暑さ寒さも彼岸までという言葉通り、3月のよく晴れたこの日の伊豆は半袖でも問題ないくらい暑さを感じ、冬でも暖かい伊豆を沼津から海岸沿いをぐるりと1周する旅に出かけました。
伊豆は何度も訪れましたが、いつか伊豆半島を1周しようと心に決めていて、まだ高山を登る時期でないこの時期がベストだと思い、貴重な2連休を利用して伊豆半島をぐるりドライブしました。
その中で特に気に入ったのが黄金崎で、ここには馬ロックという馬の形にそっくりな岩が見られる海岸です。
今回はこの馬ロックと言う海岸の巨大奇岩の様子や黄金崎の散歩コースを紹介したいと思います。
黄金崎のアクセス
東名高速道路沼津IC又は新東名高速道路長泉沼津ICから車で約90分
夕日スポットの定番!黄金崎とは
夕日スポット激戦区である西伊豆町は、夕日日本一の町と自ら宣言され、その宣言通りどれも甲乙付け難い美しい夕日を堪能できる町です。
そんな中、黄金崎はその名の通り黄金に輝く岬で、その岬は馬ロックと呼ばれる馬そっくりな怪岩を持つ海岸である。
黄金崎という名前は写真を見れば分かりますが、これは海底火山の噴火物が後に高温の温泉水や地熱によって岩に含まれる成分が変化して黄白色に染め上げられ、夕日に照らされる事によって黄金色に輝く事からこのような名前になったそうです。
数ある夕日スポットの中でも馬にそっくりな岩が黄金に輝きを発する事で、注目を浴び、黄金に輝く馬が何と言っても縁起が良く、ユーモア溢れる夕日スポットとして人気を博しています。
また、夕日スポットだけに限らず、馬ロックの奇景とエメラルドの海の絶景が素晴らしく、散歩コースも充実し気軽に立ち寄れるスポットにもなっています。
3ヶ所の海沿いビュースポット
黄金崎には展望台が数ヶ所あり、その中でも海沿いの3ヶ所の展望台は景色が素晴らしく、それぞれ違う絶景を楽しめます。
遊歩道もきちんと整備され歩きやすく、歩行時間もそれほどかからないので安心して見学できます。
写真の通り海沿いの展望台は3ヶ所あり、それぞれ名前の違う展望台になっています。
最初に駐車場から一番近い展望台。
その名も…展望台!
全ての展望台の中で一番名前にひねくれが無い、超ド直球な名前ですね!
まぁカッコいい名前が思いつかなかったのだろうと、勝手に思いながら階段を登るとそこには見事な馬ロックの姿が見えます!
まさに、展望台!の名に恥じない素晴らしい光景を目の当たりにすることができる!
3ヶ所の海沿いの展望台の中でも一番良い光景を楽しめるのが恐らくここです。
と言うのも、黄金崎の紹介の写真も恐らくこの展望台で撮った写真ですね。
偶然とは言え、見れば見るほど馬に見える不思議な岩です。
馬ロックの先には富士山も見えますね!
手前は富士見の丘へ続く遊歩道が続いています。
こうして見ると、けっこうな崖沿いに道が続き、スリルを味わえそうな予感がしますが、いかがなものか?と、思ってしまう光景です。
展望台はこんな感じ
ごく普通の展望台で、目の前に広い海が広がります。
ここから夕日と夕日に染まる黄金の馬の両方が楽しめますね!
夕日の時間になったら混雑しそうです。
反対側は駐車場見えます。
駐車場から一番近い展望台なので、気軽に立ち寄る事ができます。
馬の鼻の部分を拡大すると、海が見事なエメラルドグリーンに輝いています!
奇岩と美しい海が何処かの南の島の光景のように思えます。
まぁ伊豆半島も元は一つの島で、何百万年かけて本州に接続されたからある意味島の光景と言っても過言ではないんですね~
さて、次の展望台は入口から歩いて1分で到着してしまいます。
名前は、サンセットデッキ!でしたね。
サンセットデッキという名前から日の入りポイントという事でしょうか?
ここが一番綺麗な日の入りが見えるのか分かりませんが、先ほどの展望台より馬が近いです!
横から眺める形となり、改めて眺めると目の位置、鼻、顔の長さ、頭と、全てがやはり馬にしか見えません…
ここまでそっくりだと馬が岩に憑依したのではないかと、ちょっとホラーッチックに考えてしまうのは私だけかなぁ~
しつこいようですが、ここからも宝石のように光る海が綺麗です!
思わず下まで降りてみたくなりますね。
サンセットデッキから遊歩道を進んで行くとちょうど馬の背中ら辺にたどり着きます。
馬の頭まで歩けそうですが、道になっていないので絶対に歩かないように!
しかし、登山をやる人間にとってはメチャクチャ歩いてみたいルートですね!
両サイドスパッと切れていますけど…
さて、富士見の丘まであと少し!
一番最初の展望台から眺めた通り、左は崖になっていて、少しスリルを感じますが、しっかりとした階段なので何も心配する事はありません。
そして最後の展望台である富士見の丘に到着。
その名の通り、富士山がよく見える展望台です。
拡大すると分かりますが、正面は恋人岬で、オシャレな建物が確認できます。
その奥には富士山が顔を覗かせていますね。
西を向くと、馬ロックのような奇妙な岩はありませんが、一面青い海と、目を凝らせば焼津市も確認できますね。
何処までも広がる青の世界に暫し時を忘れる…
先ほどの展望台とは違い、この富士見の丘からは黄金崎海水浴場も眺められます。
美しい弧を描くようにこぢんまりとした海水浴場で、綺麗なエメラルドグリーンになっていますね。
見る限り砂浜ではなく、岩がゴロゴロ転がっていそうで、岩場も多そうですね。
周りを見ても山に囲まれ、いかにも隠れた海水浴場というか、秘密の海水浴場という感じです。
黄金神社と石切り場
さて、3つのビュースポットを紹介しましたが、黄金崎は他にも見どころがあり、海岸から少し離れた所に、神社があります。
その名は…黄金神社!
おぉ~!
黄金神社という名前から黄金に輝く神社か?と思いましたが、見た目は神社というか祠が祀られているだけです。


しかも、祠の前には大量の石が置かれていましたが、説明を読んでみると、「小石を社に御供えすると、願い事が叶うとされています」
”試してみて下さい”だそうです…
えっ?由緒は?
試してみて下さいって、やけに自信満々に書かれていますが、どういう事でしょうか?
まぁ詳しい事はわかりませんが、祠の前には小さいながら立派な鳥居が立てられ、恐らく古くから渡航安全や海上の安全を祈る為に祀られた社だと思われます。
黄金神社から35mで次のスポット、石切り場にたどり着くので行ってみましょう!
またまた数分で到着
たどり着いた所には大きな岩壁がありました。
どうやらここが石切り場みたいですね。
説明書きによると、この岩壁の石は非常に頑丈であり、城の城石として使われていたそうですね。
そう言えば、大阪城の石垣もわざわざ小豆島から採石された石を運んで積まれたらしく、よほどこだわりがあると言うか、少しでも強度の高い頑丈な石を遠くからでもいいから運び出せ!という信念を感じますね。
この岩もそれと同じく、強度の高い岩だからこそ城石として重宝されたのだろう。


おや?周りを見ると自然に散らばったとは思えないような石が転がっています。
ここが採石場であった証拠ですね。
現在は整備されていますが、それでもこれほど石が多く転がっている事は、当時はかなりの量の石が散乱していたのでしょうか?
そう言えば、先ほど富士見の丘から黄金崎海水浴場を眺めた時、砂浜でなく、岩がゴロゴロしている!と言いましたが、それはここが採石場で運び出された際に散りばめられたからだったんですね。
よく見たら説明書きにもそう書かれていました。
つまり、ここは元々砂浜だったという事ですか。
今は砂浜ではなく、石浜ですが…
お花畑~展望広場
さて、石浜を後にし、次はお花畑に向かいます。
お花畑とはどんな光景でしょうか?
ちなみに石浜からお花畑への道はきちんと整備され、歩きやすくなっています。
訪れた季節が3月の為か、残念ながらお花はほとんど咲いておらず、時折姿を見せる程度でした。
河津桜は綺麗に咲いていたんですけどねぇ~
面白い事に石垣が積まれていました。
この石は先程の石切り場の石でしょうか?
山奥の集落を思わせるような雰囲気が漂いますね。


その後は階段が続きますが、大した距離ではありません。
花の時期になると斜面一面に咲き誇るのでしょうか?
もしそうだったらここは歩いてみたい所ですね。
一番上にある展望広場からは黄金崎海水浴場がよく見えます。
恋人岬と富士山も見えますね。
さて、後は駐車場へ戻るだけです。
この道の先にスタートの駐車場があります。
と、その途中にジオパークがあるので興味がある方は寄ってみてはいかがでしょうか。
帰りは黄金崎クリスタルパークへ
黄金崎公園入口にはクリスタルパークというミュージアムがあります。
クリスタルとはガラスの事で、西伊豆町はガラスの原材料である珪石が多く採れる地であり、ガラスの歴史や文化が豊富な町です。
このクリスタルパークではそんな西伊豆町のガラスの歴史と文化を伝える為に建てられ、その他、世界から集めたガラスの彫刻や作品も展示され、更に体験コーナーではオリジナルガラスアートを作ることができ、見どころ満載な施設です。
個人的におすすめは万華鏡コーナーで、ここでは様々な万華鏡を見る事ができます。
万華鏡は誰もが一度は覗いたことがあると思いますが、ここに展示されている万華鏡はまさにアートそのもので、覗いているうちに万華鏡の世界に引き込まれてしまいそうな不思議な感覚に見舞われ、子供だけでなく、大人も十分に楽しめるコーナーです。
【公式サイト】
https://ikoyo-nishiizu.jp/crystal/
最後に
伊豆半島西部は夕日スポットが数多く、その中でも黄金崎は馬ロックという奇岩を兼ね備えた光景を成し、夕日以外でもダイナミックな光景を楽しめるスポットになっています。
すぐ近くには海水浴場やミュージアムも隣接されているので、昼間に散歩や海水浴を堪能し、最後に展望台から夕日を眺め、丸1日黄金崎で遊ぶ事も可能ではないかと思います。
駐車場も近く展望台や遊歩道もそれ程歩く距離ではないので、西伊豆を訪れたら気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。