11月の初旬、秋も深まりいよいよ冬の気配も感じられるこの季節に、ちょうど弥彦公園の紅葉が見頃を迎えるということで、紅葉を楽しみがてら弥彦山を登りました。
ここ数年の猛暑により紅葉の見頃の判断が難しくなる中、令和5年もやはり時期が少しずれ、11月の初旬から半ば付近がちょうど見頃との事でこの時期に訪れました。
今回の旅は弥彦山を定番の弥彦神社側から登る表参道コースを選択し、弥彦山山頂まで登り、下山後は弥彦公園で紅葉を楽しむプランを実行しました。
異例の猛暑という事もあり、この日も日中は半袖でも問題の無い気温となり、登山においてはちょうどよい山行になりました。
雲一つない快晴の下、弥彦山山頂は雄大な日本海を始め、新潟県の名峰を一望できる素晴らしい展望が楽しめたので、今回は弥彦山の表参道コースと山頂からの絶景と下山後のおすすめスポットを紹介したいと思います。
- 弥彦山のアクセス、駐車場
- 登山コース(表参道コース)
- 参拝者駐車場~弥彦神社
- 万葉の道、弥彦山登山道入口
- 弥彦山登山道入口~九合目
- 九合目~弥彦山山頂
- 弥彦山ロープウェイ山頂駅周辺を散策
- 下山後は弥彦公園に行こう
- 最後に
弥彦山のアクセス、駐車場
アクセス
北陸道、三条燕IC又は巻潟東ICより車で約30分で到着。
電車の場合は燕三条駅から弥彦線に乗り換え終点の弥彦駅で下車、徒歩約15分で弥彦神社に到着。
駐車場
弥彦神社周辺には無料駐車場が多数あり、その中でも神社正面にある第一駐車場が一番広く停めやすいのでおすすめですが、菊まつりや紅葉シーズンは平日でもすぐに満車になるので注意が必要です。
また、シーズン中は一部有料駐車場もあるので、事前に調べておく必要があります。
駐車場の詳しい情報は弥彦神社ホームページの交通アクセスのページをご覧ください。
【外部リンク】
登山コース(表参道コース)
参拝第一駐車場から弥彦神社正面の参道を進み、途中「万葉の道」を歩き登山口から山頂を目指すコースです。所要時間は1時間半から2時間ほどです。
参拝者駐車場~弥彦神社
一番広い参拝者第一駐車場から弥彦山神社を目指します。
駐車場には鳥居があり、この鳥居を潜るとそのまま弥彦神社へ繋がっています。
鳥居を潜り道路の先を渡ると境内に入り、最初に鹿苑と日本鶏舎があります。
ここには放し飼いにされた鹿たちが何頭もいて、近づくと寄ってきます。
恐らく人に慣れているのだと思います。
山で鹿に出会う事がよくあるのですが、ここまで寄ってくる鹿はいません。(というかまず寄ってこないでしょう)
鹿の隣には鶏が多数飼育されています。
弥彦神社日本鶏の会という組織があるらしく、ここにいる鶏たちは国産の鶏である日本鶏という名のニワトリたちですね。
黒メダカと同様に外国種に押されて絶滅の危機までなっているそうです。
鶏は神話の時代からも登場し、我々日本人にとってはかけがえのない存在であると同時に縁起の良い生き物でもあります。
ぜひとも日本鶏がこのまま繁栄される事を祈るばかりです。
さて、参道を進んでいくと…
おや?何やら多くの菊が並んでいますね!
そういえば訪れた時期がちょうど弥彦菊まつりの開催期間であり、このように参道にはズラリと菊が並んでいました。
弥彦菊まつりは毎年11月1日から24日まで開かれ、毎年県内に限らず多くの菊作り職人たちの自慢の菊が出品された弥彦神社の秋の風物詩です。
大小様々な菊から見た事もない菊まで千差万別で、普段菊の花に興味のない方でも楽しめる祭になっています。
ここでは菊まつりについて深く触れませんが、表参道から登られる際はこの菊まつりにも立ち寄る事をおすすめします。
万葉の道、弥彦山登山道入口
さて、境内から登山口に向かう道があるのでそちらに行きましょう。
登山道とロープウェイ乗り場の案内の看板があり、ここから清々しいハイキングコースを歩きます。
万葉の道という名の道は辺り一面が木々で覆われ、空気が非常に美味しい道になっています。
時折車が通るので、歩く際は注意しながら進みましょう。
そして暫く歩くと登山口に到着。
ここが表参道の登山口になります。
また、登山口から先はロープウェイ入口になり、登山をしない方はもう少し先まで歩く事になります。
弥彦山登山道入口~九合目
さて、ここから山頂まで登りが続きますが、歩行時間もそれほど無いのでサクッと登りましょう。
正面には鳥居があり、まさに山岳信仰の山である事を痛感しますね。
最初は緩い階段の続く登山道です。
辺りは相変わらず杉の木が生え、木々の間から差し込む陽の光が気持ちいいです。
登山者だけでなく、恐らく地元の方々も登られているのでしょうか?ラフな格好で登り下りされている方もちらほら見られました。
そういえば、角田山もそんな感じでしたっけ?
地元の方が日々登られているのであれば、弥彦山も日々崇敬されている証拠ですね。
途中給水ポイントがありました。
この給水ポイントの周辺は平坦で異様に広く、かつては何か建てられていたのでは?と思わせる空間でした。
給水所も寺社の手水を思わせる構造になっているので、ひょっとしたら社かなにか建てられていた感じがします。
給水ポイントから先も緩い登りが続き、歩きやすい道になっています。
しかしまだまだ展望は無いので歩く事に専念しましょう。
暫く進むと一合目という石碑が現れます。
この先もこのような合目の石碑が登場します。
二合目付近も景色は変わりませんが、徐々に傾斜も上がってきましたが、危険個所は特にありません。
そして三合目付近になると、一瞬開けた箇所に出ます。
見上げるとあちらは山頂付近でしょうか、電波塔のようなものが立ち並んでいるのを確認できます。
ここから暫く隙間から展望を望めるコースに差し掛かり、先ほどより明るくなってきました。
四合目を過ぎると鳥居が現れます。
恐らく二合目から三合目の間に途中迂回コースを歩いたのかもしれません。
本来はこの鳥居を通るルートだったはずです。
そういえば先ほど三合目を過ぎた後にこのような通行禁止があったので、そこを通ると鳥居を潜る形になりそうです。
鳥居の後は少し岩混じりの登山道になりますが、危険個所は特に見当たりませんのでスムーズに進めます。
五合目付近になると、登山道も色付き始めいよいよ秋の山を感じられます。
道も緩めの登りなので安心して登れます。
六合目に到着。
ここから山頂までそれほど時間はかかりませんが、最後に少し傾斜のある坂道が待っています。
六合目から暫く歩くと休憩所に到着します。
展望所としての休憩所になり、正面には素晴らしい景色が広がっています。
展望所から先は階段の上り坂が続き、少ししんどいかもしれませんがもう少しで山頂部に到着します。
そして七合目に到着。
ここは崖から滴る御神水がある有難いポイントになります。
まさに弥彦山の天然水という事でしょうか?岩肌から清らかな水が止まることなく流れ落ち、ご利益のありそうな水になっています。
七合目を過ぎるとあとは八合目、九合目までが基本登りとなります。
相変わらず紅葉が綺麗で、この時期に登る事ができて本当によかったと思えますね。
八合目
さぁラストスパート!ここを越えれば山頂部の尾根に差し掛かります。
九合目~弥彦山山頂
そして遂に九合目に到着しました。
ここからは奥宮へ向かうコースとロープウェイへ向かうコースに分かれます。
奥宮へ向かうのであればもう少し登りますが、ロープウェイへ向かう場合は下りになります。
さて、ここまで来たので奥宮まで進みましょう。
九合目からは尾根歩きという事ですが、一般の方も登られるので広い登山道になっています。
しかし、ここから奥宮までは地味に辛い階段が続きますので頑張りましょう。
階段を登りきると少し平坦な道が続きます。
この辺りは歩きやすいですが、展望が望めないのが残念ですね。
隙間からは少し日本海が見渡せる程度です。
暫く歩くと、三~四合目付近から眺める事のできた電波塔が姿を現します。
どうやらテレビ局の電波塔ですね。
そして遂に奥宮の展望所に到着しました!
ここからは弥彦村方面の平野部が一望でき、更に奥からは能登半島方面まで見渡せる展望所になっています。
まずは東部の展望から。
弥彦村周辺は一面田んぼが広がり、新潟らしい光景が広がっています。
この光景は季節ごとに違う姿を楽しませてくれる予感がしますね。
まさに春夏秋冬登りたい山です。
遠くの方には霞んで見えませんが、飯豊連峰から粟ヶ岳や守門岳方面まで見渡せる大展望です。
展望所にはご覧のような御厨があります。
ここがいわゆる奥宮ということですが、何故かお社の周りが鬱蒼として、他の山の奥宮とは少し雰囲気が違います。
しかも立派な玉垣まで設置され、丁重に祀られている様子が分かります。
また、この御厨は西の方を向いており、まるで出雲大社の御神座のような造りにもなっています。
その御厨の正面は野積海水浴場、寺泊海水浴場が続き、奥の方には能登半島まで見渡せる絶景が広がっています。
日本海側はあまり見えませんが、それでも雄大な海の景色を堪能できます。
弥彦山ロープウェイ山頂駅周辺を散策
御厨(奥宮)からの絶景を楽しんだ後はロープウェイ山頂駅周辺を見て参りましょう。
山頂駅の目の前にはご覧の通り山頂のシンボルとなるパノラマタワーが建てられています。
また、山頂には弥彦山展望食堂という建物があり、ここにはお土産屋さんの他、軽食コーナーや2階には絶景を楽しめる食堂があります。
1階は軽食コーナーとお土産屋さん、2階は絶景を眺めながら食事を楽しめる展望食堂、そして屋上にも展望台が設けてあります。
ちなみに私は軽食コーナーで弥彦名物みそこんにゃくをいただきました!
肉厚でプリプリのこんにゃくでした。
屋上階の入口には弥彦山の歴史や自然についての展示コーナーがあります。
壁一面にパネルが貼られ、弥彦山について無料で学ぶ事ができます。
そして屋上階にはこれまた素晴らしい展望所があるので、覗いてみましょう。
先ほどの御厨からとは違い、ここからは日本海と佐渡島がよく見渡せる展望所になっています。
手前のタワーはパノラマタワーで、徐々に展望室が回転しながら上がっていく様子も見る事ができます。
実際に上がっていくところを見ると、なんだか怖そうですが…
山頂駅から反対側の奥にもピークが見えますね。
あそこまで歩く事もできますが、あのピークからの展望はイマイチだそうです。
反対側の平野部も先ほどの展望所と同様によく見渡せます。
パノラマタワーですが、実は5月にも弥彦山を訪れ、その時に回転展望台に乗ったので少しご紹介しましょう。
パノラマタワーは昭和33年のロープウェイ開通に伴い営業開始され、弥彦山のシンボル的存在となり、また昭和47年には昭和天皇もパノラマタワーを訪れ、回転展望台を体験されたそうです。
そんな歴史を込められたパノラマタワーは現在ももちろん現役で運転され、中はほとんど当時のままの造りになっていてレトロ感満載の雰囲気が漂います。
中に入ると展望室が徐々に上昇し、回転しながら展望を楽しめる空間になっています。
先ほどの御厨より遥かに標高が上がるので、恐らく弥彦山の中で1番眺めの良い展望になりますね。
この時はちょうど田植えシーズンなので、辺り一面が水田状態となっています。
秋の収穫が楽しみですね。
パノラマタワーは約8分間かけて運行され、限られた時間ですが乗ってみる価値はあると思います。
営業時間は9:00~17:00
詳しくは弥彦山ロープウェイの公式サイトをご覧ください。
【外部リンク】
今回は登山だったので行きはロープウェイに乗りませんでしたが、下山後に弥彦公園の紅葉を楽しもうと思っていたので、思い切ってロープウェイで下山しました!
山頂駅の中はゲームコーナーがあり、中には懐かのゲームまで揃っているのでなかなか楽しめます。
ロープウェイ下山中もいい景色を眺めながら下る事ができます。
下山後は弥彦公園に行こう
下山後に時間の余裕のある方はぜひ弥彦公園に足を運びましょう。
弥彦公園は弥彦神社の外苑で、大正5年に造園された公園です。
公園は広く四季折々の自然を堪能でき、春には桜が咲き誇り、特に秋にはもみじ谷周辺の紅葉が素晴らしく、夜にはライトアップされるほど、全国に名を馳せる紅葉スポットになっています。
公園は歩きやすくよく整備され、歴史を感じる隧道や趣のある池や川が穏やかに流れる姿に癒しを感じる事ができます。
また、紅葉シーズンには至る所にに屋台が出され、特におもてなし広場周辺は多くの方で賑わいを見せています。
ぜひ紅葉シーズンは下山後に弥彦公園を散策してみてはいかがでしょうか。
弥彦の観光についてはこちらのサイトをご参考下さい。
【外部リンク】
最後に
弥彦山は登山としても観光としても楽しめる山で、今回は定番の表参道コースから登り帰りはロープウェイで下山しました。
特に山頂からの景色は雄大で、展望所のみならずパノラマタワーから360度の大絶景を仰ぐこともおすすめです。
また、秋であれば下山後に弥彦神社の菊まつりや弥彦公園の素晴らしい紅葉を楽しむ時間も十分にあるので、併せて訪れてみてはいかがでしょうか。