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御嶽山登山|王滝口から剣ヶ峰まで日帰りコースを紹介します!

昨年の9月は御嶽山の王滝口から剣ヶ峰を登りました。未曽有の噴火から十一年過ぎた昨年の7月から規制が解除され、噴火から五年後に黒沢口から登って以来の御嶽山登山となりました。

御嶽山は独立峰では国内第二高峰という事でもあり、毎年富士山を登っている身としてはやはり何度か登ってみたくなる山でもあります。2014年の噴火は剣ヶ峰南西部から噴火し、ちょうど王滝口方面も灰で埋もれ、復興まではかなりの時間がかかったと思いました。そして、ようやく登山道の復旧が完了された事もあり、今回は登ってみたかった王滝口から剣ヶ峰を目指しました。

不安定な天候の下で、山頂に着くなりガスが発生し9月でありながらも比較的気温も高く汗ばむ登山になりました。王滝登山口から剣ヶ峰まではそこまでの距離は無く、難易度も決して高いくないので、楽しみながら登れると思います。

今回は王滝口から剣ヶ峰を目指し、先にある摩利支天山まで登ったので王滝口のコースと山頂付近の絶景を紹介したいと思います。

田の原観光センター~八合目

駐車場のすぐ隣にビジターセンターがあります。ここでは御嶽山の成り立ちや歴史、周辺の自然環境などここでしか学べない展示が多数あり、嬉しい事に無料で公開されています。

このビジターセンターは最近できたばかりなので、館内は非常に綺麗でした。

下山後にぜひ立ち寄ってみて下さい。

ontake-vc.jp

ビジターセンターからすぐに登山口になります。登山口が鳥居なので、やはり信仰の山である事を実感しますね。

この日は朝早くから自衛隊の方もいたので、少し緊張感のあるスタートになりました。

登山口が鳥居なので、いきなり厳しい道かと思いきや意外にも平坦な道が続き、しかも木道に入れるコースもありました。

ここは田の原天然公園という場所で、ハイマツに囲まれた遊歩道が設けられ、展望所や御嶽山の遥拝所など、山頂まで行かれない方でも御嶽山の御利益を感じられるパワースポットになっています。

展望所からはご覧の通り御嶽山の雄姿が見られます。

木道周辺には様々な高山植物も見られ、登山者もそうでない方もここは立ち寄りたい場所です。

奥には遥拝所もあります。

ここからも御嶽山の景色が素晴らしく、手前には神像が安置されています。

さて、ここからいよいよ本格的な登山道に差し掛かります。

入口にはヘルメットの着用や注意事項が厳重に書かれているので、気を引き締めて参りましょう。

しかし、登山口から変わらず緩い登りが続きます。しかもずっと一直線で少し飽きてしまいます…

暫く進むと大江権現という箇所に到着します。

ここにはイザナミが祀られているようですが、恐らく明治以降決められた神様で、元々は大江権現という神が祀られていたそうです。

説明書きを読むとここから先は女人禁止という事で、この場所はよく修験道の山で見かける女人堂の役目を果たしているのではないかと思います。

そういえば黒沢口には女人堂がありましたね。

あそこは現在は山小屋の機能を果たしていますが、かつては女人たちが参拝したお堂だったそうで、内容は違えど名前として残されている事に感銘を受けます。

ここ大江権現も女人たちが集う場所として開かれたかもしれません。御祭神がイザナミに変わってしまいましたが、今でもこのように残されている事に歴史を感じます。

大江権現を過ぎた後もひたすら一直線の緩い登りが続きます。

周辺もまだ緑で覆われ、森林限界はまだ先のようですね。

そして、ようやく視界の広がるエリアに差しかかりました。森林限界ではありませんが、後ろを振り向くとなかなかのいい景色が見られるようになります。

展望のよい道を暫く進むと、石像が安置されています。

よく見ると権現と書かれ、御嶽大権現や日之大権現と書かれた石像です。共に明治以前に信仰されていた神々で、神仏分離以降もこのような石像が大切に祀られている事に感動します。

すぐ上にも何かが祀られているそうですね。

中を覗くとそこには摩利支天像が安置されています。

隙間から鋭い視線を感じ、目が合うとゾッとします。

摩利支天像を越えた辺りから徐々に大きな岩のコースになってきます。

富士山と同じ独立峰の御嶽山ですが、途中全く山小屋がありません。

富士山は特に吉田口には多くの山小屋があり、その他のコースも所々山小屋があります。しかし、御嶽山は恐ろしいほど山小屋が無く、休憩も自分のタイミングで取った方がいいかもしれません。

暫く歩くと、おや?何やら建物が見えますね。

あちらは避難小屋でしょうか?

近づいてみるとやはり避難小屋でした。

宿泊施設ではありませんとの事で、あくまでも非難するための山小屋ですね

しかし避難小屋でも泊まれる避難小屋もあるそうですが、この避難小屋はNGという事ですね。

どうやらこの避難小屋が八合目との事で、山頂まではもう少しかな?

富士山の八合目はなかなかたどり着く事はできず、しかもそこから先がやたら長く感じるんですねぇ…御嶽山はどうでしょうか?

振り向くとなかなかの高度感になってきました。

遥か彼方には登山口までよく見えます!ここまで緩やかな道である事もよく分かりますね。

八合目~王滝頂上(御嶽神社)

相変わらず岩の多い登山道が続きます。

比較的登りやすいのが救いです。

富士見石という場所に着きましたが、ここから先は想定火口域内という場所に差し掛かるらしいです。

火口が生じるという事は、ここから先どこで噴火してもおかしくないという事でしょうか?そう考えると恐ろしいですね…

九合目に到着しました。

まだまだハイマツが元気に生い茂っていますね。

この辺りもまだ2000m台ですが、気持ちはもう3000mを越えています。

九合目を過ぎると所々階段のような箇所も見られます。

九合目にも避難小屋があるみたいですが、恐らく先ほどの八合目のような避難小屋でしょう。

避難小屋を過ぎると王滝頂上まであと少し、この辺りになると富士山の登山道のような雰囲気を感じます。

周囲を眺めても、大きな岩壁や火山特有の色の岩石も見られ、いよいよ山頂付近に近づいてきた感が増します。

王滝山頂手前にある避難小屋が見えてきました。

さすがに山頂近くになるとハイマツも姿を消し、周囲が岩だけの世界になります。この辺は富士山の山頂付近に似ています。

そして、王滝山頂手前の避難小屋に到着。

恐らくここは避難所としての施設ですが、見た目は山小屋のような造りになっています。中には人がいて、登山シーズンは人が詰めている感じでしょうか。

避難所からも景色はよく、普通に泊まってみたいですね。

王滝頂上~剣ヶ峰

そして遂に王滝頂上に到着しました。

十合と書かれた石碑が鳥居手前にあり、王滝口の頂上である事が分かります。

鳥居を潜ると立派な御嶽神社が鎮座されています。

拝殿、本殿と続き、本殿には神像も一緒に安置されています。神像もきちんと祀られている光景を見ると、やはり神仏習合の名残を感じさせますね。

社殿の反対側は社務所になっています。

2014年の噴火の際は王滝口の御嶽神社と社務所が灰で埋もれる写真がニュース等で流れ、当時はとても悲惨な状況だったと思いますが、現在はご覧の通り社務所も綺麗になりました。

ここも山頂という事ではありますが、最高峰の剣が峰まではもう少し先にあります。

ちょうど社殿の奥に聳える山が剣ヶ峰になっています。

社殿の奥に進むと剣ヶ峰の全貌がよく見えます。

ここまで来ると、いよいよ火山である事がよく分かりますね!

しかも生々しい感じの姿で、まだまだ活発な火山活動をしそうな雰囲気が漂っています。

先ほどまでの登山道とは違い、植物が一切ない荒涼とした寂しい雰囲気を感じます。まさに異世界に飛んだような、不思議な感覚で歩いて行きます。

王滝口山頂から剣ヶ峰までのコースは八丁ダルミと言われ、この辺りも先の噴火の際は灰で埋もれている様子が流れていました。

今は灰も無く綺麗な登山道が再び復活していますが、途中にあるモニュメントを注目すると真ん中から折れている様子が分かります。

色も黒ずんでいて、これは噴火の名残を分からせるためにこのまま残されたのでしょうか?

そのモニュメントの反対側には神像や不動明王などの石仏が安置されています。

奥には御嶽山の神々が祀られ、手前には近代の御嶽信仰を切り開いた行者たちの像が安置されています。モニュメントと反対側に位置するので、詳しくは分かりませんがこの場所で宗教行為が行われているかもしれません。

御嶽信仰は元は三権現を祀る山でしたが、明治以降は国常立尊、大国主、少彦名の三神に改められました。大国主は大穴牟遅とも言われ、穴は諸説ありますが、火口の穴を意味する事もあり、大国主は大地の神、それは火山の神とも考えられ、温泉神社にはよく大国主が祀られている光景をよく見ると思います。

御嶽山なのに何で出雲の神様が?と思うかもしれませんが、火山の神の性質もあるとなればあながち納得できると思います。

しかし、ここに祀られた神々と行者たちの像は迫力あり、思わず止まって拝んでしまうほど立派な像でした。これらの像は新調したのか気になるところですね。

御嶽山の神々の像を越えるといよいよラストスパートです!

ここから先はほぼ一直線の道を登ります。最後はなかなかの角度になり厳しい登りになりますが頑張りましょう!

そして遂に剣ヶ峰(最高峰)手前までたどり着きました。

ここでようやく他のルートご合流する事になります。

前回は黒沢口からここまでたどり着き、その時のことを思い出しました。

手前には安らかにという石碑もあります。先の噴火の際に亡くなられた方の慰霊碑という事ですね。

前回登った時には焼け焦げた石灯籠や石仏がたくさんありましたが、今回は多少あるもののある程度撤去されていました。

しかし所々まだまだ焼け焦げた石仏や灯籠があり、あの噴火の事を忘れてはならないと思える光景が目に入り、少し心を痛めます。

そして遂に二度目の御嶽山最高峰である剣ヶ峰(3067m)に到着です。

前回と同様、剣ヶ峰に着いたらガスが発生し真っ白になったり晴れたりと忙しい光景になりました。

御嶽山剣ヶ峰からは一ノ池と二ノ池が見えますが、現在はどちらも干上がりその姿を見る事はできません。噴火前は二ノ池はコバルトブルーの美しい湖が見えたのですが、噴火から十年以上経った現在もその姿を見る事はできません。

一ノ池は標高2990m、二ノ池は標高2905mと日本最高地点に存在する湖としてあり続ける存在です。しかし、先の噴火により二ノ池はまだまだ灰に覆われ、かつての輝きには程遠い湖になっています。

いつかまた美しい輝きを取り戻してほしいですが、完全に戻るには果てしない年月がかかりそうですね。ひょっとしたら人類が滅亡するまで、あるいはそれ以上かかるかもしれません。

この日もガスが多く展望はイマイチでしたが、雲海と青空の綺麗な光景が目に入ってきました。国内では3000m地点は少なく、ここ剣ヶ峰も3000mを越えた地点になります。

最高峰にももちろん御嶽神社が鎮座され、ここにも神像が安置されています。

御嶽山山頂の標識と素晴らしい雲海が見られました。

雲が無ければすぐ隣には乗鞍岳や北アルプスの山々が見えるはずです。前回もこんな感じで見えなかったのですが、次登る時はしっかりと眺めたいですね。

上手くいけば日本海や佐渡島まで見えるそうです。

きちんと写真は撮りませんでしたが、ひょっとしたら見えていたかもしれません!

標高3000mの天空の鳥居を撮影。

やはり山と鳥居、雲海が見える光景は最高です!

ちょうど鳥居のてっぺんから太陽が現れ、神々しい写真が撮れました。奥には南アルプスと中央アルプスの山並みが見えますね。

剣ヶ峰~摩利支天山

前回も剣ヶ峰から先、三ノ池方面まで行きましたが、今回もそちらの方まで進む事にしました。

まずは前回登った黒沢口登山ルートを下ります。

標高も3000m近いので、見事な雲海が広がっています。

日本最高峰の湖である二ノ池方面へ向かいます。左の見えるのが先ほど登った剣ヶ峰です。

かつてはエメラルドグリーンの美しい姿の湖でしたが、噴火を機に灰色一色になってしまいました…噴火から10年以上経ってもまだまだ元の美しい姿に戻る気配はありません。

池の前には鳥居があり、この池も祈りの場である事が分かります。

元の姿に戻るには一体どれくらいの年月がかかるのだろう?あるいはもう戻らないのかもしれない。

二ノ池を過ぎると一気に広大な場所に出ます。

目の前に聳えるのは摩利支天山です。

前回は手前で引き返しましたが、今回は摩利支天山頂まで歩いてみたいと思います。

物凄く広い場所ですが、ここは山頂部です。

山頂部がこんなにも広いなんて想像もできません。いかに巨大な山である事も分かりますね。

前回も通った賽の河原です。

相変わらず石が積み重なれていて、お地蔵様も安置されています。

賽の河原から先は少し登りが続きます。

暫く進むと三ノ池が見えるポイントに到着するので参りましょう。

摩利支天山入口手前からは三ノ池が見えます。

標高2720mに位置する三ノ池は日本の高山湖の中で最も深い池として、水深は13mあるそうです。こちらの池は噴火の影響もなく、美しいコバルトブルーの姿を保っています。

三ノ池展望ポイントから先は摩利支天、継子岳へ向かう道が続きます。

今回は左側に聳える摩利支天山へ行ってみたいと思います。

ふと左を眺めると剣ヶ峰の裾野と摩利支天山の裾野が見え、間が谷のようになっています。その間には広大な草原が広がり、山を登っている事を忘れてしまいます。

摩利支天への入口。

ここからトラバースする形で進んでいきます。

摩利支天山は台形の山容で、ちょうどてっぺんの部分を渡る形になっているので、特段キツい登りはありません。進んでいくと左には雄大な草原、その奥にはでっかい剣ヶ峰を眺めながら進んでいきます。

ペイントもしっかりとされ、多少細い道もありますが難しい箇所はありません。

焦らずしっかりと岩を歩きましょう。

入口から10分程度で山頂に到着します。3000m間近の2959m。

山頂は不安定な場所なので、立ち寄る際は注意しましょう。

運悪く山頂に着いた途端にガスが発生し、まともな景色は見られませんでしたが摩利支天山もなかなかの景色が見れそうな場所でした。

帰り際に剣ヶ峰を眺める。

正面に二ノ池山荘、その奥には雄大な剣ヶ峰が聳えています。

独立峰国内第二高峰の山ですが、山頂部の雄大さはNo.1かもしれません。

王滝口登山の帰りに立ち寄りたい温泉、こもれびの湯

御嶽山の日帰り登山もなかなかの疲労が溜まると思います。

御嶽山周辺には多数の温泉施設がありますが、今回帰りに立ち寄った「こもれびの湯」は、おんたけ休暇村に属する温泉施設です。

御岳スカイラインから少し外れた位置にし、非常に秘境感溢れる温泉施設になっています。

温泉は源泉かけ流しの茶色で鉄分が多く臭いもまさに鉄!という感じで滑らかな湯です。また、温泉に浸かっていると、不思議な事に天井からの木漏れ日が降り注ぎ、湯舟に窓の形が浮かび上がる仕組みになっています!

こもれびの湯とはまさにこの事で、湯舟に降り注ぐ木漏れ日には感動します!

王滝口から登った際はぜひ「こもれびの湯」に入ってみてはいかがでしょうか。

www.ontake-kyukamura.net

御嶽山王滝口アクセス、駐車場

アクセス

 

中央自動車道、伊那ICから約1時間40分で到着。

電車の場合は木曽福島駅からバスで約75分。

駐車場

約250台ほど停められる無料駐車場有り。

最後に

2回目の御嶽山は噴火により長く封鎖されていた王滝口から登る事ができました。

王滝口はスタートが七合目という事もあり、登り時間も短く3000m級の山でありながら比較的登りやすいと思います。しかし、途中には山小屋は無いので、自分で休憩時間を作って効率よく登る必要があります。

今回は噴火レベル1だったので、すんなり登れましたが御嶽山は活火山の為、いつ何時噴火するのか分かりません。

登られる際はしっかりと情報収集し、万全の状態で登るようにしましょう。