八甲田山は岩木山と共に日本百名山に選ばれており、青森県を代表する山です。
奥羽山脈の北端に位置し、北八甲田と南八甲田に分かれ、登山は主に北八甲田の山々に登られる事が多いようです。
八甲田山は青森県のほぼ中心に位置するために、主峰大岳からは津軽半島及び下北半島がはっきりと眺められ、また、遮るものが無いので360度の大パノラマが楽しめます。
更に危険箇所もほとんど無く夏には花が咲き誇り、秋には毛無岱の湿原地帯の紅葉が見事であり、夏から秋にかけての登山がおすすめです。
今回は前日の岩木山登山に続いての山行のため、車で訪れる際におすすめの酸ヶ湯温泉登山口から大岳、毛無岱を周回するコースを選択しました。
大岳からの絶景と、紅葉にはまだ早かったですが美しい湿原地帯の光景をお伝えしたいと思います。
- 八甲田山(酸ヶ湯温泉登山口)のアクセス
- 登山ルート
- 酸ヶ湯温泉登山口~仙人岱
- 仙人岱~八甲田大岳
- 八甲田大岳からの絶景
- 八甲田大岳~毛無岱
- 毛無岱~酸ヶ湯温泉登山口
- 酸ヶ湯温泉登山口周辺の観光スポット
- 最後に
八甲田山(酸ヶ湯温泉登山口)のアクセス
電車の場合
JR青森駅及び新青森駅よりバス
青森駅から1時間40分、新青森駅から1時間20分程
詳しくはJRバス東北株式会社公式HPをご覧ください。
車の場合
最寄りのインターは東北道黒石インター
黒石インターから国道102、394、103号を経由し、酸ヶ湯公共駐車場の無料駐車場に停車。
酸ヶ湯温泉前にも駐車場があります。
登山ルート
酸ヶ湯温泉近くの登山口から大岳、毛無岱を経由し1周するコース。
歩行時間はトータル4時間半から5時間くらいが目安です。
酸ヶ湯温泉登山口~仙人岱
駐車場のすぐ近くに八甲田山登山口の案内板があり、鳥居が登山口になっています。
地獄湯の沢までは急登もなく、このような地味な道が続きます。
途中には展望も無く、ただひたすら登り続ければならない事が難点です。
地味な登山道を終えるとようやく視界が開き、不気味な雰囲気を醸し出す地獄湯の沢に到着です。
地獄湯の沢と言われている通り、岩のあちこちから煙が出て、硫黄臭も感じます。
八甲田山が火山である事を分からせる光景です。
このガスにより岩が変質し、この一帯が崩れやすい性質になっているそうなので、歩く時には注意が必要です。
地獄湯の沢の岩場を抜けると、木道となり仙人岱に到着します。
仙人岱~八甲田大岳
先ほどの地獄湯の沢とは打って変わり、仙人岱は高山植物が生い茂っています。
9月下旬の中途半端な時期に訪れたために、花は咲いていませんでしたが、木道から眺める湿原が素晴らしいです。
目の前には小岳が聳えています。
ここからは大岳に向けての登山が始まります。
山頂付近になると、岩が混ざり富士登山を思い起こす登山道となります。
山頂付近に突如沼が出現します。
これは鏡沼と言い、火口に水が溜まってできた沼です。
クロサンショウウオやモリアオガエルが生息しているらしく、青森県で最も高い位置に両生類が生息する場所との事です。
そしてついに、山頂に到着です。
ここからの景色は素晴らしいです!
八甲田大岳からの絶景
最大の見どころはやはり、津軽半島と下北半島が一望できる事です。
岩木山からは津軽半島のみでしたが、八甲田山は青森県のほぼ中心にある山なので、ここからは下北半島の形がはっきり見えます。
左側は津軽半島です。
そして右側は下北半島を眺める事が出来ます。
津軽半島の手前を拡大しました。
青森市のビル群とフェリーもはっきり見えます。
反対側は手前から先ほどの小岳、真ん中が高田大岳、奥が雛岳です。
まるでピラミッドのような美しい形をしています。
南方面は手前が硫黄岳、奥には南八甲田連峰が連なっています。
田代平方面
田代平の湿原植物群も素晴らしいとの事です。
八甲田大岳~毛無岱
さて、手前の井戸岳を眺めながら下って行きましょう。
井戸岳のダイナミックな噴火口です。
噴火口のまわりに登山道があるので、あちらにも渡れそうです。
ひたすら下り、しばらくすると大岳避難小屋に到着します。
ここには有難い事にトイレが付いています。
ここから先は湿原地帯に突入し、しばらくは木道が続きます。
夏は花を楽しみながら歩く事が出来るそうです。
毛無岱~酸ヶ湯温泉登山口
暫く進むと急な階段が現れ、下る途中から毛無岱を一望出来ます。
どこまでも真っ平らな湿原地帯に目を奪われ、思わず写真を撮りたくなる光景です。
訪れた時期が中途半端で、完全な紅葉ではありませんが、紅葉シーズンは素晴らしい光景が楽しめそうです。
夏は青々とした草や花が咲き誇り、秋には一面草が色づきます。
湿原の沼がまた良い雰囲気を出しています。
毛無岱は登りや下りが無いので安心して渡れますが、雨の後は滑りやすいので注意が必要です。
毛無岱を抜けると、スタート直後のような登山道がしばらく続き…
やがてスタート地点である酸ヶ湯温泉が見えてきます。
酸ヶ湯温泉登山口周辺の観光スポット
酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉と言えば千人風呂で有名な温泉です。
300年の歴史を誇り、中は160畳のヒバ造りの空間に圧倒されること間違いないです。
外にはお食事処や軽食コーナー、お土産屋さんもあり、気軽に立ち寄ることが出来ます。
詳しくは酸ヶ湯温泉公式HPをご覧下さい。
地獄沼
駐車場から車で1、2分のところに地獄沼があります。
爆裂火口の跡で硫黄臭が漂い、八甲田山が火山であることを分からせる沼です。
沼自体は不気味な雰囲気を醸し出していますが、周りの光景と重ねると美しく感じてしまいます。
ギリギリまで近づいてみると、底から温泉水が湧き上がっている様子や水面から湯気が立ち上がっている事を確認出来ます。
みちのく深沢温泉
酸ヶ湯温泉の他にも何ヶ所か温泉があり、そのうちの一つである深沢温泉は温泉旅館で、日帰り入浴も可能です。
山奥のひっそりとした所に位置し、露天風呂も完備されているので、のんびりとゆっくり入りたい方におすすめです。
最後に
酸ヶ湯温泉から大岳、毛無岱を周回するコースはそれなりに時間がかかりますが、危険箇所も無く効率よく周れ、更に下山後すぐに温泉に入れるメリットもあるので、車で訪れる際には非常におすすめの登山コースです。
大岳からは津軽半島、下北半島や360度の大パノラマが楽しめ、毛無岱には高山植物の宝庫となっているので、絶景を楽しみたい方、植物の観察をしたい方も共に楽しめる登山が出来ると思います。
また、近くには十和田湖や奥入瀬渓流など大自然を満喫する観光スポットもありますので、合わせて観光することもおすすめです。
ぜひ、八甲田山の絶景と自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。