も漆黒さを増してきます。

f:id:nobuburi:20220228190434j:plain

本来なら危険な場所ですが、しっかりとした遊歩道によりすんなり進むことができます。しかしこの遊歩道、下流と同じく周りの岩々と上手く馴染んでいますね。

人工物の上を歩いていくのではなく、渓谷そのものを歩いているように感じさせてくれます。

f:id:nobuburi:20220301054110j:plain

雨竜の滝と展望台の分岐点に到着

まず先に雨竜の滝を見に行きましょう。

分岐点を通り過ぎると、滝までもうすぐです!

f:id:nobuburi:20220302065423j:plain

目の前には巨大な岩壁が立ち、今までの雰囲気とは違うオーラーを放っています。

レンガの橋にこびり付いた苔が秘境感を醸し出し、まさに神秘的な空間を歩いている様ですね。

よくぞこんな所に橋を架けたものだと、しばらく眺めていました。

f:id:nobuburi:20220313063350j:plain

そしてレンガの橋の上からは聳え立つ岩壁の向こうに雨竜の滝が出現します!

ギリギリまで近づいてみましょう。

f:id:nobuburi:20220313063556j:plain

落差はそれほどではありませんが、轟音と共に力強く流れ落ちていますね。

滝は一直線に落ちる定番の滝ではなく、3段になり、ちょうど真ん中で枝分かれして、一番下で合流する形になっています。

上部を見ると出だしは横から放出され、2段目以降こちら側に流れる構造で、何かと複雑な滝ですが、逆にこのような横に広がる滝も見応えがあるというか、見入ってしまう…

f:id:nobuburi:20220313062956j:plain

しかし、何といってもこの滝の周囲は巨大な岩壁に囲まれ、ほとんど日も当たらないのでうす暗く、まさに秘境感のある滝です。

f:id:nobuburi:20220313062645j:plain

滝の上部を眺めると…あれは注連縄でしょうか?

だとしたらこの滝も熊野那智大社の御神体である那智の滝のように滝そのものを神として崇められてきたのだろうか?

まぁ雨竜の滝と名付けられているので、ひょっとしたら竜神信仰の滝としての姿なのかも知れません。

最後に動画でも見ましょう!

神秘的な雰囲気が少しでも伝わるかな?

雨竜の滝~石柱

f:id:nobuburi:20220304063638j:plain

ド迫力の雨竜の滝を見終え、遊歩道もここまでと思いきや、まだまだ先に見どころがあるんですよ!

この先には展望台と竜宮渕と石柱というポイントがあるので進みましょう!

f:id:nobuburi:20220304064447j:plain
f:id:nobuburi:20220304064532j:plain

展望台と書かれた看板の先の階段を登ると視界の開けた場所に到着します。

ここからは今まで歩いてきた渓谷と深い山々を眺める事ができます。

f:id:nobuburi:20220304064849j:plain

そして再び分岐点へ

先に竜宮渕へ向かいましょう

f:id:nobuburi:20220313065041j:plain

歩いて1、2分で竜宮渕に到着です。

どこが竜宮なのかイマイチ分かりませんが、小さな滝とエメラルドグリーンの綺麗な水が覆い囲むように溜まっています。

淡いエメラルドグリーンなので、それなりに深いんじゃないかと思いますね。しかしこれはこれで見応えあります。

f:id:nobuburi:20220305063622j:plain

そして最後のポイントである石柱までは少し歩きます。

歩くと言っても10分程度ですね。

最初は道路を歩きます。ここは車も通りますので歩くときは注意しましょう。

f:id:nobuburi:20220313065200j:plain

石柱と書かれた看板があります。

ここから再び渓谷沿いを歩くコースになります。

滑りやすい箇所もあるので慎重に行きましょう。

f:id:nobuburi:20220305064705j:plain

f:id:nobuburi:20220305064809j:plain

雨竜の滝周辺のような雰囲気が再びやってきます。

ただ、こちらは上流付近でありますが、不思議と川の流れが穏やかで静まり返っています。逆にこの静けさが不気味なんですがね…

f:id:nobuburi:20220305065100j:plain

そして遂にラストである石柱に到着。

石柱はこの橋の上から眺める事が出来ます。

f:id:nobuburi:20220305212517j:plain

石柱がこちら!

画面中央の川の真ん中に突き刺さるように立っているのが石柱です。

天と地を結ぶように立ち尽くす石柱は6万年前から水の侵食により今の姿になったそうです。昔は今より水量も多かったのでしょうね。

ただ、こんな形になったのも本当に偶然なのか?と思うほど見れば見るほど疑問に思う。まるで芸術品のようですね。

しかし中心部が細く、いずれ折れてしまうのではないかと少し心配です…

ちなみに石柱と書いて、”いしばしら”と読みます。ずっと”せきちゅう”かと思っていましたw

f:id:nobuburi:20220305213254j:plain

この橋、先があるのかと思いきや奥の壁で行き止まりになっています。

先が行き止まりの橋ってなかなかないですよねぇ?

写真で見ると何も感じませんが、実際に行き止まりの橋を目の前にすると焦るというか、何故か恐怖心が湧いてくるんですよ!

f:id:nobuburi:20220305214615j:plain

下を見るとこんな感じ

水がキレイ!っと思いますが、吸い込まれそうでやっぱり怖いです…

f:id:nobuburi:20220305214804j:plain

案内地図を見ると中津川はまだまだ続き、キャンプ場や神社など見どころはあるそうですね。

今回は中津川渓谷散策という事なのでここで引き返します。

興味のある方は先に進んでみてもいいかも知れませんが、時間に注意しましょう。

帰りは県道を歩くのもいいですが、私は歩いてきた渓谷を再び歩きました。

中津川渓谷のアクセス、駐車場

 

高知道伊野ICから国道33号と国道494号を経て車で約1時間で到着します。

また、公共交通機関の場合は高知駅からJR佐川駅で下車、黒岩観光バスに乗車し、「名野川」バス停で下車します。そこから歩いて10分くらいで到着します。

【外部リンク】

kurokan.net

周辺のおすすめ渓谷

f:id:nobuburi:20220306070050j:plain
f:id:nobuburi:20220306070121j:plain

渓谷美を味わえる川は中津川以外にも多く、同じ仁淀川町には「安居渓谷」という場所も素晴らしい渓谷でした。

この渓谷も観光スポットとして整備され、歩きの他、車で移動しながら渓谷美を楽しめるスポットになっています。

f:id:nobuburi:20220306065738j:plain
f:id:nobuburi:20220306065806j:plain

また、安居川沿いには不思議な神社があり、それはなんと、大きな岩の上にお社が建てられた神社で、恐ろしい伝説が語られています。

一体どうやってあそこにお社を建てたのだろう…という思いと、今でも岩に登ってお祭りされているのだろうか?という疑問も湧いてきます。

道路沿いに看板が立てられているので、気が付いたら立ち止まってみてはいかがでしょうか。

最後に

日本屈指の美しい清流の渓谷美いかがでしょうか?

中津渓谷は終始巨岩の多い渓谷ですが、中盤まではエメラルドグリーンの清流と白い石灰岩とのコントラストが美しく穏やかな渓谷美で、中盤から後半は雰囲気が一変し、秘境感の漂う独特な渓谷になります。

特に後半の雨竜の滝周辺から石柱までの道はうす暗く、恐怖すら感じる遊歩道ですが、逆に冒険心が高まり、後半はワクワクの止まらない散策になる事間違いありません。

ぜひ、前半と後半で景観ががらりと変わり、まるで二つの顔を持つ中津川渓谷に足を運んでみてはいかがでしょうか。