素晴らしき日本の景色たち

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鍋割山登山|鍋割山荘名物、絶品鍋焼きうどんを目指して寄から日帰り登山!

2月の丹沢は運がよければ雪山としての登山が楽しめる山岳エリアで、雪山に馴染みのない私にとって今後本格的な雪山を登る事になれば、雪山の練習にもってこいな山が丹沢です。

さて、そんな丹沢には大山のルーメソ的な名物が他にある事をご存知でしょうか?

その名物とは鍋割山の”鍋焼きうどん”で、見た目は普通の鍋焼きうどんですが、不思議と美味しく、天気の良い登山日和の時は行列ができるほど人気を誇るまさに丹沢名物と言っても過言ではありません。

私自身もこの鍋焼きうどんの存在を知った事で鍋割山を登るきっかけとなり、今回で二度目の鍋割山を登る事になりました。

しかし、鍋割山は鍋焼きうどんだけでなく、天気が良ければ西には雄大な富士山、南には相模湾を一望できる素晴らしい山でもあります。

今回は2月の凍てつく寒さの中、山頂での鍋焼きうどんと素晴らしい絶景を求め、寄と言う登山口からピストンで向かう計画を立てましたので、山頂から眺める絶景と丹沢名物、鍋焼きうどんを紹介したいと思います。

寄~櫟山

駐車場から登山口までは民家を通ります。

この辺りは車も通るので民家周辺の歩行は十分に注意しましょう。

民家の写真は禁止ですが、途中にデブにゃーがいました。

話によると元は野良猫だったらしく、今はどんな人でも懐いてしまう猫だそうです。

民家を抜けると坂道に突入します。

辺りを見渡すと畑がありますね。何を作っているのでしょうか?

すると、途中何やらこのような幟が多数立てられていました。

どうやらこの時期はロウバイという花が見頃で、見渡すと一面黄色い花が咲き誇っていました。

1月中旬から2月下旬にかけて寄で行われるこの祭りは地域活性化の為に荒廃農地にロウバイを植樹してロウバイ園に育て上げ、多くの方々に素晴らしいロウバイを見て欲しいという願いから始まり、今年(令和5年)で11回目を迎えたそうです。

荒れ果てた農地が今ではこんなにも美しい農地へ変貌し、見る人を感動させる光景が広がっています。

私はたまたまこの時期に訪れましたが、登山前にこんな素敵な光景を目の当たりにする事ができて良かったです。

山頂での鍋焼きうどんもそうですが、寄の麓のこのロウバイ祭りも合わせて訪れるのがベストかもしれませんね。

さて、美しいロウバイロードを越えるといよいよ本格的な登山道に差し掛かります。

鍋割山方面と書かれた標識があるので、見逃さなければ問題ありません。

と、標識の前に何やら怪しげなベンチがありますね…

どうやらこのベンチは展望台になっているそうで、何故ベンチなのかは分かりません。

しかし、ここからの景色は良く、先ほどのロウバイや集落を見渡す事ができます。

最初は竹藪を通り、次第に茶畑の広がるコースになります。

途中に展望台がありますが、先ほどと同様に集落を見渡せる展望台が中心ですね。

展望台を越え暫く進むと鹿除けの扉があります。

このような扉はよく見かけますが、意外にも開け閉めに手間がかかりました…

鹿ネットを越えると急登ではない歩きやすい道が暫く続きます。

2月ですが、歩くとそれなりに温かく感じます。

暫く歩くと、ロープが張られていますね。

どうやら工事期間中だったらしく、ここは迂回路を通らなければなりません。

迂回路と言ってもほんの5分程の道のりなので大して変わらないと思いますが、正規ルートの方が見た感じ急な道だと思うので、迂回路の方が登りやすいと思います。

正規ルートが復活したら迂回路って無くなるのでしょうか?

まぁとりあえず今回はこの迂回路を通らなければなりませんが、帰りは間違えて正規ルートを下ってしまいました…

しかし、工事の方に出くわしましたが、普通に通ってもいいよと言われたので帰りは正規ルートを歩きました。

案の定迂回ルートの方が歩きやすく雰囲気もこちらの方がいいですね!

木々に照らされる木漏れ日が何とも清々しさを感じさせます。

いっその事、こちらのルートだけにした方がよいのではないか?

正規ルートと合流後は比較的広い登山道になりますが、地面を見るとブルドーザーが通ったような跡がありますね。

しかし、この後正面から厳ついブルドーザーがやってきたのです!

幅がギリギリのブルドーザーだったので、こちらもかわすのに崖ギリギリの所を歩きました。まるで岩場をトラバースする感じでかなり怖かったです…

登山中は作業車やブルなども通るのでこの辺りは注意しながら歩きましょう。

途中からブルドーザーと登山者用の道との分岐点に到着します。

我々登山者は左の登山道を歩きましょう。

分岐点から暫く歩いた後は一旦アスファルトの道に出ます。

一瞬迷いましたが、きちんと看板があるので迷わず進めると思います。

さぁここから再び本格的な登山道を歩いていきます。

最初から急登ですが、いい雰囲気の登山道が暫く続きます。

そして途中、木々の隙間からなんと!海が見えました!

今まで展望がゼロだったので、少しでもこのような光景が見えると立ち止まってしまいます。

櫟山まであと少し。まだまだ登りは続きますが頑張りましょう。

プチ展望を越えた辺りから、やたら霜が目立ってきます。

霜と言うか雪のようなものもちらほら見えてきますね。ひょっとしたら山頂は雪が積もっているのではないかと思いながら足を進めます。

そして遂に櫟山に到着です。

山頂は広くシートを広げて寛ぐにはちょうどいい感じの広場になっています。

しかし、展望はイマイチで、先ほど木々の隙間から眺めた海が見えるくらいでしょうか。特段展望が優れているという訳ではありません。

後ろを振り返るとやたら大きな松の木が生えていました。

何故か巨大な松の木は2本だけで、下から眺めるとその大きさは一目瞭然!

誰かがここに植えたのでしょうか?

反対側は草をかき分ければ富士山が見えそうですが、そこまでやりたくないですね。

櫟山~鍋割山山頂

さて、櫟山はちょうど中間地点なので、後半も頑張りましょう。

ここからはアップダウンもあり、なかなか厳しい場面もあります。

後半開始は雑木林をひたすら歩きます。

鬱蒼とし、地面には霜が多くなってきて、所々ぐちゃぐちゃになっていました。

比較的登りやすいコースが続きます。この辺りは行も帰りも同じくらいの歩行時間でしょうか。

櫟山の次は栗ノ木洞という山に到着です。

ここまではそれほど急な登りは無く、歩きやすかったのですが、ここから先は下って登る道になり、最後の方は急登が待っているのでここで少し休憩しましょう。

山頂まで一旦下って最後にまた急登というコースになるので、栗ノ木洞から先は急な下り坂になります。

下り終えると平坦な道に差し掛かります。

最後の急登まで暫くこのような道が続きます。

そして途中、このようなやせ細った道に遭遇します。

見た目は馬の背のような刃渡り系の尾根に見えますが、しっかりとした道になっているのでまず落ちる事は無いと思います。しかも一瞬で渡れるほど距離も短いです。

ただ、こういう道に出会うとやたらテンションが上がるのはなんでだろう?

さて、刃渡り系の道を渡り終えると、いよいよ最後の急登が待っています。

ここまで意外に時間もかかり、それなりに負担もかかっているのでしんどいと思いますが、ここを越えれば絶景と鍋焼きうどんが待っているので頑張りましょう!

途中から丹沢のバカ尾根のような階段に変わります。

他の登山者もこの階段はしんどそうでした…

ゴールが近づくにつれ視界も良くなり、途中富士山や周囲の山々も見渡せるポイントがいくつか見られます。

が、もう暫くは我慢の道が続きます。

急登が少し緩んだ所でいい感じの木道が現れます。

この時期は草木も生えておらず寂しい感じですが、春以降は緑の美しい登山道になるのでしょうね。

おや?木々の間からは富士山も見えてきましたね!

もうすぐ山頂が近いのでしょうか?

そして案の定、山頂間近の登山道には雪が積もっていました。

とは言ってもアイゼンやスノーシューズが必要なほどではありません。

しかし、前日に雪が降ったり降雪量によっては登山靴も考えなくてはならないのが丹沢エリアの山々です。

鍋割山山頂の景色

急登、木道を登り終えると目の前に鍋割山荘が見えてきます。

いわゆる、ここが鍋割山山頂です!

11時を過ぎたくらいに到着し、ちょうどいい時間に到着できて何よりでした。

さて、速攻鍋焼きうどんを注文するのもいいですが、まず先に鍋割山山頂からの景色を紹介しましょう。

鍋割山の展望は南西方向が特に素晴らしく、西に富士山南に相模湾の絶景を眺める事ができます。

まずは西の富士山。

木々で少し遮られますが、正面中央に真っ白な姿を見せてくれます。

少し左に視線を向けると、大室山と山梨との県境の山々が見えます。

更にその後ろにはまだまだ雪を被った南アルプスの山々も薄っすら見えますね。

一番の展望はやはり南に広がる相模湾でしょう。

塔ノ岳ほど視界は開けていませんが、こちらからは真鶴岬と奥には伊豆半島までよく眺められます。

手前にはテーブルが置かれているので、鍋焼きうどんや食事を楽しみながら絶景を楽しめます。

この日は平日ですが、鍋焼きうどんを目指して来られた方が多く、皆さんこの素晴らしい景色を眺めながらうどんを食べていました!

標識はありますが、富士山をバックに写すのは難しいです。

鍋割山荘で鍋焼きうどんを注文しよう!

さて、景色を堪能するのもいいですが、せっかく鍋割山へ来たのならぜひ鍋割山名物の鍋焼きうどんを食べましょう!

その鍋焼きうどんが食べららるのは山頂にあるこの鍋割山荘ですが、営業時間に限りがある為、訪れる時はきちんと山行計画を立て、余裕をもって到着する事をおすすめします。

鍋割山荘のホームページもあるのでご参考ください↓

【公式サイト】

nabewari.net

ここで注意していただきたいのは、注文をする際に勝手に山荘の中に入らないようにしましょう。

注文は山荘入口横の丸太の席ら辺に並び、小屋主から注文を聞かれるまでここで待つ事がルールだそうです。

実は過去に何も知らず中に入ってしまい、「注文は全て外で取るから!」と強く怒鳴られた事がありまして…

確かに壁には入れませんと書かれており、初めて来た方には見逃してしまいますね。

しかし、ルールなのできちんと守りましょう。(マスクはいずれ無くなるかも?)

さ~て、待ちに待った鍋焼きうどんがこちらです!

鍋焼きうどんは1個ずつ全て手作りで出されるために少々時間はかかりますが、なかなかのボリューミーで、出された時はぐつぐつと音を立て、まさに出来立てほやほやの鍋焼きうどんです!

具も豊富で、特にキノコ類が多く、味も濃いめで特に寒い日は体の芯まで温まる有難いうどんです。

ちなみにお値段は1杯1500円です。

鍋割山は日帰りでも十分可能な山ですが、地図で見ると意外にハードなルートを通らなければたどり着けない場所なので、ここまで到着するまでに体力を消耗します。

そんな疲れた体にこのうどんは大変有難く、味付けとボリュームもきちんと登山者の事を考えてくれた鍋焼きうどんだと思います。

このうどんはスープも全部飲んだ方がいいと思います。

というよりも、自然にこのような状態になってしまいますね…

ぜひともこの鍋焼きうどんを味わっていただきたい!

これは余談ですが、鍋焼きうどんを食べ終わり暫く景色を楽しんで、さぁ帰ろうか!と思い周りを見渡したら嘘のように誰もおらず、辺りはシーンと静寂に包まれていました…

時間を見たら午後1時頃…ちょうど鍋焼きうどんの販売が終える頃だったので、これはもしや!先ほどまでいた人たちは完全に鍋焼きうどんが目的で来ていたのでは?と思いました。

それはまるで餌の時間に群がる野良猫の如く、食べ終わったら瞬時に散る猫ちゃんのような光景だった…

まぁ私もその野良猫の一人なんだけどね(^^;

鍋割山のアクセス(寄の駐車場)、駐車場

アクセス

 

東名高速道路、大井松田ICから国道255号を北上し、寄入口の信号を左折。そこから約10分でみやま運動場に到着します。

電車の場合は、小田急線「新松田駅」、JR御殿場線「松田駅」下車し、小田急線「新松田駅」から富士急行湘南バス「寄」行に乗り、寄で下車。

富士急行湘南バスの情報はこちら↓

http://www.syonan-bus.co.jp/rosen/

駐車場

みやま運動広場の前に無料駐車場有り。

トイレは反対のグランドにあります。

洋式で24時間利用可能です。

最後に

丹沢の鍋割山といえば鍋焼きうどん!と認識されているように、鍋割山荘が提供する鍋焼きうどんは歴史が長く、訪れる方のほとんどが注文する一品なので、長年愛されている名物である事が分かると思います。

恐らく初めて鍋割山を訪れた方も、食べてみたくなるような魔法の鍋焼きうどんです。

鍋割山荘の鍋焼きうどんは営業日と提供時間に限りがあるので、鍋焼きうどんを食べたいと思う方は入念に山行計画を立て、時間に余裕を持って鍋割山を登るようにしましょう。

また、鍋焼きうどんだけでなく、鍋割山山頂から展望も素晴らしいので、訪れる際には展望も同時に楽しんでいただければ良いと思います。