素晴らしき日本の景色たち

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守門岳登山|保久礼登山口からニッコウキスゲと稜線歩きを楽しんでみた!

まだまだ梅雨の季節が続く7月の上旬、山ではそろそろニッコウキスゲが見頃を迎える時期に差し掛かり、今年は越後の名峰、守門岳にお邪魔しました。

標高は1537mで、大岳、青雲岳、袴岳の三つのピークから成り立ち、総称して守門岳と呼ばれ、日本に二百名山にも選ばれた山です。

遠くから眺めると、まるで門番のようにずっしりとした山容を成していますが、山頂付近は夏になるとニッコウキスゲを始め、様々な高山植物が咲き誇る花の名山としての一面を持ち、色とりどりの稜線歩きを楽しめます。

コースは5つあり、どれも登り応えのあるコースの中、今回は駐車場が広く最近トイレが新しくなった保久礼登山口から山頂を目指すコースを選択しました。

山頂付近に出ると、美しい稜線と高山植物たちの楽園が広がり、清々しい稜線散歩ができましたので、今回は保久礼コースと山頂からの絶景をお伝えしたいと思います。

登山コース(保久礼コース)

大岳、青雲岳、袴岳を最短で縦走できる保久礼コースで歩きました。

アクセス、駐車場(保久礼コース)

アクセス

 

関越自動車道長岡IC及び小出ICから車で約1時間で登山口に到着。

駐車場、トイレ

駐車場は約30台ほど停められますが、平日でもご覧の通り込み合うので、早めの駐車をおすすめします。

また、駐車場には近年建てられたインフォメーションルームがあり、中には登山や観光情報の他、更衣スペースと綺麗なトイレが完備されています。

トイレは24時間利用可能です。

ちなみに洋式で紙は付いています。

登山口~大岳

駐車場の奥に登山口があります。

気をつけていただきたいのは、左の巨岩が転がっている方面には行かないように。

最初分からず左から下りましたが、こちらは間違いのようです。

なので、右の鎖の付いたポール側から下りましょう。

スタートからいきなり下りになりますが、ほんの少しの下りです。

そして早くも分岐点に到着。

トイレと書かれた看板がありますが、そちらには保久礼小屋があります。

これが保久礼小屋です。

全体がコンクリートの造りで、独特な形になっていますが…

というかこれ廃墟なんじゃないか?と思わずツッコんでしまう。

ちなみに中は入れるようですが、階段がさび付いていて少し怖かったです。

避難小屋として使われているのかな?

さて、気を取り直して山頂を目指しましょう!

保久礼小屋から先はひたすら登りが続きます。

しかもいきなり階段地獄…

展望の無い階段地獄を進むと、少しだけ視界が開ける場所に出ますが、ガスでよく見えません。ガスが無ければ遠くまで見渡せるのかも。

階段が終わると足場の悪い箇所もちらほら見られます。

特に雨上がりの日はぬかるんでいて、歩きにくいです。

30分くらいでしょうか、どうやら水場がありそうです。

しかし、看板が手書きっていうのもなかなかいいですね!

たった20mの距離なので水場に立ち寄ってみました。

ちなみに水場はこんな感じで、ちょろちょろ流れていますね。

夏の暑い時期には有難い存在です。

水場からほんの数分で分岐点に到着します。

この分岐点はキビタキ小屋(避難小屋)を経由するかしないかの分岐点でどちらからでも山頂方面へ向かいます。

まぁせっかくなのでキビタキ小屋経由で行きましょうか。

分岐点から数分でキビタキ小屋に到着。

まさに、避難小屋という感じの姿です。

扉はもちろん開いていて、中に入る事も可能です。

そして合流。

この辺りからブナの木が目立ってきます。

北海道から九州まで幅広く生えていますが、主に豪雪地帯に多く見られる通り、守門岳にも立派なブナの木が生えています。

階段地獄を越えてからは足場の悪い道も頻繁に登場。

滑りやすい箇所もあるので注意しながら歩きましょう。

足場の悪い道を進んでいくと、展望の開けた場所に到着します。

標高も高くなってきた為か、青空が見えるようになりました。

やはり下界付近はガスが多かったのですね。

しかし、残念ながらその後は再び展望の無い登山道をひたすら歩いていきます。

そして、大岳の直前辺りになると花が目立ってきます。

この花は…ヒメサユリでしょうか?

可愛らしい姿で咲き誇り、周辺にいくつものヒメサユリが咲いていました。

近年減少傾向にあり、こちらの花は貴重との事です。

ちょうどこの辺りから山も見えるようになりました。

あの山々は越後三山でしょうか?

稜線へ残り僅かの登りです。

ここを越えれば一気に展望が開けます。

大岳から袴岳の美しい稜線歩き

そして遂に大岳に到着。

標識と鐘、更に巣守神社と書かれた石碑があります。

麓にいくつか巣守神社がありますが、どうやら守門岳を信仰する神社らしく、ここに石碑があるという事は奥宮のような存在かもしれませんね。

鐘の向こうは雲海が広がり、運がよければ日本海まで見れそうです。

そして反対側は守門岳最高峰である袴岳までの稜線が続いています。

標高1500m前後の山並みですが、2000m級の山に劣らない山容になっていますね。

所々残雪も確認でき、まさに夏山のスタートという感じです。

ガスが多く下界の様子は見えませんでしたが、雲海と雲海から顔を出す山の頂が妙に神々しく、これはこれでいい感じでした。

ここから先は特に多くの花が咲き誇り、ニッコウキスゲを始め数々の花を楽しみながら進んでいきます。

最初はピンク色のタニウツギが目立ちます。

小さくて可愛らしい姿ですね。

その後はニッコウキスゲの群生が登山道を彩るように咲いています。

年に1回はニッコウキスゲを見られる登山がしたいものです。

最初に急な下りが待ち構えていました。

道幅も狭く、ここは対向者に注意しながら進んでいきましょう。

下り終えて振り返ると大岳の姿が見えます。

こんもりとした風貌で、所々山肌に岩が露出しています。

大岳から先は緩やかな登りが続き、気持ちの良い天空散歩になります。

この時期なので、やはり残雪がちらほら目立ちます。

太陽に当たると眩しいです。

雲海とニッコウキスゲ

ちなみに同じ場所で帰りになると少しガスが取れ、これはこれでいい感じの写真が撮れました。

やっぱりガスが無い方がいい!

登山道は歩きやすく、時折木道も見られます。

そして遂に第2のピークである青雲岳に到着。

このピークは広い草原になっています。

迫るガスだったので青雲岳は帰りにゆっくりと立ち寄りました。

標識のすぐ隣にこぢんまりとした池がポツンとあり、まるで苗場山のような湿原地帯を思い起こす光景が見られます。

雲海も綺麗ですね。

写真は帰りに撮ったものですが、何故か帰りの方がガスが少ない…

なのでゆっくりと青雲岳に立ち寄り周辺の写真を撮りました。

草原に木道が続き、開放感あふれる広場になっています。

全てのガスは取れませんでしたが、それでも雄大な景色を眺めることができます。

今まで歩いてきた稜線も確認できます。

先ほど眺めた大岳もここまで来ると稜線の一部にしか見えませんね。

そしてその先にも登山道が続いています。

気持ちの良い青雲岳ですが、先に進みましょう。

ここから先も暫くは木道が続きます。

振り返ると…

青空、草原、木道の三拍子。

見れば見るほど歩きたくなる風景です。

木道を過ぎると再びこのような登山道になります。

木々で景色が遮られますが、ここを抜けると再び木道になります。

袴岳への最後の登り。

振り返れば青雲岳と先ほど立ち寄った草原が見えますね。

青い空と白い雲の狭間に浮かぶ山の姿がまさに青雲岳です。

守門岳山頂(袴岳)からの景色

そして遂に守門岳(袴岳)山頂に到着しました。

標高は1537mとピークの中では1番高く、景色も360度の大パノラマを楽しむことができます。

まず正面の奥にはっきりと見えるのは越後三山である越後駒ケ岳、八海山、中ノ岳。

7月ですが、まだまだ残雪が目立ちますね。

越後駒ケ岳と中ノ岳は辛うじて2000m級の山です。

拡大すると、雲海に浮かぶ越後三山が妙に神々しく見えますね。

もう暫くするとガスで見えなくなるので、ギリギリ眺められました。

ちなみに左奥には猫耳の燧ケ岳とその左奥には日光白根山まではっきり見えました!

どちらも特徴のある独立峰で探しやすい山です。

越後三山の右奥には見えにくいですが、妙高山も薄らと見えました。

北の方面を覗くと、こちらも雲海で覆われていますが、雲海の先っぽにちょこんと山が見えますね。

恐らく飯豊連峰だと思いますが、いかがなものか…

袴岳から先も稜線が続いているみたいですね。

しかし、地図を見ると登山道が開通していないので、あちらに行くことはできません。

こちらに下ると藤平山コース、大白川コースへ続いていきます。

こちら側のコースもニッコウキスゲの群生が見られるそうで、他にも綺麗な花を見ることができるそうですよ。

山頂は広々としていて、ゆっくり腰を掛けながら絶景を楽しむことができます。

こちらも大岳、青雲岳と同様に鐘が取り付けられています。

登頂記念に鳴らしてみてはいかがでしょうか。

下山後のおすすめ立ち寄りスポット

鏡ヶ池

守門岳の麓に位置する鏡ヶ池は、昔女神がこの池を訪れ、水面を鏡の代わりにして髪を梳いたという伝説が伝わる事から鏡ヶ池と名付けられたそうです。

実際に訪れると森林に囲まれた池はエメラルドグリーンに輝き、確かに何か言い伝えがありそうな雰囲気の漂う池でした。

また、池には伝説に登場?したであろう女神の像も安置されています。

しかし、この池と金の女神像、どこかで似たようなものを見た気がしますが…

そう!秋田県の田沢湖にも金の女神像があり、ちょうど池にこんな感じに置かれていたような記憶があります。

池のすぐ隣は道の駅になっていて、食事コーナーは池の真上に建てられており、池を眺めながら食事を楽しめます。

食事後は道の駅でお土産等を買うのもいいですね。

神湯温泉

守門岳から国道252号を下り、途中県道70号沿いに神湯温泉倶楽部という温泉宿泊施設があります。

日帰り温泉も可能な温泉施設で、写真の通り施設が大きく、まるで美術館のような風貌を成しています。

中は広く、温泉も広々とした湯舟と露天風呂が完備され、温泉を楽しんだ後もゆっくり寛げる温泉施設なので、下山後におすすめです。

【公式サイト】

www.kamiyuonsen.com

最後に

今回は夏の名花であるニッコウキスゲの群生に触れ合うために守門岳に登りました。

ガスの多い中での登山でしたが、山頂からは越後三山を始め、新潟の名峰を眺めることができ、特に稜線歩きは青空の下、高山植物に癒されながら進む事ができました。

大岳から袴岳までの稜線は美しく、それに合わせて数々の高山植物が咲き誇るコースはこの時期におすすめです。

ぜひニッコウキスゲを始め、高山植物と共に美しい稜線を歩いてみてはいかがでしょうか。