梅雨明け間近の七月末、二連休をいただき四国へ旅に出かけました。
四国には毎年石鎚山を登るためだけに訪れていましたが、今回はまだ梅雨が明けていなかったので、観光をメインにしようと計画し、ドライブがてら四国を楽しみました。
そんな中、以前から、おっ!これはなかなかおもしろそうだ!と思っていたスポットがあったので、剣山を登った後、目的のスポットへ向かいました。
向かった先は…「歯ART美術館」という美術館です。
会話だけだど、ハート美術館?みたいに聞こえますが、果たしてそれはどんな美術館なのか…歯とアートで一体どんな展示が待ち構えているのか?
早速紹介したいと思います。
歯ART美術館のアクセス、詳細
高松自動車道、さぬき三木ICから約25分
高松自動車道、高松東ICから約30分
琴電八栗駅からタクシーで約15分
※美術館までの公共交通機関は無いとの事です。
【公式サイト】
歯ART美術館とは?
歯ART美術館とはその名の通り、歯のアートを表し、歯とアートがコラボした異色の美術館です。
設立はなんと、和田精密歯研株式会社という歯科技工の会社によって開かれ、私たちが普段何気なく食べる時に使われる歯に関する事を知ってほしい、歯に対して感謝してほしいという思いで設立されたそうです。
館内には歯に関する展示だけでなく、期間限定の展示コーナーや世界の仮面、クラシックカメラなどが展示され、更に海を眺めながらゆっくりできるカフェも営業されており、最後まで楽しめる美術館になっています。
入館前からぶっ飛んだオブジェがお出迎え
国道36号沿いを車で走っていると、何やら派手な入口が現れます。
どうやらここが入口のようなので入りましょう。


車を停め車から降りるとそこには不思議なオブジェがお出迎え!
歯に関する美術館なので、歯を強調した作品が多めですが…
中には…?な、ちょっと不思議なコーナーもあります。
このトイレは何でしょう?


中は特に日本一を感じるようなトイレではなかった…
何に対して日本一なのでしょうか?
気になるところですね。
さて、外の作品はこれくらいにしておいて、美術館に入りましょう。
ゲートもご覧の通りおしゃれな造りになっています。
その隣にはこんなベンチが…
座ると幸せになるそうです。
きっと目の前に広がる志度湾が綺麗に眺められるのでしょう。
しかし、座った瞬間お尻を触られた事になります!


階段を下る途中にも何やら怪しい人形がちらほら確認できます…
これも凄いですね!
まるで「ア゛ーー!」と叫んでいるように見えますが、これも作品の一つだそうです。
目や鼻が描かれていなく、歯だけ妙にリアルに表現されていますね!
まさにこの美術館に持ってこいな作品です。
さて、これより館内に入ります。
ここまででも色々楽しめたので、中はきっともっと楽しめるに違いないと期待が膨らみます。
企画展、カフェ、インプラント治療のご案内…
これだけ見ると、一体ここはどんな施設なんだ?と頭を悩ますと思いますが…
まぁつべこべ言わず、中に入りましょう!
4階、企画展示とカフェ
先ほどの写真で見ると1階だけに思えますが、実はこの階は4階で、下に下る形になっています。
ここ4階は受付とカフェ、お土産コーナーと奥には期間限定の企画展が開かれています。
ふと受付の上を見ると、おっ!歯の形をした時計が掛けられています。
個人的にはこの時計が欲しくてお土産として売ってほしいと思いました。


受付の前の棚にはズラリと歯に関する商品が置かれています。
これだけ見ると、ここは歯医者なんじゃないか?と思われますね。
しかも実際に売られている…
ちなみに、ここでのおすすめお土産はこれ!
歯ART美術館オリジナルの瓦せんべいです。
大と小の二種類あり、大は324円、小は108円とお買い得です。
見た目は普通の瓦せんべいですが物凄く硬く、歯の健康や歯を鍛えるために作られた、まさにこの美術館らしいお土産です。
香川県産の白下糖が使用され、素朴な甘さが特徴でした。
大は写真の通りかなり大きく、歯の妖精エミーとシーサーの二種類から選ぶことが出来ます。記念に買ってみてはいかがでしょうか?
さて、奥の部屋には期間限定の企画展が開かれています。
私が訪れた時はスプレーアートが展示されていました。
スーツケースにも描かれています!
地味なスーツケースが一気にオシャレなスーツケースに変身です。
このフロアーにはおしゃれで綺麗なカフェもあります。


目の前が海なので、フロアー全体が明るく、美しい志度湾を眺めながらゆっくりと落ち着きながらコーヒーを頂くことが出来ます。
本当にいいカフェでした!
ちなみに景色はこんな感じ
穏やかな海と島々を眺めることが出来ます。
志度湾は牡蠣の養殖が盛んなので、奥に見えるのは牡蠣の養殖でしょうか?
砂浜も綺麗でした。
ふと、下を眺めると…
あれ?ハートが描かれている!
やはり歯ARTとはいえ、ハートも意識しているのでしょうか?
これからも愛情の込められた美術館であり続けることを願うばかりですね。
3階、クラシックカメラと世界の仮面
さて、これから3階に向かいましょう!
移動は全てエレベータを使用との事です。
3階に到着です。
エレベータのすぐ隣に部屋があるので入ってみましたが…
何か一瞬、社長室のように見えましたが気のせいでしょうか?
奥から社長が出てきそうな部屋になっています。


ここには仏像や世界の土器類などが展示されています。


廊下にも様々な展示物があり、不思議な人形や仮面が飾られています。
それにしても、これらの物は全て現地で手に入れたのでしょうか?
さーて、お隣にも部屋があるので入りましょう!
この部屋はクラシックカメラと仮面が展示されている部屋でありますが…
入ってすぐにこのような大きな歯が置かれています。
虫歯と健康の歯を比較した巨大な模型で、よく見ると凄いリアルに作られていますね。


虫歯の方はちょっとグロいです…
歯にこびりついた歯石が妙にリアルで不健康な歯である事がよく分かります。
それにしても何故ここに置かれているのでしょう?
2階の歯のコーナーに置ききれなかったからでしょうか?
まぁいずれにせよ、ここは歯のアートですから特に気にする事ではないですね。


さて、歯の模型の後ろにはこれまた凄いコーナーが!
そこにはなんと、約300台ものクラシックカメラが年代別に展示されています!
カメラには一つ一つに製造年やスペックが書かれていて、これはカメラ好きにはたまらないコーナーです!
ここにあるカメラで一番古いのはこれです。
箱型のカメラみたいですが、どのように撮影するのでしょうか?
私はミラーレスを使っていますが、あまりカメラには詳しくないのです…


カメラの隣には世界の仮面コーナーがあります。
この仮面はこの美術館の創建者である和田弘毅が歯科技工の歯の研究の為に集めた仮面だそうです。
それにしても、研究の為とは言え、かなりの数の仮面を集めたものですね。


日本からアジア、アフリカの仮面まで様々な表情の仮面が展示されています。
仮面とはいえ、やはり輪郭や歯の構造はその人種によって違いがあるのでしょうか?
仮面は魔除けや宗教的な意味合いから顔を隠す為に用いられるなど様々な用途がありますが、まさか歯の研究の為に使われるなんて思いもよらないでしょうね。
しかし、これだけの仮面を収集するなんて、最早コレクションと言うか趣味で集めているようにも感じます。
廊下にも仮面や世界中で集めたのであろうコレクションが並んでいます。
おそらく創建者は海外旅行が好きな方なんでしょうね。
2階、歯に関する展示室
さて、いよいよここからは歯に関する展示室になります。
入口には大きな歯がお出迎え。


歯のアートとは言え、この歯に関する展示は特にアートではなく、インプラントや入れ歯の歴史、入れ歯のサンプルなど、かなり専門的な説明がされています。
特に入れ歯の歴史コーナーでは見たことのない貴重な資料が多数展示されているので、見どころ満載です!
また、ここでは音声ガイドが備えられ、各展示ごとに音声で詳しく説明を受けることが出来ます。より詳しく知りたい方は音声ガイドを利用しましょう。
向かって左側はインプラントコーナー
インプラントに関する歴史や使用される道具類など、詳しく説明されています。
手術の方法やこれからのインプラント治療についても書かれていました。
日本最古の入れ歯は室町時代に作られたのですね!
実際に使われていたらしく、現在の入れ歯と大して変わらないところが凄いです!
なんと!江戸時代には虫歯が原因で切腹する人もいたんだとか…
まぁ現在は虫歯になっても歯医者に行けばすぐ治る時代ですが、この時代はそうはいかないですね…しかも虫歯ってほっとけばほっとくほど、どんどん悪化しますもんね…
やはり行きつく先は尋常じゃない痛みに苦しむ事なんでしょうか?
いつの時代でも歯のケアが重要ですね。
入れ歯のサンプルがズラリと並んでいます。
綺麗なケースに展示されているせいか…パッと見、ネックレスとか指輪のコーナー?みたいに感じますが、よーく見ると、い、入れ歯ですねってなります…
そして、この美術館の最大の見どころと言っても過言ではないアートをご紹介しましょう…
これだーーーー!
全国から研究のために集めた5000個の使用済みの入れ歯たち!
これぞまさに、歯のアートって感じですね!
実はこれを見たくてこの美術館に訪れたんですよ!
どう?胸がキュンキュンするような光景でしょ?
1個約7万円なので、合計3億5000万円!だそうです!
凄いですね~、私の目の前に3億円ですよ!
入れ歯の集合体が3億円って…絶対に想像できないでしょうね。
近くで見ると、実際に使用されていたという生々しさが感じ取れます。
完全滅菌済と書かれていますが、本当に匂いはしないんでしょうか?
個人的には匂いも気になるところです。
裏から見るとこんな感じ
アクリルのケースにしかも立体的に飾られているので、入れ歯が宙に浮いているように見えます。
しかし、改めて眺めると強烈なインパクトを感じますね!
生き物の集合体にも見えますが…
入れ歯供養…
どうやらこれらの入れ歯はただの研究材料だけでなく、たとえ入れ歯でも健康的に食事が出来ることへの感謝の気持ちを忘れないために展示されているように感じます。
最後に
歯とアートのコラボ美術館、いかがでしょうか?
歯科技工の会社が開いた美術館という事で、展示品は入れ歯やインプラント関係がメインとなっていますが、世界の仮面やカメラなど歯以外のコレクションも展示されるなど様々な工夫がされています。また、外には歯に関するアートが多数展示され、最後まで飽きない美術館になっています。
歯に関するコーナーは詳しく説明され、食べるためには健康な歯が必要であり、普段何気なく美味しいものが食べられるのも、歯のおかげである事を改めて感じる事の出来る展示でした。
美術館は瀬戸内海に面した場所に位置するので、眺めも良く、中にはカフェもオープンされ、気軽に楽しく見学できる施設になっています。
ぜひ、歯とアートがコラボした異色の世界である、歯ART美術館に訪れてみてはいかがでしょうか。