素晴らしき日本の景色たち

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角田山登山|大展望!稲島登山口から絶景灯台コースを歩いてみた

ポツンと山奥神社、世界一神社参拝の翌日は弥彦山の隣に位置する角田山を登りました。

角田山と弥彦山は縦長の山続きになっており、標高は共に低いものの、百名山の生みの親である深田久弥氏は名山であることは間違いないと言う程優れた山です。

そんな角田山は標高482mと500mに満たない低山の部類ですが、年間を通して県内だけでなく県外の方からも多く登られ、雄大な日本海の展望や四季折々の花が楽しめる山として人気を博しています。

さて、今回初の角田山を登る事になりましたが、実はこの角田山には7つもの登山口があり、まるで蜘蛛の巣のように登山道が広がり、どのコースから登ろうか迷う程です。

そんな中、一番人気はやはり灯台コースで、このコースは灯台が登山口になり、角田山へ続く登山道からは終始海の絶景が広がり、まるでどこかのアルプスを登っているような低山とは思えない素晴らしいルートが人気を呼んでいます。

私も初の角田山という事で今回は山頂まで最短の稲島登山口から灯台コースへ抜ける登山道をピストンしたので、そちらの登山道と灯台コースの絶景ルートを紹介したいと思います。

角田山の地図(稲島から角田岬までのコース)

角田山は登山道が多数あり、今回は青丸で囲った稲島から角田岬方面へ抜けるコースを選択しました。

稲島登山口から山頂までは1時間10分、山頂から角田岬(灯台)までも1時間20分くらいです。

稲島登山口~観音堂

駐車場のすぐ隣が登山口になっています。

登山口には注連縄が張られており、角田山も山岳修験の山である事を痛感しますね。

開始早々にお社でしょうか?

いや、ここは薬師堂と書かれているからお寺ですね。

お堂の周りには多数の杉の木で覆われ、趣のある雰囲気のお寺です。

境内には巨大な杉の木があり、高さは22mもあります。

樹齢は1000年と推測され、過去に落雷の被害にあったそうですが、それでも倒れることなく、今も樹勢は旺盛で生命力あふれている杉の木だそうです。

薬師堂を過ぎると緩い登山道に差し掛かります。

季節は5月なので、生命力の溢れる新緑が生い茂り、暖かな日差しがとても気持ちいいです。

暫くすると登山道から外れた道がありました。

どうやら下に続いているみたいなので下ろうと思えば行ける道です。

下を覗くと、おや?何やらお社のようなものがありますね!

あそこまで行ってみましょう。

下ってみるとそこにはお不動様がいらっしゃいました。

不動明王を安置するお堂の裏には小規模ですが滝が流れています。

周囲を見渡すと苔まみれの参道のようなものがあり、やはりこの場で滝行や水垢離などが行われていたのではないかと想像できます。

先ほどの薬師堂やこれから訪れる観音堂と言い、角田山も修験の山であることが分かりますね。

さて、ここからは階段地獄になりますが、段差もそれほど大きいものではないので、急がなければキツくはないです。

暫く階段を上ると水場に到着します。

まるで流しそうめんみたいな造りの水場ですが、ここは飲水禁止と書かれていました。

思わずすくって飲んでしまいそうなほど、美味しそうに流れています。

その隣にはお地蔵様が安置されていました。

説明によるとこの水は心と身体(手)を洗うための水で、ここから先の厳しい上り坂を登る前に清らかになりましょうという意味ですね。

しかしこのお地蔵様、帽子まで被っていておしゃれですね!

綺麗な花や水も供えられ、常に大切にされている様子が分かります。

看板の通り、ここから先は少し急な不揃いの階段を登っていきます。

永遠と続く階段ですが、登山道の傍らに綺麗な花が咲き誇いていました。

名前は知りませんが…

暫く登ると、またしても仏様がいらっしゃいました。

こちらはお不動様。

登山者を常に見守るように堂々たるお姿でした。

先ほどのお地蔵様と不動明王は山頂付近の寺院の方が安置されたみたいですね。

途中、ふと遠くの方を眺めると登山口側は田んぼがずらりと並び、反対側が開けると海が見えます。

登っている最中は基本見えませんが、時折このような景色が見られます。

ここまで来れば観音堂まであと少し。

ここまで程よい登山で、途中早朝にもかかわらず、多くの人とすれ違いました。

恐らく地元の人が朝活として角田山を登っているのだと思います。

標高も低く登りやすいので、毎日登ってもよさそうですね。

そして遂に観音堂に到着です。

坂上田村麻呂がこの山に観音を祀った事から始まり、昭和時代には観音堂が焼失したものの、再び観音堂が建立され、現在は単立宗教法人の向陽道林が管理される観音堂となっています。

この観音堂は珍しくコンクリートの造りになっていて、残念ながら中に入る事は出来ないので外から拝む形になっています。

ちなみに観音堂の前は広場になっていてここからは広大な新潟平野と遠くには飯豊連峰を始め、粟ヶ岳や運が良ければ月山、鳥海山などの名山も眺めることができる優れた展望台になっています。

この景色は稲島コース限定なので、稲島コースから登ったらぜひ眺めましょう。

この日は天気は良かったものの、残念ながら春霞?のようなモヤが出ていて遠くの山ははっきりと見えませんでしたが、芝生に寝転がりながらのんびり新潟ならではの雄大な水田の光景を楽しむ事ができ、多くの方もこの光景を堪能していました。

観音堂~山頂

さて、稲島登山口のみ見られる絶景を堪能した後は山頂へ向かいましょう。

ここから山頂まではほとんど平坦で木道がメインです。

木道を進んでいくと、広場に到着します。

ここはまだ山頂ではありませんが、銅像や仏様が安置されています。

周辺にはピンク色の花が多く、相変わらず名前が分かりませんが綺麗に咲き誇っていました。

何の花でしょうか?

もうそろそろ山頂の標識が見えてきそうですが、この辺りになるとあちこちにコース名の書かれた看板が目立ちます。

ただでさえ角田山は登山口が多く目指すのは山頂なので、このような光景が見られるのだと思います。

しかし、自分がどちらの方向へ進むのかよく調べないと、どこへ向かうのか分からなくなりそうで少し心配です…

そして遂に角田山山頂に到着です。

周囲は恐ろしいほど木々に覆われ、全くと言っていいほど展望はありません…

標識は妙に細くて長い!

しかし山頂周辺は広々とし、ベンチも所々置かれているのでゆっくりする事は可能です。そして、新緑の季節なので若葉が生い茂り、景色は見られませんが非常に清々しいです。

驚異の大絶景!灯台コース

さて、山頂でのんびり過ごしたので絶景を眺めに灯台コースへ進みましょう。

ここから先も分岐点があるので間違えないように進みましょう。

まぁ所々案内看板が立っているので間違えることはないと思います。

山頂から灯台方面の道は暫く平坦な木道が続きます。

角田山は台形の形をした山なので、このような道が続くのだと思いますね。

所々アップダウンもありますが、急な箇所はほとんど無いので、この辺りはすんなり進めます。

しかしまぁ相変わらず新緑が綺麗です。

分岐点に到着。

ここからいよいよ灯台コースに差し掛かります。

分岐点から暫くはこのような微妙な下り道が続きます。

木々に覆われ展望は無しですが、隙間から微妙に海っぽいものが見えてきます。

早く展望が開けてほしいところです。

そして遂に展望の開けたポイントに到着しました!

見ての通り、目の前には広大な日本海!

先ほどの観音堂からの景色とは違い、すっきり爽快な海の景色が続きます。

よく見ると灯台も見えますね!

ゴールはあの灯台なのであそこまで歩きましょう!

先ほどの道と違い、石や岩混じりの下りになります。

暫く下ると、ご覧の通り大絶景ポイントに到着します。

目の前にはエメラルドグリーンの日本海と、雲に覆われていますが左奥に佐渡島、左手前には小浜と雷岩が見えます。

どうですか?

まるでどこかのアルプスの稜線を歩いているような、しかも海の絶景を眺めながら進む灯台コースは最高過ぎませんか?

人気のある山と聞いていましたが、ここまで素晴らしい光景だとは思いませんでした。

帰りもこのルートを歩き同じポイントで撮影すると、帰りは運よく佐渡島が映っていました。

右を向くと海が見えます。

あちらは角田浜海水浴場でしょうか?

灯台コース以外のも海を見渡せるコースがあるみたいですが、恐らく灯台コース程ではないと思います。

ちょうど中間地点でしょうか?

このポイントもなかなかの光景ですね。

両サイドがスパッと切れているように見えますが、特に危険な箇所ではないので安心して進めます。

高度感があり、本当に低山を歩いているのか疑問に思うほどです。

歩きたくなるような写真を撮りながら進んでいきます。

ちょうど稜線のてっぺんくらいでしょうか?

雷岩がよく見える位置に到着です。

国道402号とその背後の山肌には立派な岩が聳えていますね!

雷岩は近くまで行けるみたいなので、帰りがけに立ち寄るのもいいですね。

ちなみに振り返るとこんな感じ。

角田山は綺麗な台形ですが、こちらから眺めると案外複雑な形になっている事が分かります。

しかし、意外にスリルのありそうな稜線に見えますね。

絶景の稜線を進むと一旦茂みに入ります。

この茂みを超えると再び絶景が…

そうです、再び海が見えるのです!

ここは佐渡見平というポイントで、目の前に佐渡島が一望できるポイントです。

その名の通り、目の前には海に浮かぶ神々しい佐渡島が見えます!

そして遂にゴールの灯台が見えてきました!

ここまで来ればもう少しです。

視線をずらすと、海岸線も見えます。

佐渡見平から少し急な下り道になりますが、灯台までそれほど距離はないので、一気に下りましょう。

徐々に灯台が近づく感じがいいですね。

真下を見ると道路も近く、走行車から登山道が見えそうですね。

そしてゴールの灯台に到着です。

灯台からは雄大な日本海を見渡す事ができます。

灯台の裏に周る事ができ、展望所があります。

正面は日本海だけですが…

右は角田浜海水浴場を一望できます。

角田岬灯台の詳細。

佐渡海峡の重要な灯台で、夏は海水浴で楽しむ方々を見守る役目も果たしていますね。

灯台周辺を散策

灯台からは右と左に下る階段があり、右に下ると角田浜海水浴場があり、ここが灯台コースのスタート地点にもなります。

そして反対は長い階段で、荒々しい岩場まで続いています。

物凄く気になるので下りてみましょう。

階段を下りきると、二手に分かれ、右が洞窟になっています。

こちらの洞窟は「判官舟かくし」と言われ、源判官義経が兄頼朝に追われ、奥州平泉に逃げる際に舟と共に隠れた洞窟と言われています。

洞窟は波によって削られた穴と人工的に掘られたであろう穴の2つあります。

まぁ舟ごと隠れたのであるば下の穴ですが、そちらに侵入するのは危険というか入れないだろう。

一応下に降りて近づいてみましたが…

あの奥に突っ込んだら帰ってこられなくなるのでは?と思い、怖すぎて逃げました。

ちなみに上の洞窟は先ほどの角田浜海水浴場に繋がっていました。

そして反対側も遊歩道のようになっていて先に進む事ができます。

奥の方まで道が続いているようですが、きりがなかったので途中で引き返しました。

釣り人が何人かいましたが、ここは釣りのポイントでしょうか?

引き返すと、目の前に灯台と灯台の下には先ほど通った判官舟かくしが見えますね。

しかし、恐ろしい断崖の上に灯台が立ってることが分かります。

帰りは別のコースにしようと思いましたが、灯台コースがあまりにも最高過ぎて、帰りも再び灯台コースを選択しました。

あんな絶景を眺めたら、もう一度歩きたいですね~

角田山(稲島登山口)のアクセス、駐車場

アクセス

 

車の場合は北陸自動車道、巻潟東ICを下車し、約30分で駐車場に到着します。

また、電車の場合はJR越後線、巻駅からバスで約20分。

駐車場

駐車場は登山口のすぐ隣にあります。

第1駐車場の他、第2駐車場も完備されている大きな駐車場です。

トイレは和式でペーパー有り、24時間利用可能でした。

下山後のおすすめスポット

Taibow! coffe&gelato soft

下山後は稲島登山口に近いカフェ、Taibow! coffe&gelato softがおすすめです。

上堰潟公園入口に位置するこのカフェは角田山全体を眺める事ができ、建物もおしゃれな造りになっていてとても居心地の良いカフェでした。

少し気温も高かったので、下山後はアイスコーヒーとソフトクリームをいただきました!

店内も明るく綺麗でしたが、せっかくなのでテラス席から角田山を眺めながらのんびりと過ごしました。

店名の通りコーヒーとジェラートが中心ですが、ケーキやスイーツも絶品なので、下山後に限らず立ち寄ってみたいカフェです。

tabelog.com

じょんのび館

角田山の南部に位置する「じょんのび館」は日帰り温泉施設で、露天風呂は長い階段を下った所にあり、まるで秘境の湯に浸かっている気分になれます。

施設内には食堂もあり、周辺で取れた季節ごとの野菜を使ったメニューが提供され、どれも体に優しいメニューばかりでした。

また、じょんのび館の隣には角田山自然館という資料館があり、こちらは角田山の成り立ちや周辺の自然について展示されています。

角田山の立体模型が面白かったです!

資料館は無料なので気軽に見学することができます。

www.jonnobi.com

余裕があったら弥彦山にも立ち寄ろう

角田山と山続きになっている弥彦山は百名山に選ばれていませんが、百名山の生みの親である深田久弥氏が絶賛するほど素晴らしい山で、山頂からの雄大な景色はもちろんの事、弥彦神社の神体山としても崇められ、歴史のある山でもあります。

登山道も豊富ですが、角田山と違い弥彦山スカイラインが開通し、山頂付近に車を停めてロープウェイを使えばすぐに山頂に到着する事もできるので、時間に余裕があれば一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

弥彦山スカイラインにもこのような展望所があり、ドライブするだけでも楽しめます。

最後に

今回は角田山の中で一番展望の良い稜線である灯台コースを紹介しました。

低山とは思えない美しい稜線とその奥に広がる日本海とのコントラストが素晴らしく、何度も歩きたくなるようなコースでした。

登山口が豊富でどちらから登ろうか迷うかもしれませんが、初めて角田山を登ろうとお考えの方はまずはじめに灯台コースから登られることをおすすめします。

角田山は知名度では弥彦山に劣るものの、年間を通して大勢の方が登られているので、弥彦山と共に新潟のシンボルとなる山である事に違いはありません。

ぜひ角田山を登ってみてはいかがでしょうか。