令和4年初の登山は丹沢主脈の南側に位置する標高801mの高松山に登りました。
丹沢の山と言えば日本百名山に選ばれている丹沢山や神奈川県最高峰の蛭ヶ岳、塔ノ岳、更に山岳信仰で栄えたピラミッド型の大山など2000m級の山はありませんが、その為に春夏秋冬気軽に登ることの出来るバランスの良い山岳エリアです。
また、首都圏からも近く、日帰りルートも多数あるので毎年多くの登山客で賑わいを見せます。
さて、今回登った高松山は丹沢主脈からは大きく外れ、麓には静かな集落を形成された場所にあるひっそりとした山です。
しかし山頂の展望は素晴らしく、丹沢主脈から眺める絶景に劣らない程素晴らしい景色が広がり、前年訪れたすぐ隣に聳える大野山と同様に隠れ名山的な存在です。
人気のある主脈とは違い、静かな登山を楽しめるのも魅力の一つである高松山を今回は尺里峠経由で登ったので、登山道の様子や山頂の絶景を紹介したいと思います。
高松山のアクセス
アクセス
JR山北駅から南部循環東回りのバスに乗り、高松山入口で下車。(約5分)
そこから歩いて1時間40分くらいで尺里峠に到着します。
駐車場
車でお越しの場合、山北駅近くに観光客用臨時駐車場があります(無料)
ただ、利用時間が朝7時から夜9時までなので注意が必要です。
【外部リンク】
最短ルート尺里峠から山頂までの登山道
尺里峠に到着です。
ここにはトイレが付いています(写真の左)が、水洗式ではなく簡易型トイレなので注意して下さい。
達筆な手書き案内看板が多数あり、情報量の多い登山口です。
まぁこの階段を上がっていくという事ですね。
階段を上がった所から本格的な登山道に入りますが、階段の上には石碑と仏様が祀られています。
馬頭観音と第六天である他化自在天が並べられ、お供えもされているの事から定期的に拝まれているそうですね。
説明書きによると、ここ尺里峠は第六天とも呼ばれ、第六天を祀る御堂が建てられていたらしく、昭和初期に山北町岸にの天社神社に合祀されたそうです。
その後は石碑を建てられたが、いつの間にか消失し、近年再びこの場所に第六天の石碑を建てられたとの事。
登山口に御堂が建てられていたという事は、恐らくこの山も丹沢修験の一環であったと思われます。
登山道も虫沢古道と名付けられているので、尚更修験道の匂いがしますね。
登山口からほんの数分で富士見平という地点に到着します。
いきなり視界が広がり富士山が見える事からこのような名前になったのだろう。
さて、ここから本格的な登山道に入る雰囲気になりますかね。
高松古道と書かれている通り、趣のある登山道である事に期待が膨らみます。
先ほどの看板には虫沢古道と書かれていましたが、恐らく高松古道と二つの呼び名があるそうですね。
緩い登りや平な登山道が続き、登山と言うよりハイキングコースです。
道も広く歩きやすいです。
相変わらず手書きの標識でありますが、先に進みましょう。
ここから本格的な登山道になるのでしょうか?
ここから先も特段急な登りは無く、むしろ歩きやすい道になっています。
綺麗に並んだ杉並木が美しく、とても癒される登山道です。
久しぶりの登山でしたが、やはりこの山の香りと空気が何ともたまりませんね!
登山口の注意書きに書かれていましたが、ここ高松山もヒルが出るみたいですね!
まぁ丹沢はヒルで有名な山岳エリアですから、丹沢を訪れる際はヒル対策が必要です。
しかし、有難いことに途中山頂に至るまで何度もこのようなヒル対策の塩が置かれていました。恐らく虫沢古道を守る会の方たちが用意して下さった塩だと思います。
これは有難いですね~
なだらかとは言え、少し急な場面もあります。
急と言ってもそこまで辛くないのでグングン進んで行けます。
標高700m…
何故か地面すれすれに付けられた標識です。
再び緩やかな登りを進んで行くと、馬の背という展望所に到着します。
展望所と言ってもたまたま少し開けた場所ですが、このように看板が立てられています。
景色は鍋割山と丹沢主脈に至る山稜が見えますね。
標高は1200m前後で穏やかな山並みで、ちょうど朝日に照らされていて清々しい光景です。
山小屋らしきものが確認できたのでアップ!
手前は花立山荘かな?
奥に見えるのがひょっとして塔ノ岳の尊仏山荘っぽいんですけど自信ないです…
余談ですが、塔ノ岳は富士山を始め丹沢の全貌と相模湾を一望できる丹沢屈指の大展望が楽しめる山です。
百名山は丹沢山ですが、私個人的には塔ノ岳の方がお気に入りです。
さて、プチ展望所を過ぎるとラストの急登に差し掛かります。
地図には書いてありませんでしたが、ここには男坂と女坂があるみたいですね!
名前の通り、男坂は山頂まで一直線の急登で、女坂は緩やかな坂を迂回する形になっています。
せっかくなので両方体験しようと思い、登りは男坂、帰りは女坂にしました!
男坂は急ですが、長さが短くほんのちょっとで山頂に到着できます。
空が見えてきました!
まもなく山頂!というこの瞬間がいいですね~
ちなみに女坂はこんな感じ
迂回道らしく、緩やかで歩きやすいコースでした。
時間もそんなにかからないので、こちらから登ってもいいかも。
高松山山頂からの絶景
そして、登山口から1時間かからずに山頂到着!
視界が広く、ご覧の通り堂々たる富士山の姿が見えます。
展望は富士山を始め、南西に箱根の山々、南には駿河湾が眺められ、よーく目を凝らせば湘南江の島、三浦半島、更に横浜方面も確認できました。
あと、残念ながら写真には写りませんでしたが、大島も眺める事ができました。
さすがに丹沢主脈の展望には劣りますが、それでも標高800mでこの光景を堪能できるのはかなりおすすめ。
山頂もご覧の通り広々としており、訪れた時は冬でしたが、春から夏にかけては一面芝生が広がり、大の字で寝転がると気持ちよさそうですね。
ベンチとテーブルもいくつか設置され、座りながらのんびり過ごすのもいいでしょう。
私もベンチに腰を掛け、暫く富士山から湘南方面の景色を眺めながらボーっとしていましたw
高松山のすぐ隣には大野山という標高も高松山と同じくらいの山があり、そちらも丹沢の中ではおすすめな山です。
大野山は山頂直下に駐車場があり、歩いて数分で山頂に到着できるので、高松山とセットで登るのもありかと思います。
ここで終わりではなく、高松山から先もいくつかルートがあるみたいですね。
その気になれば丹沢主脈まで歩くこともできるので、大縦走したい方はぜひ歩いてみてはいかがでしょうか。
おすすめ丹沢の山
神奈川の西部に位置する丹沢は2000mに満たない山岳エリアですが、主脈を中心に四季を通して多くの方が登られ、首都圏からも近い為か気軽に登山を楽しむ事ができます。
ここで紹介するのは主脈ではありませんが、丹沢のシンボル的な山である大山と低山と思えないほど素晴らしい展望を楽しめる大野山を紹介します。
丹沢の山岳霊場と言えばやはり大山でしょう。
大山は丹沢主脈の東部に位置する標高1252mの山で、横浜町田ICから海老名JCTの間からもピラミッド型の秀麗な姿を目の当たりにする事ができます。
特段高い山とは言えませんが、美しい独立峰を成し、古くから山岳修験として発展し、江戸時代には庶民にまで物見遊山的に親しまれた山でもあります。
おすすめは表参道から登るコースで、麓から山頂まで歴史を感じる登山を味わえます。
【登山レポート】
もう一つ注目していただきたいのは丹沢南部に位置する大野山です。
高松山と横に並ぶように聳える大野山は標高722mの低山ですが、山頂付近が牧場になっていて、解放感溢れる光景を成しています。
山頂から眺める富士山は「関東の富士見100景」に選ばれ、その他雄大な景色を楽しむ事ができます。
また、高松山とは違い、大野山からは丹沢湖も眺める事ができるので、こちらの展望もぜひ眺めていただきたい。
【登山レポート】
最後に
いかがでしょうか。
今回は展望の良い丹沢の山である高松山を紹介しました。
標高1000mに満たない、低山ながら大絶景と言っても過言ではない山頂からの景色は丹沢の中でも良展望の山に数えてもよいと思います。
これから丹沢の山を登ろうとお考えの方はぜひ、高松山を候補に選んでみてはいかがでしょうか。