素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

三ツ峠山登山|富士山の大絶景!三ツ峠グリーンセンター側から日帰り登山

夏真っ盛りの7月下旬、富士山の展望が素晴らしいと賞される日本二百名山の一つに選ばれている三ツ峠山に登りました。

今回は富士吉田西桂IC近くの三ツ峠グリーンセンターの登山口から日帰り登山で山頂を目指し、山頂から素晴らしい富士山の姿を拝める事ができました。

都留市に位置する三ツ峠山ですが、富士吉田市と隣り合わせなので、早朝に三ツ峠山に登り、下山後に富士山周辺の観光地巡りも可能です。

過去に富士山のよく見える山を何座か登り、どれも素晴らしい富士山を眺められましたが、今回の三ツ峠山もそれらに負けないくらい素晴らしい展望だったので、今回は三ツ峠グリーンセンターから登るルートと山頂から富士山の大絶景を紹介したいと思います。

三ツ峠山とは

三ツ峠山は都留市に位置する標高1786mの山で、山頂部の開運山、木無山、御巣鷹山の三山を合わせて三ツ峠山と呼ばれています。

特に開運山の頭頂部には三つの岩山が並び、遠くから眺めるとまるで王冠のように見え、2000m未満の山ですが、とても風格のある立派な姿を確認できます。

三ツ峠山は信仰の山としても知られ、奈良時代には修験道の開祖である役行者によって開かれ、一時衰退したものの、江戸時代の後期(天保三年)に善応空胎上人によって再興され、登山道には達磨石や石仏など、修験道の面影を感じ取る事もできます。

また、山頂付近の屏風岩は現在はクライミングスポットとしても有名で、クライミングをしながら背後に勇敢な富士山の姿を眺められる、贅沢なクライミングスポットの一面も持っています。

三ツ峠グリーンセンター~達磨石ゲート

さて、登山道へ参りましょう。

無料駐車場から達磨石ゲートまでは登山道と言うより道路となり、しばらくは登山道らしくない道が続きます。

三ツ峠グリーンセンター周辺は公園やフットサル場、武道館など様々な施設があり、昼間は賑やかな場所になっています。

信仰の山三ツ峠山!というどデカい看板があります。

山頂までのポイントが示され、山行時間も掲示されているので、参考にしましょう。

登山口から歩いて数分で山祇神社に到着します。

鳥居入口からなかなかいい雰囲気のある神社で、いかにも山の中の神社という感じがし、非常に清々しい神社です。

拝殿もきちんと整備され、地元の方々の篤い崇敬を感じ取れる催しです。

元々はこれから向かう達磨石の近くに祠として祀られ、後に現在の位置に社殿を建てられたそうです。また、神輿の渡御も行われ、近くの集落にで向かい、山の神の御神徳を分かち合っているそうです。

達磨石のゲートまでは永遠にコンクリートの道を歩きます。

急な上り坂は無く緩い登りですが、特に展望も期待できないので途中から飽きてきます。

途中にトイレがあります。

ここは三ツ峠さくら公園という川沿いの公園で、アスレチックが完備されているので、ここは子供連れの家族が目立ちます。

さくら公園という名前から、春には桜満開の美しい公園です。

トイレも独特な形をしています。

途中、ふと見上げると、何やら王冠のような三つのコブが見えます。

どうやらあれが開運山の山頂部のようで、見事に三つの岩峰に分かれています。

更に進むと駐車場に到着です。

車は本格的な登山道に差し掛かる手前の憩いの森公園まで入る事ができます。

ここにはトイレもあり、ここから先は山頂までトイレがありませんので注意しましょう。

そして、グリーンセンターから1時間くらいで、ようやくコンクリート道を終え、ここから本格的な登山道に差し掛かります。

やはり登山は土と岩を歩いてなんぼなんで、ようやく登山開始!ってなります。

達磨石ゲート~八十八大師

地図にはゲートと書かれており、特に門はございませんが、入口にカウントを調べる装置が置いてあります。

まぁここはす通りという事で。

ゲートを越えるとすぐに達磨石に到着です。

大きさ1メートルくらいでしょうか?

石には大きな梵字が書かれており、これは「アーク」という文字らしく、大日如来を表しているそうです。

大日如来は密教の本尊とされ、密教の一派である修験道も同じく本尊とされた非常に尊い仏様です。

この山もかつては修験者たちで溢れる信仰登山が盛んだった事を感じさせてくれますね。

次のポイント、股のぞきまでは急登ではない登山道になります。

特に岩や鎖場も無く、登りやすい道が続いていきます。

そして股のぞきというポイントに到着します。

まぁご覧の通り名前の由来はこの”おまた”でしょうねぇ

股は股でも逆立ちしたおまたですね!

段が置いてあるので、それに乗って覗いて見ると…

そこにはなんと!絶妙な富士山が見えるではありませんか!

それにしても狙ったかのように股の間から富士山がひょっこりと顔を覗かせています。

股の横からももちろん富士山は見えます!

ちなみに登山口から初めて富士山が見えるのが、ここ股のぞきなんです!

股のぞきを越えてから徐々に登山道に岩が見えてきます。

まだまだ歩きやすいですが、途中岩をよじ登る所も出てきます。

馬返しに到着しました。

少し広いスペースがあり、ベンチも設けてあるので休憩するにはよい場所です。

ここからも富士山がよく見えます!

登山中は一切見えないので、突然富士山が現れるとテンションが上がります。

馬返しを過ぎると急登に差し掛かります。

登山道も岩が中心となり、全身で登らなければならない箇所も見られます。

また、この辺りから石仏なども目立ち、いよいよ修験道という感じがします。

愛染明王塔

愛染明王は像ではなく文字が書かれた塔が安置され、共に巨岩が選ばれていますね。

愛染明王塔の下には御札が置いてあり、修行の際に祭ったと思われます。

やはり、急登や岩場が目立つところから石仏や石塔が安置され、修行の厳しさを感じ取れる頃から雰囲気が変わります。

しかし、このような信仰の山だったら、一合目から石仏や丁石など等間隔に置かれてもおかしくないのですが、今まで歩いて来た中だと山祇神社と達磨石くらいしかありませんでした。

何か意味があるのでしょうか?

八十八大師~三ツ峠山山頂、開運山

そして登山道の中でも見どころである八十八大師に到着

八十八体の石仏が安置されています。

説明書きから三ツ峠を再興した善応空胎上人がどの宗派に属していたのか分かりませんが、八十八は煩悩の数で、それを断ち切る為に同数の札所を巡るのがお遍路という空海が生み出した巡拝です。

八十八という事はやはり四国八十八箇所に由来するのでしょうか?

歴史についてはイマイチ分かりませんが、この石仏たちは一体一体表情が違い、見ていて和みます。

また、この石仏たちは富士山の方角を眺め、更にその先の四国を眺めているようにも思えます。

さて、ここから山頂までもう一息です。

先ほどまでの急登は登場しませんが、サイドが切れた道になるので注意しながら進みましょう。

暫くするとこのような道に到着します。

恐らく山が崩れた所を無理やり登山道として開いた道ですが、特段危険な場所ではないので、ここはすんなり進めます。

しかし、改めて見ると一瞬とんでもない箇所にみえますね。

ここはヤマノススメのあおいちゃんが怖くて進むのを躊躇っていた箇所でもあり、確かに高所恐怖症や山に慣れていない人には少し怖いかも知れません。

しかし、ここからの富士山の眺めは最高です!

まだ頂上ではありませんが、こんな立派な富士山が見えると、つい足が止まってしまいます。

その後は暫く巨大な岩壁を眺めながらトラバースする感じの登山道で、登りも無くスムーズに進めます。

忘れた頃にこのような史跡に出くわします。

崖に建てられた恐らく懸造のこの建物は、板東三十三カ所観音塔と言い、元は立派な塔だったのではないかと思わされる光景です。

無残に土台部だけが残され、上はご覧の通り苔で覆われ、いつ崩れてもおかしくない状況です。

ここは近づかないほうが良いかもしれませんね。

と、その手前には神鈴権現社があり、登山道とは別の道があったので行ってみました。

道と行っても数十秒くらいで到着しますのでご安心を。

到着するとそこには祠と小さな鳥居がありました。

比較的新しく、鳥居には注連縄と紙垂が取り付けられ、今でも誰かが管理している感じでした。

後ろには割れた巨岩と、その両サイドは石垣のようなものがあり、人為的に積まれたのでは?と思わせる光景でした。

その先もこのような崖道に遭遇します。

ここはカーブの所が崩壊しご覧のありさま…

さっきの崩壊ゾーンよりこちらの方が怖い気がしますね。

さぁここからは山頂部の巨岩の下部を通り、迫力のある光景が楽しめます。

右には見上げるほど大きな屏風岩が聳え立ち、その下を歩いていく非常にインパクトのある登山道です。

屏風岩はクライミングスポットでもあり、この日もクライミングを楽しんでいる方が見られました。

よく見ると石仏や石碑もあり、信仰登山が盛んだった面影も感じます。

巨岩ロードを越えると分岐点に到着です。

ここからは三ツ峠山荘と四季楽園(山頂方面)へ向かう分岐点で、開運山の山頂に向かうには右のルートを進んで行きます。

再び急登が出現し、しかも途中で階段が登場します。

先ほどまで暫く平坦な道が続き、ここに来て登りは少し辛いかもしれませんが、ここを乗り切れば山頂まであと僅かなので頑張りましょう。

そして山頂付近の山小屋である四季楽園に到着です。

宿泊の他、軽食もあるので、時間に余裕のある方は立ち寄ってみては?

小屋の右側に山頂と御巣鷹山方面の道が続いています。

ここは看板が無いので注意。

左ではなく右に進みましょう。

そして…またもや階段…

ここが本当のラストですが、最後に階段というのもちょっと嫌ですね~

三ツ峠山山頂の開運山からの絶景

やっとの思いで階段を登り終えると一気に視界が開け、三ツ峠と書かれた標識と共に立派な富士山が姿を現しました。

やはり先にご覧いただきたいのは富士山ですね。

三ツ峠山からの富士山は、富士山の裾野ってこんなに長いの?と言わんばかりに広い裾野が確認できます。

富士山は成層火山で360度どこから眺めても同じように見えますが、実は細かく見ると微妙に違うので、富士山のよく見える山やスポットの写真を見比べるのも楽しいです。

実を言うと山頂にはいくつか木が生えており、木を避ければ堂々たる富士山を眺められますが、標識と富士山のコラボ写真を撮るとなると、ちょっと邪魔に感じるのが難点ですね…

そうなんです、この石碑と富士山のコラボがどうすればいい感じに撮れるのか凄く悩み、今回は夏で、木にはたくさんの葉が付いていたので難易度が高いです。

山頂であっちこち移動しながら撮りましたが、凄く難しいです。

何も考えず撮れればいいんですけどねぇ…

葉が生い茂っている事も原因ですが、富士山とコラボを撮るには春か秋がベストだと思います。

富士山の展望はもちろんですが、山頂からは南アルプスと八ヶ岳もよく見え、その手前には富士山の外輪山も確認できます。

おや?

木無山、三ツ峠山荘へ向かうルートでしょうか?

こちらの山頂と同じような物がありますね。

あそこも展望所として開けた場所でしょう。

拡大すると、ピラミッド型の甲斐駒ヶ岳、その横には鳳凰三山のオベリスクである地蔵岩も見えました。

まぁ夏場なので、昼前にはガスがかかり、何も見えなくなってしまうのがオチですが、この時間はまだガスっていないので運がいいです。

今までの経験上、夏は遅くとも8時前には山頂に到着したいものです。

あちらの山は八ヶ岳!
主峰の赤岳と奥には蓼科山も見えますね!

こんもりと膨らんだ御巣鷹山には立派な電波塔が立ち並んでいます。

その向こう側には地味に高い奥秩父の山々の姿も見えます。

東側は御正体山と丹沢の山々が見え、下界の都留市も確認できます。

ただ、茂みが邪魔をしてあまり見えないのが残念です。

山頂部はこんな感じです。

程よい広さで中心に石の標識と、山頂では定番の山頂から見える山々の円盤も設置されています。

平日は人も少なく落ち着いて眺められますが、恐らく休日は多くの人で埋め尽くされそうな予感がします。

視界が開けている富士山や南アルプス方面の山の写真を撮る時は邪魔にならないように撮影しましょう。

さて、このまま来た道を引き返すのもいいですが、先ほど山頂から見下ろした、木無山へ向かう途中の展望所に寄り道しました。

ここからも南アルプスや八ヶ岳、富士山はよく見えますが、山頂よりは少し劣ります。

始めて三ツ峠に来た時はここが山頂だと勘違いした記憶があります。

そしてそこから1、2分で三ツ峠山荘に到着します。

実を言うと、ここからの富士山の方が眺めが良く、残念ながら訪れた時はガスに隠れてしまいましたが、シルエットからその巨大さが何とか伝わると思います。

下界の様子もこちらの方がよく分かり、ここからだと三ツ峠市から富士吉田市もご覧の通り続けて眺める事ができます。

ベンチと手すりの配置もいい感じ。

余裕があったので、三ツ峠山荘のコーヒーを飲みながら暫しベンチで一休みしました。

三ツ峠山荘を訪れたのは8時半頃ですが、かなりガスが発生しています。

ガスが無ければ素晴らしい富士山を拝めたのに…

やはり8時までに山頂到着理論は強ち間違っていない?

下山後は三ツ峠グリーンセンターで温泉!

さて、地味に歩行時間が長い今回のルートをピストンし終え、下山後は登山口のすぐ隣にある三ツ峠グリーンセンターへ行きましょう。

三ツ峠グリーンセンターは宿泊から温泉、スポーツやレジャーなど様々な体験が可能な複合施設で、温泉のみならず多くの観光客を対象とした施設になっています。

駐車場から歩いて数分なので、登山で流した汗と疲れをぜひ温泉で癒しましょう。

mitsutoge.jp

三ツ峠山周辺のおすすめの山

三ツ峠山周辺に位置する山々は富士山の外輪山として、まるで結界のように富士山の周囲に円を描くように聳えています。

そんな外輪山からは三ツ峠山同様に素晴らしい富士山を眺める事ができ、標高もそれほど高くないので、日帰りで登れる山が多数あります。

また、下山後は富士山周辺の観光巡りも楽しめるので、合わせて計画してみてはいかがでしょうか。

よろしければ、おすすめの山を紹介した記事をご覧ください。

www.narisuba.com

三ツ峠山のアクセス、駐車場

アクセス

 

中央道富士吉田西桂スマートICから国道139号を走行、途中西桂役場前を左折し住宅街を抜けると到着します。

電車の場合は富士急行、三つ峠駅から徒歩

駐車場

登山口に約15台程の無料駐車場が完備されています。

近くに24時間利用可能のトイレもあります。

最後に

三ツ峠山は山頂部の巨岩が目印となり、外輪山の中でも独立峰に近い存在の山です。

今回紹介した登山道は山頂まで少し距離はあるものの、山頂近くには石仏や山岳信仰を感じる登山道で、趣のある登山を楽しめると思います。

また、山頂からは美しい富士山を始め、南アルプスや八ヶ岳、奥秩父の山々も見渡せる大展望が待っています。

富士吉田にも近く、時間に余裕があれば下山後に合わせて訪れる事をおすすめします。