令和7年、初登りという事で神奈川県箱根にある箱根火山の外輪山の1つである明神ヶ岳に登りました。
明神ヶ岳は箱根外輪山の中では第二高峰の標高1169mで北東に位置し、山頂からは富士山の展望を始め、箱根火山に視線を向けると大涌谷の噴気が確認できるほど絶好の展望を味わう事ができます。
また、金時山からは見えませんが、明神ヶ岳山頂付近からは雄大な相模湾や湘南江の島、更に東京方面まで眺める事も可能で、下山後は強羅付近の温泉や観光巡りに足を運ぶのもおすすめです。
外輪山の一部なので明神ヶ岳だけでなく、箱根外輪山を一周する事もできますが、今回は強羅付近にある宮城野の登山口から山頂を目指しました。
1月の厳しい寒さの初登山でしたが、山頂からは見事な富士山と大涌谷の激しい噴気、更に美しい相模湾を望む事ができたので、早速紹介したいと思います。
明神ヶ岳(宮城野登山口)アクセス
宮城野登山口には駐車場が無いので、強羅駅前の有料駐車場をご利用ください。
公共交通機関でお越しの方は強羅駅下車から登山開始になります。
ちなみに、今回停めたコインパーキングは24時間最大1100円です。
朝早かったので24時間パーキングを利用しましたが、もう少し安い個人経営の駐車場もありました。
今回登ったコース
今回は強羅駅手前の駐車場から山頂を目指しました。
約2時間で山頂に到着します。
強羅駅~登山口
さて、今回の登山は強羅駅手前の駐車場からスタートしたいと思います。
駐車場から国道138号まで下りますが、道路を歩く事はできないので、歩道を歩きましょう。
地図アプリによると、階段と書かれたショートカット的な道があるそうなのでそちらに進むと…
これか!
確かに道が極端に狭く、先を見ると階段になっているのが分かります。
ふと、左を見上げるとそこには今回登る明神ヶ岳の全体が見えます!
箱根外輪山第二高峰の山で標高は1169mしかありませんが高山に見えるのは気のせいでしょうか?
名前が明神なので確実に山岳信仰の山として開かれていた事が分かり、明神は不動明王などの明王の事で、「明王の力を持った神」という意味が込められ、明神になったそうです。
神仏習合において、権現という神号がよく使われていますが、この明神も同じく神仏習合の中での神号として考えられています。それはつまり、明神ヶ岳もかつては修験者たちの修行の山として登られていたに違いありません。(写真は帰りに撮った写真)
そんな事を考えながら暫く明神ヶ岳を眺めていましたが、時間がもったいないので進みましょう。
ここから先は急な階段を下りる事になります。
行きは楽チンですが…
これ、帰りは地獄になりそうですね。


細い階段を下ると住宅地に差し掛かり、住宅地を抜けると国道138号沿いに到着します。
橋から下を眺めると、ものすごい勢いで湯気が上がっていますね!
先ほど国道138号を走っていると、地面から湯気がいくつも上がっている様子が確認できました。
やはり箱根山は未だに活発である事が分かりますね。
橋を渡り終え暫く歩くと宮城野という信号がるので、そこを右に入っていきます。


再び住宅地に差し掛かり、明神ヶ岳の登山口の案内看板に従って進んでいきます。


途中、謎の近道がありました…
このような看板を見ると通ってみたくなるものですね。
近道を越えると遂に登山口に到着します。
強羅駅からここまで約30分ってところでしょうか?
登山口~鞍部
さて、ここから本格的な登山道に差し掛かります。
気を引き締めて参りましょう!


登り始めは鬱蒼とした細い登山道が続きます。
足場は決していいものではありませんが、緩やかな坂道が続きます。
一旦道路に出ますが、すぐに登山道に戻ります。
ここから先は竹林の登山道になります。
竹林と言ってもこれは笹?みたいな植物で、高さもそこまで高くはありません。
となりのトトロでメイちゃんがダッシュしたあの場面に似ているような…
笹道を過ぎるとようやく一般の登山道の風景になります。
しかし、相変わらず緩やかな登山道が続き歩きやすいです。
歩きやすいと思ったら根の多い登山道に差し掛かります。
しかも少し傾斜も上がってきましたね。


その後は徐々に岩が多くなり、大きさも登るにつれ大きくなっていきます。
幸い鎖場やロープ場は無く、息が上がるような急登でもないのが救いです。
鞍部~明神ヶ岳山頂


そして分岐点である鞍部に到着。
この分岐点は明神ヶ岳方面と明星ヶ岳方面へ向かう分岐点となり、明神ヶ岳へ向かうラストスパートになります。
分岐点からいきなり笹道になります。
またかよ!って思いますね。


笹道を越えると、次第に展望が広がり、明星ヶ岳へ続く稜線と相模湾が徐々に見え始めます。
それと同時に登山道も多少キツくなっていきますが、一時的なものでそこまでの急登はありません。
その後は再び展望の無い登山道を歩きますが、時折このように展望の開けた場面に遭遇します。
一番感動したのは外輪山の中心を担う箱根山ですね!
歩きながら眺めても大涌谷の噴気の迫力さが大いに伝わってきます。
その後は意外にも比較的平坦な道が続き、時折笹道になったりしますが、基本は展望の無い登山道が続きます。
しかし、この登山道の感じは荒船山山頂付近を思い出しますね。
あの山も山頂付近は恐ろしいほど真っ平らで、しかもかなり長い道でしたね。
暫く歩くと分岐点に到着。奥に行くと最乗寺に到達できるそうですね。
そして再び展望の良い登山道に差し掛かります。
ここまで来ると富士山まで見えるようになっていきます。
景色は山頂に着いてからゆっくり眺めたいところですが、こんな素晴らしい景色なら立ち止まってしまいますね。
富士山が見え始めてからは展望の開けた道になり、とても気持ちいいです。
こんな道が続けばいいのにって思います。
そしてここが最後の分岐点になります。
と言ってもこの分岐点からほんの2、3分で山頂に到着しますが…
ちなみにこの分岐点も絶景ポイントなんです!
振り返ると、そこにはなんと!雄大な相模湾が広がっています!
見事な弧を描いた海岸線と奥には目を凝らすと見えますが江の島、その奥には薄っすらと三浦半島まで眺める事ができます。
相模湾の展望は山頂直前のこの分岐点から見えるので、見逃さないようにしましょう。
更に振り返ると尾根道も確認できます。
その奥には太平洋と大島も見えますね。
光る海に浮かぶ大島が神々しいです。
明神ヶ岳山頂からの景色
そして遂に明神ヶ岳山頂に到着!
箱根外輪山第二高峰からの富士山の絶景もなかなかのものです。
富士山の手前に聳えるのは…
そう、この山が箱根外輪山の最高峰である金時山です。
金時山はみなさまがよく知っている昔話、金太郎の発祥の地であり、金時山周辺には数多くの金太郎伝説が伝わり、山頂には金太郎伝説にちなんだ巨大まさかりが安置されているので、登った際には記念撮影しましょう。
それにしても、金時山の山頂部は丸いですね。
少し視線を左に向けると箱根外輪山の山々と、奥には愛鷹山も見えますね。
箱根火山は約40万年前から活動が始まり、23万年前には火山群を形成し、その後も噴火活動が行われくぼ地ができ、今の形状になったそうです。
中心の箱根山も恐らく大規模な噴火と共に山体崩壊され、現在の形になったと想像つきますね。
その中心部の箱根山も山頂からはご覧の通り荒々しい姿を見る事ができます。
一説によると箱根山も元々は綺麗な成層火山だったらしく、標高も2000m級の山だったのではないか?と言われていましたが、近年の研究では秀麗な成層火山ではなく、複数の山塊が集まった成層火山であった事が分かったそうです。
ちなみにですが…
富士山の右奥に注目すると、南アルプスと八ヶ岳連峰まで眺められます。
ほんの米粒みたいに小さいですが、拡大すると確かに南アルプスである事が分かります。
中心に見えるのが国内第二高峰の北岳が見えます。
北岳は山頂部が美しいですね!
あちらの雪山は八ヶ岳連峰らしいです…
という事は真ん中の山は赤岳という事でしょうか?
その周囲の山も気になりますが。
山頂の広場の様子。
山頂は広く、テーブルとベンチが置いてあり、座りながら絶景を楽しむ事ができます。
今回は明神ヶ岳山頂まででしたが、ここから先にも登山道は続き、箱根外輪山一周を歩く事も可能です。縦走登山を行いたい方は金時山方面へ進みましょう!
下山後は強羅を観光しよう
明神ヶ岳の麓から国道138号を挟み正面には、箱根の観光スポットの1つである強羅があります。
大涌谷の真下に位置する為、強羅から見上げれば大涌谷のダイナミックな噴気を一望でき、観光スポットの他、強羅温泉を堪能できる温泉施設やホテルも多数あるリゾート地になっています。
強羅駅の近くには有名な彫刻の森美術館もありますが、更に近くには箱根強羅公園があり、こちらの公園は日本最古のフランス式整型庭園として大正3年に開園した歴史ある公園です。


園内は四季折々の花や植物が見どころで、大正ロマンを感じさせる建物も十分に見ごたえがあります。特に中心部にある噴水池はまるで海外へ訪れたような美しい造りの池になっています。
最後に
今回は箱根外輪山の1つである明神ヶ岳を紹介しました。
縦走登山として推奨されていますが、日帰りでも十分楽しめる山でもあり、危険箇所や急登もほとんど無いので、安心して登る事ができます。
また、展望も素晴らしく、富士山と金時山のコラボや噴気を上げるダイナミックな箱根山の全貌、更に相模湾も一望できるので、展望の良い山を日帰りで登りたいのなら明神ヶ岳にぜひ登りましょう。