4月中旬のある日、午前は群馬県の東吾妻にある岩櫃山登山と周辺の観光を楽しみ、更に温泉で癒された後は高崎市にある洞窟観音を見学しようと、拝観時間ギリギリに到着しましたが、なんと!早めに終えた為か拝観する事が出来ませんでした。
予想外の出来ごとに途方に暮れ、近くに何か面白そうなスポットはないのか…と探していたところ、すぐ隣に観音公園ケルナー広場という、摩訶不思議な遊具が点在する公園を発見しました。
見るからに怪しい~、というかカオス!なスポットに好奇心が湧き、急きょケルナー広場を見学する事になりました。
だがしかし、ここケルナー広場は子供向けの遊具が点在する公園であり、果たして昭和末期生まれの一人の男がこんな所で遊んでいいのか?と思い、しかも天気の良い夕方なので親子連れで遊んでいる方も、ちらほらいた為に益々入りづらい状況だったので、入るか否かと真剣に迷いました。
けれども、せっかく訪れた事だし、ここで引き返すのも何だか勿体ないな~と思い、意を決して子供たちが遊ぶ中に、4月なのに半袖、車中泊の影響でろくに髭も剃れてない髭面、首にカメラをぶら下げた見るからに怪しい雰囲気を醸し出す一人の男が、ひょっとしたら通報されるかもしれないというリスクを背負いながら、子供たちが遊ぶ公園に全力で潜入、全力で摩訶不思議な遊具で遊び撮影しましたので、是非とも広場の様子をご覧下さい!
ケルナー広場のアクセス、情報
アクセス
車の場合は高崎ICより車で約20分(第一駐車場約50台、第二駐車場約200台)
電車の場合は市内循環バス「ぐるりん」を利用
公園内の駐車場にバス停があるのでそこで下車
基本情報
開園時間:午前9時~午後5時
入園料:無料(プールのみ小学生以上100円、小学生以下無料)
公園ですが、開園時間を設けているので注意が必要です。
詳しくは高崎市のホームページをご覧ください(バスの情報も載ってます)↓
ケルナー広場とは?
ケルナー広場とは、群馬県高崎市にある観音山公園の一部として開かれた広場です。
元々この場所には昭和37年にフェアリーランドという遊園地が開園され、平成15年に閉園となり、その後市が施設等の撤去を実施した際に、この地の豊かな自然を利用する事で、自然あふれる憩いの公園を作られたそうです。
そして平成28年には現在の位置に斬新なデザインの遊具が点在するケルナー広場が開かれました。
これらの遊具はドイツの遊具製作会社ケルナースティック社のもので、広場の名前はドイツの遊具デザイナー、ハンス・ゲオルク・ケルナーさんから取ったとされています。
まるで美術館に展示された芸術品のような斬新でユニークな遊具は、どれも日本の公園にある遊具とは大違いで、デザイナーのケルナーさんはこれらの複雑な遊具を、子供たち自らどうやって遊ぶのかを考えさせるという、一見厳しいように見えますが、危険なものや予測困難な場面に遭遇した時、人を頼るのではなく自分一人で考えて行動し、自ら危険回避や身体能力、体力を向上させる事を目的として作られたそうです。
このケルナー広場は上段と下段にそれぞれユニークな遊具が置かれ、平成30年には幼児用の遊具を新たに設置するために広場を更に拡張し、益々子供たちが楽しめる広場へと生まれ変わりました。
ケルナー広場下段
駐車場からケルナー広場へ向かう途中にはエントランス広場があります。
ここはステージのような造りになっていて、ライブでも出来そうな雰囲気の広場でした。
そして、エントランス広場を越え、階段の先には…
お~!
何やら奇妙な形をした遊具が見えてきましたね。
子供たちが見たら「何だあれ!」って叫びながら走りだすかも知れません。
奇妙な遊具にすぐさま私も飛びつこうとしましたが、その前に
階段を登ったすぐ横に絵本コーナーが設けてありました。
本は地面に置くという大胆なコーナーでしたが、
私が訪れた時は子供に絵本を読ませる親御さんがいました。
この公園では当り前なのでしょうか?
さて、まずは下段の遊具を見てみましょう。
全体を見渡すと、本当に遊具なのか見た目では分かりませんね。
これは…
恐らくシーソーですね。
筒状で外の様子が分からないので、意外に怖いかもしれません。
謎のブランコ
真ん中にロープがあるので、二人用のブランコでしょうか?
お互いの息を合わせなければうまく漕げなさそう。
一人で漕げば股間にロープが当たりそうですね…
日本の遊具みたいにここから登って下さい的な指示はなく、本当にどうやって登ったり遊んだりするのかがよく分からない遊具たちです。
しかも、足場が悪く、油断すると落っこちそうな複雑な造りになっています。
これは確かに、よく考えて遊ばなければなりません。
ここに登るのも一苦労…
土管の滑り台
近づくと意外に角度があり、実際に滑ったら怖いんじゃないかと思うほどインパクトがあります!
上段に上がったらやってみよう!
ボルタリング?
表面がつるつるしていて危ない
これは親が付いていないと危ないんじゃないかと…
トイレは下段にありましたが、やはりトイレもご覧の通りユニークなデザインとなっています。
まぁトイレは普通っていうのもこの場合おかしいですからねぇ…
その他諸々、これが正しい遊び方という概念は無く、
さて、どうやって遊ぼうかと考えさせられる遊具たちのオンパレードです。
こうやって見ると、遊具で遊ぶというよりも、芸術品を鑑賞しているように思えますね。
ケルナー広場にはこのような看板が至る所に立てられています。
余談ですが、ドイツの教育は厳しく、6歳から4年間の義務教育を受けた後10歳で将来の進路を決めなければならない岐路に立たされ、
しかも、成績が悪いと容赦なく留年やランクの低い学校へ落とされるなど、幼いころから実力主義という厳しい現実に直面します。
つまり、幼い頃からいかに個人の能力を鍛え、自分に合った進路をいち早く見つけ出す事が重要となります。
ケルナー広場にあるこれらの遊具は、たとえ遊びだとしても看板に書いてある通り、子供たちが自分自身で考え行動し、自分の能力と向き合う事で自ら成長させる事を目的とする、ドイツの教育精神が込められているように思えますね。
ケルナー広場上段
あまりに楽しく我を忘れ、親御さんたちの目も気にならないほど夢中になり(気にしろよ!)
いよいよ上段コーナーにやって参りました。
このエリアは下段より若干遊具が少ないものの、依然カオスな雰囲気を醸し出す遊具たちが待ち構えています。
このエリアは青が目立ちますね~
真ん中に聳える青の要塞
側面が複雑すぎて中を見る事が出来ません。
別の角度から
滑り台が付いているので、下から登っていくそうですが、中はどうなっているのでしょうか?
下から覗くとこんな感じ
案の定、中も上まで登るのに、頭を使わないと一筋縄ではいかない、複雑な構造になっています。
というか、これは危険度が高いような気もしますが…
奥には、これまたユニークな建物があります。
正面から見ると斜めっていますが…大丈夫でしょうか?
中はなんと、子供向けの絵本や本が並べてありました。
体と頭を使って遊んだ後はゆっくり休んで読書をしましょうという事でしょうか?
それにしても、ここまで子供たちのために徹底された公園はなかなかありませんね。
下段から眺めた滑り台の入口にやってきました。
という訳で、宣言通り実際に滑ってみましょう!
中はこんな感じ
というか何か怖い!
角度が急で圧迫感もあり、奥に見える光がこれから異世界に転送されるのではないかという恐怖心が湧いてきます(それはそれでラッキー!)
恐らく20年ぶりくらいの滑り台
昭和、平成、令和を最年少で跨ぐ男なりりん、行ってきま~す!
思った以上に速度が出て、まるでリュージュのように勢いよくゴールしたと思います。
というか、お尻が痛かったです…
滑り台ってこんなに速かったのかな~なんて思い、単純に体重が重いからあんな加速したんだなと、勝手に分析しました。
それにしても、髭面のおっさんが超スピードで土管から出てきたところを子供が見たらビックリして逃げ出すかもしれませんね~(いなくてよかった)
滑り台を楽しんだ後は再び上段に戻りました。
私がケルナー広場の中で最も悩んだラスボス遊具、それは…宙に浮かぶ青のズボン!
むむ~…
のび太くんが履いていそうなこのズボンは一体全体どうやって遊ぶんでしょうね?
ズボン脱がし鬼ごっこのエスケープゾーンなのか…
それとも、うっかりズボンをはき忘れて外を歩いてしまった人用の隠れ場所なのか…
真剣にこのズボンを眺めながら色々考えましたが、
結局、答えは分かりませんでした…
さぁ、想像力豊かな子供たちよ~
君たちはどのようにこのズボンと遊ぶのか考えたまえ~!
と、ケルナーさんは子供たちを試しているのでしょうか?
新エリア、幼児遊具コーナー
上段、下段の広場を楽しんだ後は、平成30年に完成した幼児向け遊具に行ってみましょう。
このエリアの遊具も子供たちの五感を刺激させ、考えて遊ばせるために作られたそうですが、ケルナーさん曰くこの場所が以前遊園地であった事を写真で知り、昔あったものを忘れないよう敬意を表すために遊園地の面影を残るような遊具を作ったとの事です。
まさに、温故知新の精神が込められた新たな遊具ですね。
見慣れないデザインの遊具に戸惑うお子さんもいると思いますが、これらも幼い子供たちの好奇心を刺激し、考えながら遊ばせる為に作られたのでしょう。
遊園地の面影が残る遊具を作りたいという、ケルナーさんの思いが込められたアトラクション形の遊具たち
レールを伝って動く乗り物が何ヶ所かあります。
子供にとってこれらの遊具はとても楽しめるのではないでしょうか?
さすがに重量級の私が乗ったら一発で壊しかねないので、ここは眺めるだけにしましょう(ガマン、ガマン)
こんなコーナーもありました。
五感を刺激させるとの事で、様々な鈴やベルの音を聴き比べてみよう的なコーナーでしょうか?
鳴らして遊んでいたら、一人の少年がジーっと口を開けながら私を見ていたので、すぐに撤退しました!(ゴメンなー)
徒歩20分、白衣大観音(慈眼院)へ行ってみよう
公園の案内によると、ここケルナー広場から白衣大観音(慈眼院)までは徒歩20分と書かれていたので、行ってみたいと思います。(正面奥に観音様が見えます)
大きな芝生広場を横切り、階段を登った先に白衣大観音はあるそうです。
階段を登りきると、慈眼院前のお土産屋さんが見えてきます。
ん?
何か、ここらのお土産屋さん、やけに派手な色をしていませんか?
まさか、ここもケルナーさんがデザインしたんじゃないよね?
派手なお土産屋さんを通り過ぎると慈眼院の本堂に到着します。
そして、後ろには高さ41.8mの建設当時は東洋一の高さを誇る白衣大観音が建てられています。
真っ白な白衣を身に付け慈悲深い表情の姿は、人々を見守る観音様として親しまれているそうです。
ここの観音様の見どころは胎内拝観という、観音様の内部に入る事ができ、中には様々な仏像が安置され、階段を登りながら見学する仕組みになっています。
また、最上階(観音様の肩の部分)からは高崎市街や群馬の名山が一望できる大パノラマを楽しむ事が可能です。(途中からも見えますが、最上階がベストです)
詳しくは公式サイトをご覧ください
【公式サイト】
まとめ
ケルナー広場は、以前遊園地だった場所を子供たちが再び楽しめる遊び場になるように、ドイツの遊具デザイナー、ケルナー氏によって作られた広場です。
ユニークなデザインが特徴のケルナー氏の遊具は日本の遊具と違い、考えながら遊ばなくてはならないという新しい発想や文化の違いなど、子供たちに貴重な体験を与えてくれる事が、恥ずかしながら実際に遊んでみて分かりました。
その他、遊具以外にも絵本や本が置かれ、体を動かすと同時に読書をさせる事で思考力や教養力を養う仕組みになっています。
このように、ケルナー広場は子供たちの個の能力を上げる為に作られた公園の一部ですが、広場の周辺は自然豊かな観音山丘陵が広がり、子供からお年寄りまでの多くの人が自然と触れ合い、四季折々の自然を楽しみながら交流する事の出来る日本人らしい発想の公園と共に在る、まさに和洋折衷を感じさせる公園でした。
近くには白衣大観音や洞窟観音など、周辺は見どころのスポットが多数あるので、合わせて行かれるのもおすすめです。
ぜひ、奇妙奇天烈な遊具が立ち並ぶケルナー広場に足を運んでみてはいかがでしょうか。