梅雨入り間近の6月上旬、五月晴れの名残を信じ、以前から登ってみたかった浅間隠山に登りました。
群馬県と長野の栄に聳える活火山、浅間山から北東の位置にある浅間隠山は気軽に登れ、山頂からは雄大な浅間山を眺められる事で有名で、日本二百名山に選ばれた群馬県の中でも人気のある山です。
山頂からは雄大な浅間山を始め、遠くには南アルプスや北関東の名山、近くには西上州の山々を眺める事のできる大パノラマが味わえます。
今回も日帰り登山という事で、山頂まで一番近い二度上峠口からピストンで登り、浅間隠山の近くには観光スポットも多く、最短コースでピストンすれば、下山後にはいくつか立ち寄る事も可能です。
それでは今回は浅間隠山の最短コースである二度上峠口の登山道並びに山頂からの絶景を紹介したいと思います。
浅間隠山とは
浅間隠山は群馬県の西部に位置し、長野県との県境に近い場所に聳える標高1757mの山です。
名前の由来は、東吾妻や中之条方面から眺めると浅間山を隠してしまうという単純な理由から「浅間隠山」と名付けられたそうです。
また、浅間山ほどではありませんが、山容が美しい事から川浦富士と呼ばれ、ご当地富士山の一員でもあり、日本二百名山に選ばれています。
山頂からは浅間山を始め、大絶景を眺める事ができ、日帰りでも十分登れる山として人気を集めています。
二度上峠登山口のアクセス、駐車場
二度上峠登山口のアクセス
関越自動車道高崎ICから車で1時間20分で駐車場に到着します。
二度上峠登山口の駐車場
駐車場は二度上峠から歩いて1、2分のところにあり、15台ほど停められます。
駐車場には簡易的なトイレも完備されています。
また、登山口から少し離れたところに二度上峠見晴台という場所があり、そこにも数台停められるスペースがあります。
二度上峠登山口~分岐点
駐車場から1分くらい道路を歩いたところに登山口があります。
山頂まで90分と具体的に書かれていました。
入口からいきなりツツジが咲いています。
先月登った五葉山を思い起こすような光景ですが、さすがに五葉山ほどは咲いていません。
しかし、綺麗ですね。
開始早々は石が多く少し歩きにくい道です。
雨上がりだと濡れて滑りやすいので注意しましょう。
特に急登ではなく、比較的歩きやすい道が続きます。暫くすると明るさも増し、気持ちのよい登山道になってきます。
心地いい登山道を進んでいくと、分岐点のような場所に到着ですが、別にここは分岐点ではありません。
浅間隠山こちら➔と書かれているので、それに従うまでです。
こちら➔を進むと、暫くは平坦な道が続きます。
平坦で歩きやすい道を過ぎると、クマザサゾーンに突入します。
山ではおなじみのクマザサ
雨上がりにはあまり歩きたくない道の1つですね。
徐々に角度も上がってきますが、急登ではないのでそこまで辛くはありません。
おや?登山口で見られたツツジがここでも咲いていますね。
赤いツツジなので、これはヤマツツジでしょうか?
ツツジを越えると、いよいよ急な登りに差し掛かります。
地図を見ると、この辺は迷いやすいと書かれており、周囲を見ると、確かに登山道が一瞬分からなくなる道でしたので、注意しながら歩きましょう。
途中、テープが巻かれた木があるので、それを頼りに進んでいきましょう。
急登を過ぎると分岐点に到着します。
ここは浅間隠山山頂に向かうコースと、市倉尾根に向かうコースの分岐点になります。地図では市倉尾根と書かれていますが、コースが書かれていないので立ち入らないようにしましょう。
分岐点から山頂まで景色のよい尾根歩き
もう山頂が近いのか、平坦な道を歩いて行きますが、暫くすると…
やっと展望が開け、なんと!浅間山が見え始めました!
まるで富士山のような秀麗な形を成しています。
山頂付近もツツジが咲いています。
最後の坂は少し急ですが、両サイドは既に絶景が広がりなかなか前に進む事ができません…
右側が崖になっていて少し緊張しますが、登山道はしっかりしているのでよそ見をしなければ落ちる事はありません。
しかし、気持ちのよい尾根が続きます。
大展望!浅間隠山山頂からの絶景
そして遂に浅間隠山山頂に到着です!
山頂には標識と展望案内板と祠があります。
ここからは360度の景色とはいきませんが、優れた展望を味わう事ができます。
まず目の前には雄大な浅間山!
前方に出ると素晴らしい浅間山を眺める事ができます。
まだ早朝なのでガスの発生も無く、まさに文句なしの完ぺきな姿です!
ちなみに山頂周辺もツツジが咲き誇り、ちょうど見頃を迎えていました。
浅間山とコラボ写真もいただきました!
その浅間山の左奥には…
八ヶ岳連峰とその奥に聳えるのは恐らく南アルプスの山々ですね。
八ヶ岳連峰を拡大すると、主峰赤岳がよく見えますね。
その隣奥の山は雪が被っている様子が分かります。
季節は6月になりましたが、3000m近くの山はまだ雪が残る季節ですね。
スーパー拡大した八ヶ岳の赤岳付近
八ヶ岳はほぼ夏山ですが、左奥の山はまだ雪が目立ちます。
それにしても雲海に浮かぶ八ヶ岳もカッコいいです!
少し視線をずらすと…ん?山と山の間に見えるピラミッドは…
そう富士山です🗻
なんとまぁ僅かですが富士山の頭がはっきりと見えるのです。
しかし、3月に飯能アルプスから眺めた富士山の姿に似ていますね。
距離はこちらの方が長いですが、絶妙な姿です。
その富士山の更に左側にはギザギザの恐ろしい山容を見せつけた妙義山が見えます。
標高は低いですが、あのイカツイ岩山からは殺気を感じます…
東部を眺めると平地が広がっています。
あちらはたぶん前橋市と高崎市方面ですかねぇ。
そしてあちらの山は上毛三山の榛名山と左奥には赤城山が辛うじて見えます。
つまり、浅間隠山からは上毛三山の全てを眺める事ができるんですね。
その後ろの高山は男体山や日光白根山や尾瀬の山々も見えるのですが、あいにくガスが多くはっきりと見えませんでした…
更に視線を北の方角へ向けると谷川岳や武尊山も見えそうですが、確認はできませんでした。
ちなみに山頂はこんな感じで広くも狭くもない、ちょうどいい感じのスペースです。
しかし、木々が邪魔でせっかくの大絶景が残念な結果になっています。
昔の山頂の様子を写真で見ると、確かに360度の絶景でしたが、近年はこのような山頂になっています。
これはもったいない気がしますねぇ…
山頂から先にも道は続いています。
あちらはシャクナゲ尾根に繋がるコースです。
シャクナゲという名前なので、恐らく登山道にたくさんのシャクナゲが咲く登山道ではないかと想像できます。
山頂には祠もありますが、中を覗くと…
神様ではなく仏様がぎっしりといらっしゃいました!
たぶんこれらの仏様は後から誰かが安置したのではないかと思いますね。
しかし、真ん中は仏様ではありませんね?
どこかで見たことあるのですが…思い出せません。
ちなみにツツジ以外にも花は多く、桜?のような木もあります。
その下には黄色い花もたくさん咲いていて、お花畑のようでした。
景色もいいですが、花も一緒に楽しみたいものですね。
ツツジは山頂手前の道が一番綺麗でしょうか?
これは帰りに撮りましたが、やはりいい感じでした。
浅間隠山周辺のおすすめスポット
浅間牧場
下山後は浅間隠山から浅間山方面の途中に浅間牧場がおすすめです。
標高1300mの高原に位置する浅間牧場は、800haの牧草地で、その広大な牧草地では放牧された牛を見る事ができます。
牧草地はガイドが必要な箇所以外は自由に散策可能で、広い牧草をバックに聳える浅間山の景観が特に素晴らしく、牧草を歩くだけで楽しめる牧場になっています。
また、牧場内には標識と三角点を有する天丸山という山があり、ほんの数十メートルの小さい山ですが登山可能で、牧場にいながら登山も味わえるという珍しい体験もできます。
鬼押出し園
学生の修学旅行や研修旅行の定番となっている鬼押出し園は浅間山の麓に位置し、1783(天明3年)に噴火した溶岩流が冷えて固まった事で生み出され、奇岩、怪岩の宝庫になっています。
園内には噴火によって犠牲になられた方を供養するために建てられた寺院がありますが、近年では噴火の恐ろしさを一変し、軽井沢に近い事から観光地化として整備され、現在では定番の観光スポットとして人気を集めています。
園内は広くコースも様々、更に草花の群生も時期によって見頃があるので、奇景と一緒にお楽しみください。
白糸の滝
白糸の滝という名の滝は日本全国にあります。
富士山の麓に流れる白糸の滝はあまりにも有名ですが、浅間山の麓にも実は美しい白糸の滝が存在しています。
滝というと豪快に流れ落ちるイメージがありますが、白糸の滝はその名のとおり、糸を引くように流れ落ち、人の心を癒す姿になっています。
そんな軽井沢の白糸の滝は軽井沢町の北部に位置し、入口から歩いて5分程度で到着できるので、気軽に立ち寄る事ができます。
滝自体の大きさはそれほどではありませんが、岩壁に横一列に連なる滝はまるでステージのような景観で、透明度の高い水面に流れ込む滝の音は癒しを与えてくれるコンサートのようでもあります。
こちらも駐車場が完備され、滝入口にはお土産屋もあるので、訪れてみてはいかがでしょうか。
最後に
今回は最短ルートの二度上峠登山口から登ってみました。
山頂からは雄大な浅間山から上毛三山や八ヶ岳、関東北部の名山を眺める事のできる優れた展望で、山頂付近のはヤマツツジの群生も見られます。
軽井沢に近い事から下山後は軽井沢方面へ足を運ぶことも可能となり、日帰り登山と観光の両方を楽しむ事もできるので、ぜひ登られてみてはいかがでしょうか。