風光明媚の多島美が広がる瀬戸内海には大小様々な島が存在し、その数は700を超えるそうです。
瀬戸内海の島は今までに大崎下島、大崎上島やしまなみ海道の島々、そして今年令和4年には小豆島と、決して多い上陸ではありませんが、どの島も独特で見どころが多く、同じような光景で実は違いがあり、文化も様々なところが魅力的です。
今回訪れた島は岡山県と香川県の間に位置する塩飽諸島の一つである”広島”という島で、周辺にも様々な形の島が存在し、塩飽諸島にはトータル28の島が点在しています。
さて、今回、広島に上陸したのは、しま山100選に選ばれている心経山を登る為で、山頂からは大小様々な島と穏やかな瀬戸内海を見渡せる展望が素晴らしく、更に隣の王頭山には王頭砂漠という”島山の砂漠”という珍しい光景も堪能でき、展望だけでなく縦走登山としても楽しめる島山になっています。
限られた時間での登山でしたが、山頂からの絶景はもちろん、下山後も広島の町の様子や集落を散策したので、合わせてご紹介したいと思います。
塩飽諸島の一つである広島とは
広島は岡山県と香川県の間の瀬戸内海に浮かぶ島で、塩飽(しわく)諸島の一つに数えられています。
広島と言う名は塩飽諸島の中で一番大きい事から”広島”と名付けられ、広島県の広島と区別するために「さぬき広島」とも呼ばれています。
小豆島と同様に古くから採石業が栄えた島で、島の至る所に採石場や採石跡が残り、徳川幕府の大坂城再建プロジェクトの際に採石の歴史が始まり、昭和中期にかけて全盛期を迎えたそうです。
島全体を見渡すと、島そのものが巨大な岩で覆われ、特に採石場の岩肌はダイナミックな景観を目の当たりにする事ができ、採石場の岩肌に近づく事は出来ませんが、問い合わせれば見学可能なところもあります。
採石場としての歴史や石と海が成す独特の景観が楽しめ、近年は日本遺産としても登録されています。
また、心経山は”しま山100選”に選ばれている山であり、島内には数ヶ所の登山口が設けられ、史跡探訪だけでなく登山としても楽しめ、観光業にも力をいれているそうです。
しま山100選に選ばれている心経山
さぬき広島には登山道と登山口が4箇所あります。
今回は香川県の丸亀港から江の浦港へ上陸し、江の浦登山口から王頭山、心経山を経て甲路登山口へ抜けるルートを選びました。
歩行時間は江の浦登山口から王頭山まで約1時間、王頭山から心経山まで約20分。
心経山から甲路登山口までは下りなので、約20分。
心経山の標高は213mと決して高い山ではありませんが、山頂付近には大師堂と護摩堂があり、更に多くの石仏が安置され、平安時代には空海が修行をしていたと伝えられ、山頂には巨岩が多く点在し、まさに山岳信仰の山である事を思い知らせる光景も見られます。
また、心経山は主峰ではなく隣の王頭山が主峰ですが、こちらの山も山頂は王頭砂漠と呼ばれる珍しい砂漠が広がり、心経山と合わせて登る事をおすすめします。
丸亀港~江の浦港
さて、駐車場からすぐの所に切符売り場があります。
建物には大きくのりばと書かれているので迷わないと思います。
入って右奥の切符売り場に行きましょう。
売り場は自販機になってました。
時刻表も確認しましょう。
ちなみにこの日は始発の6時50分が臨時休航になっていました…
なので私は次の7時40分発の便に乗りましたが、臨時休航もあるそうなので、注意が必要です。
料金は丸亀港から江の浦港まで片道580円です。
詳しい時刻表や料金はこちらのページをご覧ください↓
切符を買ったら乗り場に行きましょう。
乗り場は2箇所あり、広島方面は建物を出て左に進んで行きます。
暫く待つと船が到着です!
この日は平日で、待っている人は仕事で行かれる人が殆んどだと思います。しかし中には観光っぽい人もいました…が、その方々は釣り道具を持っている人が多く、私は上から下までガチ登山の格好で船を待っていたので、かなり浮いていました…
一人だけ登山着ですが船は無事出航です!
ここから約20分の船旅が始まります。
何度も書いていると思いますが、基本私は席に着かずただひたすら景色を楽しむ派です。
さすが瀬戸内海!
景色は素晴らしく、瀬戸大橋がよく見えます。
行きも帰りも外に出てひたすら瀬戸内海の景色を楽しみます。
天気がよければ気持ちいい船旅ができますね。
暫くすると正面に美しい形の山が見えてきます。
どうやらあれが広島のようで、真っ先にあの山が目に付きます。
江の浦港~江の浦登山口
20分の船旅を終え、江の浦港に到着です。
やはりあの山が気になるところですが、どうやらあれは王頭山で、山全体が岩でできている事が特徴ですね。
これからあの山まで歩く事になります。
江の浦港の待合所です。
こぢんまりとした待合所で、帰りのチケットはここで買います。
入口には巨大なゲートが建てられ、まるで歓迎しているように感じます。
それにしても、日本遺産せとうち石の島というキャッチコピーいいですね!
ゲートの両サイドにはこれから登る心経山と江戸時代の建造物である尾上邸が描かれています。
江の浦登山口~王頭山山頂
ゲートを潜ると、島全体図と観光スポット等が書かれた看板があります。
これから王頭山、心経山の縦走を行うので、まずは江の浦登山口に向かいましょう。
登山口まではコンクリート道と集落を通っていきます。
人っ子一人いないのどかな集落ですね。
ここで注意事項ですが、島にはコンビニや食料調達できそうなお店は一切無いので、観光のみで長居する方や登山でお越しの方は食料を必ず持参してから上陸しましょう。
ちなみに、宿泊施設や自販機は島内にもあるのでご安心を。
細かい地図はありませんので、グーグルマップ等で確認しながら進んで行く事をおすすめします。
そして、公民館を通り過ぎると、何やら蔵のようなものがありますね。
これは灯標用の油を貯蔵するために造られた蔵で、石の豊富な広島ならではの石でできた石蔵です。
外見はもちろん蔵に見えますが、扉周辺の石と外壁の石との互い違いが見事で、デザインに凝った造りになっていて、どこか遊び心を感じます。
その石蔵のすぐ隣に金毘羅神社が鎮座しています。
地図で見ると広島神社と書かれ、まるで島の総鎮守のようなお社です。
境内は広く、立派な権現造の社殿でした。
例祭には集落の人々が集まり賑わいを見せているのでしょうか。
さて、神社の奥に道が続き、どうやらこの先に登山口があるそうです。
神社を抜けると細い道となり、暫く進むと再び住居が見えてきます。
所々王頭山はこちらの案内が出ているので、安心して進む事ができます。
さて、江の浦港から散策しながら歩いて約20分で登山口に到着です。
登山口にはようこそ王頭山へ!の石でできた標識と地図も取り付けられていました。
恐らく頻繁に登山者はいないと思いますが、ここまできちんとされた登山口にありがたみを感じます。
それでは早速、王頭山並びに心経山の縦走登山を開始しましょう!
開始直後は鬱蒼とした登山道を歩きます。
左右から笹のようなものが大量に生え、行く手を遮ります。
最初の方は急坂もあり、しかも土ではなくコンクリートなのが厄介ですが、登るにつれ一般的な登山道になります。
しかし、ここで思わぬ誤算が…
実は登山道には大量のジョロウグモの巣が張られていました!!!
しかも、このジョロウグモ、ちょうど完全体になりたての程よい大きさで、運悪く顔の真ん前に張られ、歩く度に目の前に次から次へ現れてきます!
なので、落ちている枝を振り回しながら進まなければならず、登山口から下山まで終始振り回し続け、足よりも腕が痛くなり、途中本気で泣きそうになりました…
恐らくこの島のジョロウグモたちは、まさかここを人間が通るなんて思いもしなかったと思うし、それだけジョロウグモたちは警戒もせず、いかにこの島が平和である事を思わせてくれます。
しかし、振り回し続けても何度も頭に引っ掛かり、最後の方は体中糸が絡まり、わたあめ人間になっていました!
明確に数えていませんが、確実に100以上の蜘蛛の巣を破壊したと思います。(蜘蛛は殺してないよ!)
大体ジョロウグモって夏から秋にかけて巣も大きくなるんですよね。なので、巨大な蜘蛛の巣に遭遇したくない方は夏前に登りましょう。
さて、そんな蜘蛛の巣を100以上破壊した武勇伝はどーでもいいので、登山レポートを進めましょう。
登山開始5分くらいでようやく登山道らしい道になり、いきなり鎖場に差し掛かります。
まぁこの鎖は緩い鎖場なので、サクッと登れます。
ちなみに鎖場はここだけなのでご安心ください。
鎖場を登ると細い登山道になり、相変わらず巨大な蜘蛛の巣が真正面に現れ、枝をブンブン振りながら進んで行きます。
するといきなり視界が開け、正面に最初には王頭山が間近に見られます。
山肌には所々岩が飛び出している様子が分かります。
石の島と言うだけあって、山全体に石が散りばめられていますね。
一応、道は確認できますが、途中草木に埋もれてよく分からない部分もあり注意しながら歩きましょう。
幸い目印のテープは付けられていました。
途中には低山とは思えない巨岩や、まるでアルプスのような白い砂の登山道も出現し、なかなか登り応えのある山です。
そして、振り返るとこれまた素晴らしい景色が見られます。
王頭山の途中の景色は先程到着した江の浦港とその集落が見渡せ、更に視線を上げると瀬戸大橋や四国方面の大絶景を堪能する事ができます。
特段展望所はありませんので、休憩がてらこの景色を味わうとよいと思います。
ちなみに、王頭砂漠と王頭山頂、心経山山頂からは江の浦、瀬戸大橋方面の展望は見られないので、この登山道が第一の展望ポイントとなります。
私はまだ先に展望所があるだろうと思い込み、数枚しか写真を撮らなかった事を少し後悔しています。
しかしまぁ低山とは言え、こんな海の絶景を眺めながら、しかも誰もいない登山道で独占しながら登れるなんて、贅沢すぎて申し訳ない。
そして、絶景の登山道を進んで行くと広い空間に到着します。
見渡すとそこは、まるで砂漠のように白い砂が広がっていました。
約8000万年から9000万年前に形成された花崗岩で、果てしない年月の風化により花崗岩が砂状となり、砂漠のような光景から「王頭砂漠」と呼ばれるようになったとか。
以前登った南アルプスの日向山も突如砂漠が現れる光景でしたね。
今回は島山の砂漠という事で、非常にレアな景観です。
また、砂漠に突如現れる丸い巨岩が意図的に配置されたようにも見え、「天空の石庭」や「天然の石庭」とも呼ばれ、ある意味不思議な光景とも言えますね。
その王頭砂漠からの景色は、奥に岡山の倉敷市でしょうか?
更に見渡せば中国地方の海岸沿を眺める事ができます。
さて、王頭砂漠を後にし先に進みましょう。
実は王頭砂漠から王頭山山頂までは5分程度で到着してしまいます。
道も先ほどと同様な道が続いていきますが、
所々絶景も見られます。
しかし、王頭山以降は江の浦地区方面の景色が見られないので、この辺りでよく目に焼き付けましょう。
王頭砂漠から5分くらいで王頭山山頂に到着!
あれ?展望は?
そう、意外にも展望ゼロの山頂で、周りは木々で埋もれています…
しかし、看板に書いてある通り王頭山は綺麗な形から、しわく富士とも呼ばれているそうですね。
つまり今回の登山はご当地富士山と言う事を山頂に着いてから知りました!
王頭山~心経山
展望も無いようなので、さっさと先に進みましょう。
木々で覆われ、うす暗い山頂付近を心経山方面へと足を運びます。
展望が無く落胆した矢先、山頂から1分くらいで素晴らしい景色に出ました!
先ほどの江の浦ではなく、南西方面の展望が広がっています。
石の島と呼ばれるように、見事な岩山が続き、その先には瀬戸内海らしい多島美が広がっていました。
王頭山頂から心経山山頂までの展望はここだけです。
絶景の後は再び展望の無い登山道へ
わずかな踏み跡と登山道らしき道を頼りに進んで行く感じです。
次のポイントである分岐点までは下りがメインです。
しかし、この辺が一番迷いやすいポイントなので注意。
幸いテープが豊富なのでそれを頼りに進めば問題ありませんが、このテープが無ければかなり迷いやすく、不安に感じるかも知れません…
そして分岐点に到着
ここは心経山山頂と王頭山山頂、甲路地区と市井地区への分岐点で、様々な場所からの合流地点になります。
合流地点には最近取り付けられたっぽい看板があります。
また、それぞれの方面には分かりやすく案内標識も掲げられていました。
看板通り、50m進むと青木地区との分岐点があり、そこを心経山方面へ進むと、
おや?何やら人工的に組まれた階段がありますね!
そろそろ山頂に近いのでしょうか?
数段の階段を登った先にお堂がありました。
どうやらここが大師堂みたいですね。
山頂直下にこんな立派なお堂が建てられるなんて、よほど崇敬の篤いお山である事が分かりますね。
大師堂の先には石仏があり、立派な弘法大師の供養塔まで安置されています。
そう言えば心経山も空海が修行された山なので、このような信仰登山が盛んな雰囲気を醸し出していますね。
それにしても空海はこんな瀬戸内海に浮かぶ島にも目を付け、奇岩怪石の山を見つけては登り修行をされたそうで、瀬戸内海にはまだまだ空海伝説の島山が多数ありそうですね。
石仏群の先は行き止まりで、大きな岩の下には小さめな岩窟とその隣には絶景が広がっていました。
しかし、ここが山頂?と思いましたが、思ったより景色が見られないので、おかしいと思い周囲を見渡すと、分かりにくい所に山頂へ続く道を発見しました!
赤い矢印の方に進んで行きます。
細い藪を進んで行くと…
ついにラストの岩登りです!
これを登れば大絶景が待っています。
しかし油断は禁物
ここは登山道として整備されておらず、3点支持を確保しながら進みましょう。
難しいところは特に無いので、注意しながら登れば問題ありません。
しまやま100選、心経山山頂からの大絶景
そして遂にしま山100選の一つ、心経山山頂に到着です。
山頂は恐ろしい岩の崖になっていて、一歩間違えれば取り取り返しのつかない場所なので、慎重に渡りましょう。
まぁまずはその大絶景からご覧ください。
最初に岩の先端からは四国方面がよく見えます。
しかし、岩の先端に立つのは非常に危険で、私は行ける所まで行きましたが、最先端までは行けませんでした…
残念ながら江の浦方面は見えませんが、すぐ下の甲路地区の集落が見渡せます。
拡大バージョン
丸亀市とちょこんと小さな亀笠島が見えます。
心経山から先も岩山が続いているようですね。
その先にはどこまでも海が広がり、時折点々と島が見える感じになっています。
瀬戸内海ってこのような可愛らしい島もたくさんありますね!
まるで海に浮かぶ円墳のようにも見え、神々しさも感じます。
更に西の方向には笠岡市の島々が見えますね。
一番大きい北木島にも採石場があり、そこには丁場湖という珍しい光景が見られるそうです。
他にも奇勝や文化財などあちらの島も見どころ満載なので、近いうちに上陸してみたいですね。
更に北側を向くと麓には青木地区が見えますね。
暫くぼーっと眺めると船が行き来したりしています。
手前の二つの島も丸亀市の島で、上陸可能になっています。
奥の砂浜が綺麗なので拡大してみました。
緩やかな弧を描き、砂浜と海のコントラストが絶妙ですね!
あそこを歩いてみたいと思ったので、下山後は広島を半周する事になりました。
いかにも、島の海という感じが伝わると思います。
ちなみに手前の赤い鳥居は厳島神社の鳥居で、ここから見ても大きな鳥居という事が分かります。
砂浜の反対側は漁港でしょうか?
こぢんまりとした漁港で漁船も数隻あるだけです。
更に北を向くと奥は倉敷だと思います。
その手前にはちょこんとこれまた可愛らしい小さな島が4つ、まるで親鳥の後ろを追う雛鳥のように見えてほっこりしますね。
恐らく無人島の類ですが、このような島に一度でいいから上陸してみたいですね。
そして、こちらが山頂の様子です。
見ての通り左右がスパッと切れていて、落ちたらサヨナラになっていますので、歩く時は十分に注意しましょう。
出来る限り近づいてみましたが、やはりかなり怖いです…
というのも、ギリギリに近づいて岩が崩れる恐れもある為、下を覗くのは自己責任ですね。
必死に覗いて見るとこんな感じ
写真だとよく分かりませんが、かなりの高度感と恐怖心でいっぱいでした。
側面を見ると下まで見事な岩壁になっていている様子が分かります。
しかし、底に転がっている石は落石でしょうか?
もしここから落っこちたら木端微塵でしょうね…
山頂を示す標識はあるんですが、ご覧の通り倒木に付けられていました。
恐らく元々は倒れていない木に付けられていたと思いますが、現在は無残な光景になっているので、標識の隣で写真を撮るのは難しそうです。
心経山~甲路地区
絶景を楽しんだ後は下山です。
青木地区の登山口と甲路地区の登山口のどちらかに下りますが、ここは甲路地区の方へ下山しました。
再び先ほどの分岐点に戻り、甲路と書かれた標識の方へ進みましょう。
甲路地区方面のこのルートはほぼ一直線となり、道も広くはっきりしているので、比較的歩きやすい道でした。
しかし、相変わらず巨大なジョロウグモの巣が目の前に何度も現れ、常に枝をブンブン振り回しながら歩いています。
分岐点からほんの7、8分で獣道を終え更に広い道に出ました。
さすがにここから先はジョロウグモの巣は無く、ようやくここで枝ともおさらば!
車が通った跡も見られました。そろそろ集落が近いのでしょうか?
その先には海も見えてきました。
そして暫く歩くと集落が見え、道の先に青い海もはっきりと見えてきました!
しかし、この辺に住んでいる人は毎日こんな景色を眺めながら生活しているなんて羨ましい限りです。
自転車で下りながらこの光景を眺めたいものですね。
さぬき広島を歩いて散策
分岐点から約20分くらいで甲路地区の登山口に到着しました。
下りだとあっという間に到着してしまいます。
さて、このまま江の浦港に戻るのも良いですが、時間が微妙に余っていたので、思い切ってここから島を半周しました!
最初の方で見た地図をもう一度
心経山から甲路地区に出て、ここから青木、市井、茂浦、茂浦から一直線に江の浦に戻るコースを歩きました。
しかし時間が微妙だったので、茂浦から江の浦まではダッシュで向かいました…
さて、甲路登山口から時計回りに県道258号を歩きましょう。
最初の方は集落を歩く感じです。
おや?
これはエネオスじゃないですか!
恐らく島唯一のガソリンスタンドだろうと思いますが、機能しているのでしょうか?
ENEOSの下にサヌキ広島SSと書かれ、やはり広島県と区別するようになっています。
山の方を眺めると、先ほど登ったであろう山が聳えています。
しかしこれ、山というよりただの巨岩じゃないのかね?
ところがどっこい、反対側は青い空と青い海が見えてきました!
先ほど山頂から眺めた景色と同じですが、こうして平地で眺めるとまた違った顔を持つ島たちに見えますね。
それにしても私以外歩いている人はおらず、瀬戸内海の穏やかな海と多島美をゆっくり歩きながら堪能できるなんて幸せすぎます!
さぬき広島も石の島と呼ばれる通り、あちこちで岩山を見る事ができ、途中には採石場もみられます。
ここは青木地区の採石場で、壮大な岩肌を眺める事ができます。
作業されている方がいますが、採石場は立ち入り禁止なので、くれぐれも勝手に中に入らないようにしましょう。
また、どうしても見学されたい方は、青木石材協同組合へ問い合わせれば見学可能らしいので、気になる方は一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
海沿いには大量の石が積み上げられています。
これらの石は運ばれるのでしょうか?
ちなみに青木地区の石は徳川幕府による大坂城の石垣に使われたそうです。
採石場を過ぎるとこれまた立派な岩山が見えてきます。
矢印の所が先ほど登った心経山の山頂みたいですね。
しかし、あんな恐ろしい所を登ったんですね…
その隣の右斜めに突き上がった岩まで歩けるのでしょうか?
そして、青木地区の集落に到着。
趣のある家が立ち並び、その奥には海が見え、何とも日本の原風景を思わせる町並みです。
集落の先へ行くと立派な鳥居がありました。
あっ!これは山頂からも見えた鳥居ですね!
どうやら厳島神社の鳥居のようで、その背後には心経山もよく見えました。
せっかくなので少しお邪魔しました。
鳥居と同様に社殿も立派で、境内も広く今でも篤く崇敬されている感じでした。
境内の端にこんなものもありました。
これは百々手(ももて)神事と言われる戦国時代から続く神事で、旧正月に二日かけて執り行う神事だそうです。
現在は茂浦のみ行われているそうですが、令和二年と書かれているので、こちらの地区も現在行われているのでしょうか?
神事の内容は鬼と書かれた的を女竹で作られた矢を射て、家内安全や無病息災を祈る神事で、古くは神社に僧侶を呼んでから始まる事から元々は神仏習合の行事とも言えます。
そう言えば先ほど歩いて来た道と後の道も意外に竹が多く、それで竹製の矢が作られているんだなと納得しました。
このような島ならではの伝統行事も間近で見学してみたいものですね。
厳島神社の先には、山頂からも見えた美しい砂浜が待っていました!
全身登山の格好ですが、そんなの関係ねぇ!
思わず砂浜に駆け込みました!
もう9月ですが、瀬戸内海はまだまだ暑く、全身で夏を感じられる光景です。
暫く時間を忘れて、登山靴で柔らかい砂浜を踏みながらゆっくり瀬戸内海の絶景を眺めました。
その後も素晴らしい瀬戸内海の景色を眺めながら道路を歩いていきます。
時折、真っ白な砂浜にも遭遇し、思わず写真を撮ってしまいます。
茂浦地区に到着すると、旅館がありました。
さぬき広島には食堂やお土産屋もありませんが、旅館はいくつかあるそうで、その内の一つがここ、旅ねこです。
旅ねこの向かい側にも旅館があり、ゲストハウスひるねこという旅館です。
猫が近くにいっぱいいるのでしょうか?
旅ねこを後にすると暫く緩い坂道になり、茂浦地区から江の浦地区に向けての道路を歩いていきます。
散策もこの道路を渡ったら最後です。
そして坂の途中には山の神展望駅という展望所があり、東屋が建てられています。
ここからも景色が眺められ、茂浦地区と海の向こうには倉敷市がよく見えます。
展望駅からまた少し坂道ですが、暫くすると下りに差し掛かります。
この辺りから時間が少しピンチだったので、ここからダッシュで駆け下りました。
そして、何とか帰りの船に間に合うように江の浦地区に戻りました。
時間の許す限り瀬戸内海の絶景をボケーっと眺めていました。
最後になりますが、島の至る所に石碑が立てられています。これらは「いろは石」と呼ばれ、43基の石碑が島に点在しています。
最近ではいろは石ウォークという島内の石碑を巡るイベントがあり、石が豊富な広島ならではの観光事業の一つになっています。
丸亀港までのアクセスと駐車場
本島汽船までは瀬戸中央自動車道坂出北ICを下車、県道193号を西に進み、丸亀市西汐入橋の信号を曲がると到着します。
駐車場は本島汽船の反対側に有料駐車場があるので、そこに停めましょう。
最後に
いかがでしょうか?
今回はしま山100選の心経山を登りました。
島で登山というのはあまりイメージが無いと思いますが、いざ登ってみるとその景色は壮大で、陸地の登山とはまた違う山行が楽しめると思います。
また、心経山の隣の王頭山は島山では珍しい砂漠が広がり王頭砂漠というスポットもあり、更に”しわく富士”というご当地富士山としても親しまれているので、縦走される事をおすすめします。
時間に余裕があれば、島を散策し、瀬戸内海の美しい景色を独り占めし、有意義な島登山の旅に出てみてはいかがでしょうか。