素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

【登山】南牧村のシンボル的存在な四ツ又山・鹿岳の縦走及び景色を紹介!

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前日は岩櫃山登山と急きょ訪れた珍スポットのケルナー広場を楽しみ、翌日は私のお気に入りの村である群馬県南牧村を訪ねました。

南牧村には毎年桜が満開の時や新緑の美しい時期に訪れる事が多く、登山がてら近くの観光スポットを楽しんでいます。

連休がなかなか取れず日帰り登山が主流で、比較的スリリングな山を好む私にとって、この南牧村とその周辺の山はまさに、理想の山域だと思われます。

というのも、南牧村を含む西上州の山は標高が低く、歩行時間がそれほどかからず、更に奇峰が連なる山域から岩場や鎖場の箇所も多いので、毎年のようにこのエリアの山を登りに行きます。

さて、今回の登山は南牧村のシンボルでもある王冠のような形の四ツ又山と、巨大な二つの岩が寄り添うように聳える鹿岳の二座を縦走しました。

それぞれ独特な山容から、いかにも西上州の山というようなオーラを放つ山ですが、難易度はそこまで高くないので楽しみながら登れる山です。

それでは今回も登山道の様子と山頂からの景色、更に南牧村のおすすめスポットも合わせた紹介したいと思います。

四ツ又山、鹿岳のアクセス、駐車場

アクセス

 

上信越自動車道下仁田ICより車で約30分

電車の場合は上信電鉄下仁田駅よりタクシーを利用

上の地図は四ツ又山・鹿岳登山口の駐車場を示しています。

駐車場

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駐車場というより資材置き場となっています。

看板によると、自由に停めて良いですが、落石等の自然災害の責任は負いませんとの事です。

登山コース

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四ツ又山・鹿岳登山口から天狗岳、四ツ又山、マメガタ峠を通り、鹿岳の一ノ岳、二ノ岳を登り、帰りは鹿岳のコルから鹿岳登山口まで下り、集落を通って再び四ツ又山・鹿岳登山口まで戻る周回コース

休息も含めれば5時間以上はかかります。

登山口~天狗峠

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駐車場の目の前に登山口がありますが…

木で作られた不気味なキャラクターがお出迎えしています!

これを見ると甲斐駒ケ岳の黒戸尾根登山口にあるあの子を思い出しますね~

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出だしはこれと言った危険箇所は特にありません。

急登でも緩い登りでもない、地味な登山道が続くだけです。

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途中、西上州ではおなじみのミツバツツジが咲いています。

この時期の西上州(4月)は登山道のあちこちにミツバツツジが咲き誇っているので、登山がてらミツバツツジの観察を楽しむ事が出来ます。

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ふと見上げると鹿岳が見えました。

四ツ又山を経由するので、あのてっぺんに到着するのにまだまだ時間がかかります。

しかし、どこから見てもインパクトのある岩山です。

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天狗峠へ続く最後の登りにやってきました。

ジグザグの登山道は若干急に感じますが、距離が短いのですんなり登れます。

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そして、天狗峠に到着しました。

ここは四ツ又山方面と小沢方面の分岐点で、右の小沢方面に向かうと国道45号に到着するそうです。

天狗峠~四ツ又山P1

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さて、私はもちろんドロップアウトするつもりはありませんので、さっそく四ツ又山方面へ向かおうと思います。

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途中、大天狗と書かれた石碑と天狗の石像が置かれていました。

やはりこの山も山岳信仰の影響を受けた山なのでしょうか?

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展望の無い地味な道がしばらく続きますが、所々ミツバツツジやアカヤシオが咲き誇り、休憩がてら楽しむ事が出来ます。

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天狗峠から30分くらいでP1分岐点に到着します。

四ツ又山は名前の通り、四つの山頂がある事からそのような名前になったと思われます。

また、P1のPも他の山で用いられていますが、恐らくこれはピークを意味していると思います。

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それでは最初のピークであるP1へ向かいましょう。

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分岐点から5分くらいでP1に到着します。

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ここからは穏やかな山に囲まれた下仁田町を見下ろす事が出来ます。

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反対側は白雲山と金洞山の表妙義全体を見る事ができます。

よくあんな所に人が登るんだなぁと、いつも妙義山を見ながら感じます。

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浅間山も見えました。

昨日岩櫃山から見た形とは若干違いますが、一目でその美しい姿を確認する事が出来ます。

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まだまだ遠い鹿岳もよく見えます。

山頂付近にはアカヤシオもたくさん咲いているので、このように山とコラボで写真を撮る事も出来ます。

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各ピークにはこのような石像が置かれています。

一見仏像に見えますが、よく見るとどうやら仏像ではなく神像でしょうか?

また、剣を持っているので不動明王とも考えたのですが、やはり違いますね。

四ツ又山P1~四ツ又山P4

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P1から先はP2~P4と続き、距離も短いのですぐに到着します。

展望は360度ではありませんが、P1とほぼ同じ光景が見られます。

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P2には烏天狗のような石像が安置されています。

隣にも石像が置かれていますが、不動明王でしょうか?

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隣には巳待塔という弁財天を表す凡字が置かれています。

巳は十二支の蛇を示すので、文字が蛇のように見えると思います。

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奥には神像が安置されています。

先ほどとは違い、剣ではなく笏をもっているのが特徴です。

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続いてP3

P2から2、3分でP3に到着します。

ここにも石像が安置され、先ほどの石像よりも怖い顔をしています。

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他に石像は無く、奥に祠が設置されているだけでした。

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P1から歩いてきましたが、ピークからピークまでの距離は短く、景色もさほど変わりません。

違うものと言えばピークごとに違う石像が祀られている事だけだと思います。

ピークごとに違う石像が祀られている事から、それぞれのピークに何か意味が込められているかもしれませんね。

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P4から妙義山方面を望む

今まで景色を見てきましたが、P1~P4の景色がほとんど変わらないのが四ツ又山の特徴ですね。

四ツ又山P4~鹿岳二ノ岳

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さて、最後のピークであるP4までたどり着き、ここからは鹿岳へ向けての出発となりますが、地図を見ると急なロープ場が続くと書かれており、しかも距離が短いのにマメダカ峠まで1時間もかかるそうです。

つまり、一筋縄ではいかない辛い下りが待ち構えている事を意味します。

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案の定、写真ではあまり伝わらないと思いますが、永遠に下りが続き、しかも思った以上に足場の悪い急な道になっているので、思うように進む事が出来ません。

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そして、やっとの思いでマメダカ峠に到着です。

ここはスタートの登山口からダイレクトに来られます。

ちなみに四ツ又山を経由すると、プラス1時間半かかり、今まさにそのルートでここまでやってきました。

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ここから先はようやく登りに差し掛かります。

先ほどの急な下りに比べ、登りの方が断然楽に感じます。(登山あるある)

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ようやく鹿岳に近づいてきた感が湧いてきました。

先ほどの下りからはまだまだ遠いと思っていましたが、ここまで来ればもうひと踏ん張りです。

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一ノ岳直下に到着です。

見上げると超巨大な岩石であることが分かります。

こんな凄い岩山を登るのか!と思いますが、鹿岳はそこまで難易度は高くないので、安心して登れます。

ここからはしばらく岩場やロープ場が続きますが、楽しめる程度の難易度なので、サクッと行きましょう。

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岩場を抜けると鹿岳のコルに到着します。

ここは一ノ岳、二ノ岳と鹿岳登山口へ向かう分岐点となっています。

先にスリルを感じる二ノ岳へ向かいましょう。

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しばらく進むと、二ノ岳鎖場直前に何やら怪しい手作り感満載のハシゴが登場します。

右が崖になっているので、慎重に登りましょう。

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ハシゴを登るといよいよ鎖場の登場です。

岩が段になっているので、そこまで苦労する事はないと思います。

が、左側が崖なので油断は禁物です。

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登り終わって頂上かと思えば、もう少し歩くみたいです。

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途中、振り向くと目の前に一ノ岳がでっかく聳えています。

まるで海坊主のような形ですね。

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そして遂に二ノ岳に到着です。

360度の大パノラマではありませんが、西上州の個性溢れる山の姿を確認する事が出来ます。

地図によると、ここから南に3分ほどで断崖絶壁のビューポイントがあると書かれていましたが、うっかり見逃してしまいました…

また登る機会があれば、そちらに行ってみたいと思います。

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四ツ又山から見えなかった山々を見渡す事が出来ます。

ちなみに右奥にある恐ろしいほど真っ平らな山は荒船山です。

まさに、日本が誇るテーブルマウンテンですね。

その他は四ツ又山から見える山ばかりなので割愛します。

鹿岳二ノ岳~鹿岳一ノ岳

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二ノ岳から再び鹿岳のコルに戻ってきました。

ここから海坊主の一ノ岳に登りましょう。

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特に鎖場はありませんが、頂上まで急な岩場や登りが続く道になっています。

三点をしっかり確保しながら慎重に登る事をおすすめします。

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コルから10分くらいで山頂に到着します。

山頂には巨大な岩があり、その上には摩利支天と書かれた墓石のような石碑が置かれています。

ここからは南牧村の集落や山々を一望できますが、断崖絶壁となっているので、眺める際には注意が必要です。

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ギリギリまで近づくとこんな感じです。

落ちたらかなり危なそうな絶壁です…

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遮るものが一切ないので、展望はご覧の通り山に囲まれた南牧村を見渡す事が出来ます。

まさに、秘境の村という感じですね。

いつまでも見続けていたい気持ちになります。

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先ほど登った二ノ岳が見えます。

一ノ岳よりあちらの方が複雑な形になっています。

本当は左端の断崖絶壁まで行けるそうですが、見るだけでも怖そうですね…

鹿岳一ノ岳~鹿岳登山口

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さて、一ノ岳、二ノ岳を登り終え、再びコルへ戻りました。

いよいよ終盤、鹿岳登山口へ行きましょう。

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鹿岳のコルを今度は下ります。

スタートからいきなり鎖場が現れるので、慎重に下りましょう。

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登山口までひたすら下る道になっています。

バリエーションルートではなく、しっかりとした登山道なので、特に危険箇所はありませんが、同じような道なので途中で飽きてしまいます。

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コルから50分くらいで鹿岳登山口に到着します。

長い山行でした。

鹿岳登山口~四ツ又山・鹿岳登山口

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スタートの登山口までは集落の間を通ります。

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南牧村の伝統ある風景や自然を楽しみながら歩く事ができます。

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ちょうど桜が見頃の時に訪れた為に、集落の間にはいくつもの桜が満開でした。

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南牧村は石垣の積まれた集落が特徴なので、至る所に石垣が積まれた光景を眺める事が出来ます。

桜や花と石垣が見事にコラボするその光景は、まさに日本の原風景を思い起こし、見ているだけで心が和みます。

南牧村のおすすめ日帰り温泉施設「星尾温泉」

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南牧村最奥の集落である星尾集落にはかつて温泉施設があり、昨年(平成30年)に日帰り温泉私設「星尾温泉」としてオープンし、見事に復活を成し遂げたそうです。

この星尾温泉は自然との調和にこだわりがある為に浴槽から壁まで全て木で作られ、まるで自然の中で温泉に入っているように感じ大変癒されます。

温泉の他、地元の食材による軽食レストランや多目的ギャラリーが設置され、来場者との交流が積極的に行われています。

南牧村を登山や観光で訪れた際にはぜひ、立ち寄ってみて下さい。

ちなみに、星尾温泉はテレビ朝日の「ナニコレ珍百景」にも登場しました。

【公式サイト】

hoshio-onsen.nanmokushoko.com

西上州のおすすめ登山、景勝地、伝統行事

南牧村を含む西上州は低山が連なる山岳地帯で、初心者から上級者までが楽しめる魅力のある山が多数あります。

私がおすすめする山や景勝地、伝統行事をぜひご覧下さい。

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伝統行事

www.narisuba.com

最後に

四ツ又山、鹿岳は南牧村を代表する山であり、独特な山姿から一目で分かる山になっています。

隣接する山なので合わせて登る事をおすすめしますが、地図によると歩行時間が意外に長く、短い距離ながら時間を有する山行となるので、登られる際には時間に余裕を持った方が無難かと思います。

また、登山口周辺には日本の原風景を感じるのどかな南牧村の集落があり、登山がてら見学されるのもおすすめです。

ぜひ、四ツ又山と鹿岳を登ってみてはいかがでしょうか。