素晴らしき日本の景色たち

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寝姿山|伊豆の弥彦山!?ロープウェイで登る山頂からの絶景と散策路を紹介します!

伊豆半島はフィリピン海プレート上にできた海底火山が陸地となり、やがて本州に衝突した事で成り立った、世界でも類を見ない特殊な半島です。

そんな南の海からの贈り物である伊豆半島はジオスポットの宝庫であり、ユネスコ世界ジオパークに選ばれている事から日本を代表とするジオパークでもあります。

今回訪れたのは伊豆半島の南部に位置する下田で、下田と言えば1853年浦賀にペリーが来航し、翌年1854年に下田と函館を開港され、鎖国の終わりを告げた事で有名ですね。

開国の歴史の幕開けとなる下田は歴史の町としても有名で、幕末から明治時代を思い起こす情緒溢れる光景も残され、和洋折衷の観光地として多くの観光客を招いています。

また、町だけでなくジオパークに含まれているので、町から少し離れた所に行けば雄大な自然美を感じる光景も楽しめる観光地でもあります。

さて、今回訪れた寝姿山は下田駅の目の前に聳える標高196mの低山で麓からロープウェイで登り、山頂からは下田港から広い太平洋を見渡せるスポットです。

景色だけでなく、遊歩道もきちんと整備され、規模は小さいですが見どころのあるスポットなので今回は寝姿山の絶景と遊歩道の散策路を紹介したいと思います。

伊豆のジオスポットの一つ、寝姿山とは?

寝姿山というユニークな名前の由来は、人が仰向けで寝ている姿からそのような名前になったそうで、しかもこの寝姿は女性との事です。

穏やかそうに見える山姿ですが、顔の部分を見ると巨岩が所々突き出るようになっていて、実は寝姿山も火山の一つであり、伊豆半島が本州に衝突する際に隆起し、侵食によって今の姿になっています。

標高は196mと低山中の低山ですが、山頂からの景色は素晴らしく、入り組んだ下田港と太平洋の奥には伊豆七島が見え、伊豆三景の一つにも選ばれています。

また、幕末には当時海の関所として役割を果たし、検問を行っていた事をきっかけに日夜黒船の警戒と監視を寝姿山山頂から行っていました。

ロープウェイで山頂に到着してすぐ目の前に海が広がり、更に反対側には町並みが広がる光景から、どこか弥彦山のように思え、山姿も弥彦山同様に横長なので、私は勝手にミニチュア版弥彦山、または”伊豆の弥彦山”と名付けています。

下田ロープウェイで寝姿山を登ろう

下田駅のロータリー正面すぐにロープウェイ乗り場があります。

駅から歩いて1分の所にロープウェイがあるので、もしどこ行こうか迷ったら真っ先に下田ロープウェイに乗ってみましょう!

入口のところに切符売り場があり、1階はお土産屋さんになっています。

お土産は帰りにゆっくりと見ましょう。

料金と時間等は公式サイトをご確認ください。

【公式サイト】

www.ropeway.co.jp

階段を登るとロープウェイ乗り場に到着します。

ロープウェイは15分おきに出発するそうなので、時間に乗り遅れないようにしましょう。

乗り場からはすでに山頂が見えますね。

まぁほんの数分の空旅ですが、いざロープウェイに乗るとテンションが上がるものです!

ロープウェイからの景色は基本下田の町並みが見えるだけです。

しかしまぁ周りには標高は高くないのですが、下田という町は山々に見事に囲まれた場所ですね。

ちなみに下田は富士山も見えないエリアだそうで、静岡県でありながら静岡が誇る富士山が見えないなんて、何か残念ですね…

寝姿山山頂の遊歩道並びに絶景スポットを巡ろう

片道3分半の空の旅を終え、山頂駅に到着

ここから遊歩道で散策をしますが、ご覧の通り最奥まで5分と短い遊歩道になっており、尚且つキツイ坂道と言った登山のような箇所はありませんので、安心して歩く事ができます。

山頂エリアはこんな感じ

歩く距離も短く展望台の他、歴史建造物や大砲が設置されている見張り所など歴史を感じるスポットも点在しているので、小規模ながら時間をかけてゆっくり周るのがおすすめです。

寝姿山の展望所

寝姿山の展望台は3ヶ所あり、それぞれ海側を眺める展望台になっています。

ロープウェイに一番近い展望台がここ、寝姿山展望台で、柱に標識が付けられているので、ここが記念撮影のポイントだと思います。

ここからは下田港と奥には太平洋、そして伊豆七島が横一列に見える展望所です。

下田港はこぢんまりとした港で、深いU字を成す地形になっていますね。

見晴らしも良く、たしかにここからは見張りとしての機能を十分に果たせそうですね。

湾のようになっている下田港の中心にはちょこんと島が二つ見えます。

手前が毘沙子島、奥が犬走島で、二つに島により風光明媚で、まるで絵ハガキのような光景を成しています。

手前の毘沙子島は島の手前の岩の部分に鳥居が建てられていますね。

社殿は島の中にあるのでしょうか?それとも何かを遥拝するために建てられてのか分かりませんが、手前のまどが浜海遊公園からこの鳥居がよく見えます。

その奥の犬走島は島まで長い道が続いているのが特徴な島で、由来は昔ここにイヌワシが棲んでいた事に由来するそうですが、島まで続く長い道を犬が元気よく走る光景しか想像できませんね。

元々は独立した小島であったと思いますが、現在は陸から島へ行き来自由になっています。

下山後訪れましたが、島に至る道には多くの釣り人がいました。

ちなみに前回訪れた時は伊豆七島がご覧の通り見えました。

今年はモヤが出ていて見えませんでしたが空気が澄んでいると、まるで兄弟のように横一列に並んでいる様子が分かります。

伊豆半島はプレートの移動により本州に衝突して現在の形になったそうですが、これらの伊豆七島も何万年後には本州に激突し、今と違った光景が見られるそうです!

しかし、その頃人類は存在しているのか…

さて、もう一つの展望台は少し上にあります。

ここは黒船展望台という名前で、大きな碇が置かれています。

碇をよく見ると…

富士山、台湾、スカイツリー、ニューヨークと、てんでんばらばらな地名が書かれていますね。

恐らくその地名の方角を指していると思いますが、何故こんなにばらばらなんだろう?

まぁ疑問はさておき、ここからの景色も先ほどと変わらないです。

ただ、何故か龍馬くんという石像が置かれ、拳をなでると幸運が訪れる!?と書かれていますが…なでられすぎて拳がドラえもんの手みたいになってきているのが不安です!

いつか完全にドラえもんになってしまうのか?

龍馬くんの手がドラえもんになるかならないかはどうでもいいので先に進むと、無料休憩所があり、ここからも素晴らしい景色を堪能できます。

景色は相変わらず変わりませんが、ここの窓にはご覧の通り伊豆七島が描かれ、窓越しにあれはあの島だ!というのが一発で分かる優れものです。

休憩所はテーブルと椅子が置かれ、更に絵馬やおみくじも設置され、隣にある愛染堂の寺務所的な役割も果たしていると重われます。

海沿いの展望台と反対側には展望所はありませんが、下田の町を一望できるポイントはいくつかあります。

眺めてみると下田は山々に囲まれ、見事な盆地になっている事が分かりますね。

ちなみに正面の山は下田富士と言う名の山で、寝姿山からは横長の山に見えますが、見方によって綺麗な富士山の形をした姿で眺める事のできる、下田のご当地富士山です。

この山は伝説も秘められていて、少し悲しいお話が語られています。

興味のある方はこちらの記事をお読みください。

www.narisuba.com

何気にカフェの裏から眺めるのもおすすめ。

ちょうどロープウェイが通過したらこのような光景が撮れます。

遊歩道には四季折々の花が咲き誇る

さて、寝姿山の見どころは海や山の展望だけでなく、散策路には多数の花が咲き誇り、春夏秋冬によって様々な花や植物を楽しむ事ができます。

今回訪れたのは6月なので、主に夏に咲く花たちが散策路に咲いていました。

ロープウェイ近くにはチロリアンランプがご覧の通り咲いていました。

赤く丸っこい形もあれば、下に少し伸びて提灯のような形もあり、可愛らしい姿が特徴です。

6月と言えばやはり紫陽花ですね!

下田公園では毎年6月にあじさい祭りというイベントが開催され、公園内には300万輪の紫陽花が咲き誇り、見る人を圧倒させるほど美しい紫陽花の群生を目の当たりにする事の出来るお祭りです。

つまり、紫陽花と言えば下田と言っても過言ではないほど下田は紫陽花が有名で、ここ寝姿山にも紫陽花の群生が見られます。

ご覧の通り散策路内にちょうど見頃の紫陽花たちが咲いてますね!

ちなみに紫陽花の殆んどがこのような青色なので、ここでの紫陽花は寝姿ブルーと名付けられているそうです。

なるほど!寝姿ブルーですか!

○○ブルーと名付けられるのは海か山のスポットが多く、紫陽花により○○ブルーというのは珍しい気がします。

秋にはリトルエンジェルという可愛らしい名前の花が咲き、前回訪れた時はご覧のように綺麗に咲いていました。

白からピンク、そして最後は赤紫色へ変化する珍しい花で、寝姿山には800本ものリトルエンジェルが植栽され、下田の名所にも選ばれているそうです。

その他、散策路内の花壇には季節を感じる綺麗な花が咲いています。

春には桜、そして冬にも寒桜と河津桜が咲き誇り、365日いつ訪れてもその時期の花が咲き、いつでも観光客を歓迎してくれる仕組みになっていますね。

また、散策路内には鯉も泳いでいます!

山頂の史跡

寝姿山山頂の史跡と言えばここ、愛染堂です。

明治以前の神仏習合時代の鶴岡八幡宮(当時は鶴岡八幡宮寺とも呼ばれた)の境内愛染堂の本尊で、現在鶴岡八幡宮にあった愛染明王は五島美術館に安置されていますが、縁起書に書いてある通り、伊豆急行開業に携わった後藤慶太氏が篤く崇敬していた愛染明王を伊豆の地に安置しようと、伊豆の素晴らしい海が眺められる寝姿山山頂に愛染堂を建立し、鶴岡八幡宮に安置されていた愛染明王を勧請して現在に至っています。

伊豆急行開通十周年を期に建てられた愛染堂は今でも美しい朱色の堂宇で中には恐ろしい表情の愛染明王が安置されています。

不動明王と似たような迫力のある仏像ですが、名前に愛が付いている事から愛情を象徴する仏像であり、今では縁結びや恋愛成就の信仰として人気があります。

境内にはハート型の絵馬やハート型のおみくじ結びなど、まるで恋人の聖地を思い起こす光景も見られます。

また、愛染堂の後ろには寝姿地蔵が並んでいます。

平安時代の作との事で、歴史のある地蔵尊ですね。

実は先ほどの展望台より高い所には黒船見張所があります。

冒頭でもお話ししましたが、寝姿山は外国船の入港を機に見張所となり、日々山頂から警戒されていました。

残念ながら当時の見張所は存在しませんが、現在の見張所は復元されたそうです。

見張所の前にはご覧の通り大砲も完備されています。

外国船を発見したら直ちに発砲したのでしょうか?

まぁ江戸時代は鎖国の世の中だったので、突然外国船が現れたらビビりますね~

現在は下田港と広い太平洋を望む絶景スポットとして人々に感動を与える光景も、当時は常に緊張が絶えず、絶景どころではなかったのではないかと思います。

帰りに山頂のカフェで一息

サクッと寝姿山山頂の散策路を紹介しましたが、最後にロープウェイのすぐ隣にあるおしゃれなカフェに立ち寄りましょう。

数年前にリニューアルオープンした新カフェ、”THE ROYAL HOUSE”は高級感溢れる内装のカフェで、食事から軽食、ドリンクなどのメニューが豊富です。

室内はゴージャスな造りですが、おすすめはテラス席で、ガラス張りの席からは下田港と海が一望でき、天気の良い日は素晴らしい景色の下で食事やドリンクを楽しめるカフェになっています。

ちなみに私はニューサマーサイダーをいただきました。

さわやか系のオレンジジュースで、後味がさっぱりしていておいしい。

寝姿山のアクセス

 

伊豆急行下田駅から徒歩1分で下田ロープウェイ乗り場に到着します。(目の前)

車でお越しの方は乗り場の前に駐車場があり、ロープウェイをご利用の方のみ無料で駐車可能です。

下田駅周辺のおすすめスポット

下田公園並びにペリーロード

先ほど紫陽花でお話した通り、伊豆には紫陽花の見どころスポットである下田公園が有名です。

毎年6月1日から30日の間にはあじさい祭りというイベントが開催され、公園内にある開国広場には期間中、地場産品や紫陽花の鉢植え販売など飲食の屋台なども出店し、紫陽花の群生を堪能した後に立ち寄る事をおすすめします。

紫陽花と言えば最近では住宅街や町中にも咲き、誰でも知っている身近で見慣れた花の一つですが、いざ300万輪もの色とりどりの紫陽花を目の前にすると、改めて紫陽花の美しさに気づかされ、感動間違いないです。

下田公園はぜひ紫陽花が咲き誇る梅雨に時期に訪れてみて下さい。

下田公園から徒歩でたどり着くペリーロードは今でも幕末の面影が残り、歴史を感じる道になっています。

ペリー提督一行がこの道を歩いた事からペリーロードと名付けられ、ロード内には「なまこ壁」や「伊豆石」を用いた趣のある建造物が立ち並び、その他、洋風を感じさせるガス灯など、和洋折衷のバランスが見事に取れた町並みが広がっています。

龍宮窟

下田駅から少し離れていますが、龍宮窟は伊豆のジオスポットの一つで、海底火山時代に隆起した部分が波によって削られ、更に天井部が崩壊した事によって神秘的な空洞となり、現在の姿になっています。

崩壊は現在でも続いているらしく、過去に何度も訪れましたが、訪れる度に壁から崩落した石が転がっているのが分かります。

場合によっては一部入れない場所も出てくるので、訪れる時は最新情報を調べる必要があります。

izugeopark.org

道の駅開国下田みなと

下田の道の駅と言えば開港下田みなとです。

まどが浜海遊公園のすぐ隣に位置し通常の道の駅よりも大きく、建物のデザインも斬新で未来を感じさせる風貌の道の駅です。

ここでのおすすめは1階にあるハンバーガー屋で、下田限定の下田バーガーをぜひ食べていただきたい。

ハンバーガーの具は金目鯛のフライで、ソースがたっぷりしみ込んだ金目鯛のフライとチーズをパンに挟んで食べるバーガーは最高に美味しく、下田を訪れたら1度は口にしてみたい一品です。

www.kaikokushimodaminato.co.jp

最後に

伊豆半島南部にある下田はジオスポットと歴史の交わる、観光地には持ってこいな場所で、今回紹介した寝姿山もジオと歴史を感じるスポットの一つです。

下田駅から歩いて1分の所にロープウェイ乗り場があり、たった3分半乗るだけで下田港や広大な海を眺められる展望台にたどり着けるので、初めて下田を訪れる人にはおすすめです。

景色はもちろん、散策路内には四季折々の花たちが観光客をお出迎えてくれるので、季節に限らずいつでも楽しめるのが寝姿山の見どころだと思います。

また、駅周辺にも魅力のあるスポットが多数あるので、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。