素晴らしき日本の景色たち

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古鷹山登山|江田島に聳える日本海軍の鍛錬の山を登ってみた!

広島県で一番低い茶臼山を訪れた後は、海上自衛隊第1術科学校を見学し、見学後は学校の背後に聳える霊峰古鷹山を登りました。

古鷹山は海軍時代から鍛錬の山として知られ、かつてはハイキングや登山を楽しむ事ではなく、己の心と身体を鍛え上げる軍人たちが死ぬ気で駆け上がる山であったそうです。

海軍兵学校が海上自衛隊に引き継がれたと同じく、古鷹山も海軍たちの鍛錬の山から海上自衛隊員たちの鍛錬の山へ受け継がれ、見学の時にガイドさん曰く、自衛隊員たちは古鷹山を20分で登頂するそうで、その話を聞いて興味を持った為に私あおすけ氏も古鷹山に挑戦する事となりました!

近代では鍛錬の山として、さらに時代を遡ると霊峰としての顔を持ち、現在はしま山100選に選ばれる山へ変化し、多くの登山者で賑わいを見せています。

果たしてあおすけ氏は20分で登頂する事ができたのか?

結果は一番下の「最後に」でお伝えするので最後まで見てね~!

古鷹山の概要

古鷹山とは

古鷹山は江田島の北部に位置する標高394mの山で、山頂からは江田島湾を始め広島湾に浮かぶ風光明媚な島々や天気が良ければ四国まで見渡す事ができます。

名前の由来は海に出た小舟が暴風雨により難破寸前のところ、一羽の大鷹が現れ入江に導いた後この山に姿を消した事から山上に堂宇を建て鷹宮大明神と称し、その祭神名に因んで古鷹山になったそうです。

由来から海上安全や渡航安全を漂わせているので、古くから漁師たちにも崇敬されていたと思われます。また、堂宇も建立され、山頂付近には巨岩や岩場も目立つので、かつては山岳信仰の山としても開かれていたのではないかと思います。

更に海軍兵学校が開校して以来、古鷹山は海兵たちの心身を鍛える場であり、現在はそのまま海上自衛隊員や生徒たちの鍛錬の場に引き継がれています。

このように古鷹山は行場や鍛錬の場としての歴史が受け継がれる中、現在はしま山100選に選ばれ、山頂から眺める風光明媚な光景が素晴らしく、観光の山としても開かれるようになりました。

古鷹山の地図

自衛隊の学校から車で数分のところに登山口があり、片道1時間15分で山頂に到着できるコースになっています。

古鷹山から先にも登山道は続き、反対側の切串湾方面からも登る事ができます。

登山口~古鷹山山頂

学校から車ですぐ近くに古鷹山登山者用の駐車場があり、ここから登山が始まります。

スタートからすぐに通行禁止かと思いきや、正面は浄水場との事で入れず、横に古鷹山登山道があるので安心してください。

登山開始早々急な階段地獄が始まり、いきなり修行の場という雰囲気になります。

海上自衛隊員や生徒はダッシュで駆け上がるのであろう。

階段地獄を越えると緩い坂道になります。

ここから先はそれほど急な箇所は少なく、意外に登りやすい道になっています。

一般の登山なら気持ちのいい登山道だと思いますが、私は軽く走りながらこの登山道を進んだので少し苦しい…

所々このような山頂まであとどれくらいの看板が立てられています。

これは訓練者のための目安なのか登山者に向けての看板なのか分かりませんね。

登山道の途中にはしばらく竹藪も続きます。

低山らしい登山道ですね。

山頂まであと1kmまで来ました。

走りながらだと思ったように写真が撮れません。

トレランの最中にのんきに写真なんか撮ってる暇ありませんが、私は走りながらもいつもの自分のスタイルを忘れずにここまで来ました。

残り1kmを切ると岩が目立つ登山道に差し掛かります。

徐々に山頂付近に近づいてきた証拠でしょうか?

山容を見ると山頂付近が岩になっていたので、山頂までそれほど遠くないはずです。

すると、途中展望の開けた所に到着します。

登山道の途中にある展望所はここだけですが、景色はかなりいいです!

展望所を越えると隙間から山頂が見えます。

山頂部はこんもりとした岩山になっています。

という事はこれから鎖場とか登場するのでしょうか?

予想が的中しました!

目の前に大きな岩壁が出現し、そこにはロープが垂れ下がっていました。

しかし、最初のロープはそこまで困難ではなく、むしろロープ無しでも登れます。

次もロープ場です。

難しい箇所は特に無いので、楽しみながら岩場を登ることができます。

岩壁を超えても、山頂まではロープや鎖場が所々出現します。

自衛隊員や生徒たちは日々走りながらこの岩を駆け上がっているのだろう。

古鷹山山頂からの景色

岩場を走り抜けると一気に視界が開け、遂に古鷹山山頂に到着しました!

広島市と呉市、更に見渡せば様々な島や小島が見える素晴らしい景色です!

東には呉市が見えます。

海沿いには造船所がずらりと並んでいますが、かつての日本海軍による呉海軍工廠が元となっていて戦艦大和や多くの艦艇が建造されたそうです。

現在は造船所として残っていますが、遠くから眺めても迫力ありますね。

そして北を向くと広島市が良く見えます。

こちらの景色もいいですね~

手前の串切湾から伸びる岬は何という名前でしょうか?

それにしてもあの岬は伊豆半島の大瀬崎に少し似ていますね。

地図で見るとこの岬の先にも池のようなものが確認できます!

これは淡水なのか少し気になるところですね!

ちなみに岬の延長上には広島プリンスホテルも見えます!

実は私泊まった事があるんですね~

少し視線をずらすと、宮島も見えました!

先ほど登った火山からは見えませんでしたが、古鷹山山頂からははっきりと宮島が見えます。

となると、あの山は弥山でしょうか?

弥山は空海伝説が伝わる山で、空海が修行を行った山としても知られています。

山頂には1200年以上燃え続ける火や奇岩、怪岩が多く神が鎮まる山に相応しい景観が見られるそうなので、いつかは行ってみたい島です。

山頂の景色はやはり江田島湾の光景が一番だと思います。

湾の中には牡蠣の養殖場が多数見られますね。

拡大するとこんな感じ

あちこちに養殖場が目立ちます。江田島は牡蠣の名産地でもあり、出荷量も日本一を誇るのでこのような景観を成しています。

そして正面には先ほど見学した学校が見えます。

奥の方には運が良ければ四国が見えるそうですが、少しモヤっていて確認はできませんでした。

しかし、海の見える山頂って凄く開放感があっていいですね。

目線を下げると、学校の全体が見えますね!

先ほど見学しましたが、敷地が広く全部を見学することはできません。

しかし、自衛隊の学校を見下ろすとは、ある意味恐れ多いい行為ですね…

恐らく生徒たちは日々鍛えるためにこの山を何度も走りながら恐ろしいスピードで登り下りしているのだろう。

山頂には五省が掲げられており、これは東郷元帥の謹書だそうです。

この五省は静座しながら毎日唱えさせ、各自日々の反省をし、自分を見つめなおすために実施されたそうで、これは現在の海上自衛隊の生徒にも受け継がれています。

山頂は広く開放感のある展望所になっています。

奥はクンマ岳への縦走路が続き、絶景を楽しみながら歩けるコースになっています。

海上自衛隊第1術科学校・幹部候補生学校を見学しよう

古鷹山は日本海軍ゆかりの山として聳える山で、その麓には明治21年に東京・築地から移転された旧海軍兵学校である海上自衛隊第1術科学校・幹部候補生学校があり、江田島を訪れたらぜひ見学してほしい場所です。

海軍兵学校は元々東京の築地に明治2年に開かれましたが、気候が温暖で江田島湾が軍艦の停泊に適していたために移転され、終戦までは世界3大兵学校の1つとしてその名を世界に轟かせていたそうです。

終戦後は海上自衛隊が施設を引き継ぎ、現在は術科学校及び幹部候補生学校として使用されています。

校内には明治から昭和に至るまでの建造物が現存し、内部を見学できる建物もあり、貴重な体験をできること間違いありません。

見学はグループで行い、ガイドの指示に従って巡るので単独行動は厳禁。

また、時間厳守なので見学時間をしっかり確認して余裕をもって受付しましょう。

古鷹山のアクセス

 

江田島北部の国道487号沿いに登山口と駐車場、更に公衆トイレも完備されています。

駐車場は5~8台程度停められます。

最後に

さて、私のタイムは…ちょうど30分でした!

ということは10分オーバーという事で失格ですw

とまぁ私は一応一般の登山者なので、20分で登らなければならない事はなく、本来はゆっくり登るべき山でしたが、久しぶりにトレラン気分だったのでこれはこれでよかったと思います。

肝心の古鷹山は、比較的登りやすく山頂付近は岩場やロープ場が目立つ登山道ですが、そこまで危険を伴う所ではないので、楽しみながら登り進むことができます。

また、山頂からは文句なしの素晴らしい大絶景が広がり、低山ながら非常に達成感を得られる山だと思います。

古鷹山から先も縦走路が続き時間に余裕のある方は引き続きクンマ岳方面へ行かれる事もおすすめです。更に麓にある自衛隊の学校は見学時間が決められていますが、無料で見学できるので、こちらも併せて訪れてみてはいかがでしょうか。