素晴らしき日本の景色たち

主に日本全国の山や景勝地、観光スポットを紹介します

陣馬の滝|富士宮市にあるもう1つの白糸ノ滝!秘境感溢れる陣馬の滝を訪ねてみた

毛無山を登り、富士山の大絶景を堪能した後は周辺を散策し、以前から気になっていた陣馬の滝を訪れました。

毛無山近くの見どころを調べると、田貫湖の他、やはり日本の滝百選に選ばれている白糸の滝が有名です。

白糸の滝は、富士山周辺の観光スポットとして大変人気を博した景勝地です。その滝の姿は豪快とは言えませんが、横一列に並んだ岩壁から何本もの白い糸が撫でるように流れ落ちる事からその名前が付けられたそうです。

そんな女性的で、見る人全てに癒しを与える美しい白糸の滝ですが、実は毛無山の近くには白糸の滝に似ている滝が存在している事をご存知ですか?

その滝の名は陣馬の滝と呼ばれ、白糸の滝より上流に位置し、陣馬の滝の水がそのまま白糸の滝に繋がっています。

今回はまるで白糸の滝のような、知る人ぞ知る美しい景観を成す陣馬の滝を紹介したいと思います。

富士山の見える遊歩道から陣馬の滝へ

富士宮道路から県道414号を南下し、猪之頭地区の集落に陣馬の滝という案内があります。

猪之頭と書いて、”いのかしら”と読むそうで、漢字は違いますが東京の井の頭公園の井の頭と同じ読み方になります。

ちなみに猪之頭公園という名の公園もあるそうで、東京の井の頭公園のようなボートはありませんが、にじます釣りを楽しめる施設があるそうです。

さて、陣馬の滝へ向かうには綺麗な無料駐車場からこの遊歩道を歩きます。

入口も分かりやすくなっています。

遊歩道入口からはご覧の通り立派な富士山が見えます!

陣馬の滝へ続く遊歩道はきちんと整備され、左には川が流れています。

そして、正面を眺めると岩壁から優しく流れ落ちる数本の滝を確認できます。

どうやらあれが陣馬の滝のようですね。

滝の前は広場になっていて、途中恐らく人工的に敷かれた?飛び石のようなものがあるので、それを渡ると正面に到着します。

改めて陣馬の滝を眺めると、鬱蒼とした岩壁から糸を引くように静かに流れ落ち、正面に立つと非常に癒しを与えてくれるのが第一印象。

また、写真で見るように、どこか白糸の滝にも見えなくもありません。

ちなみに、この写真を知人に見せたら、あっ!白糸の滝だ!と言われ、やはり陣馬の滝は白糸の滝に似ている事が分かると思います。

ところで、陣馬の滝はどのような由来があるのでしょうか?

実は東京の八王子に陣馬山という山があり、この山は高尾山から縦走として登られる事が多く、山頂からは360度の大絶景を楽しむ事のできる山です。

陣馬山の由来は北条氏を攻めた武田氏がこの山で陣を張った事から陣張山と名付けられ、後に山頂にシンボルとなる白い馬の像が建てられた事から陣馬山になったそうです。

まぁ長い歴史の中の変遷により今の名前になった事はよくある事ですが、陣馬の滝も実は似たような由来です。

内容は、富士山麓で巻狩をしていた源頼朝が滝の近くで一夜の陣を敷いた事から陣馬の滝と言われるようになったそうで、陣馬山と似たような内容になっています。

あまり知られていないのか、訪れた人はほとんどおらず、独占状態で滝と向き合える事ができました。

陣馬の滝はギリギリまで近づく事ができ、滝しぶきを浴びる事も可能です。

ミストシャワーのようなしぶきが肌に優しく触れ、マイナスイオンを十分に浴びる事もできます。(マイナスイオンって最近聞きませんね…)

細かく滝の周囲を見ると、奥の方はまるで岩屋のような洞窟になっていました。

中に何か仏像でも祀られているような雰囲気を醸し出しています。

ちなみにこの岩屋のような岩壁の上からも滝が流れ落ちているそうですが、今回訪れた時は流れていませんでした!

暫く雨が降っていないのかわかりませんが、豪快に流れ落ちる姿も見てみたかったです…

太鼓石が祀られている遠照寺

陣馬の滝の由来によると、陣を敷いた夜に滝壺からドンドンと太鼓を打つような音を頼朝が発見し、家来に調査させたところ、滝壺に太鼓の胴のような石が発見されたらしく、その石は「太鼓石」と名付けられたそうです。

その石がなんと、陣馬の滝からすぐ近くにある遠照寺に安置されているので、早速その石を見に行きましょう。

遠照寺までは遊歩道入口から小川沿いを数分歩いていきます。

芝川の分流でしょうか?

川の中には大量の浮草や水草が気持ちよさそうに泳いでいます。

それにしても見とれてしまう程水が綺麗ですね。

ちなみにこの近くにはワサビ田もあるそうで、こんな綺麗な水ならワサビ栽培も行ってる事に納得いきます。

小川を通り過ぎると遠照寺に到着。

本堂は立派で、日蓮宗の寺院だそうです。

そして陣馬の滝の説明に書かれていた「太鼓石」がこちらです!

見た感じバームロール?のような姿で真ん中は見事な空洞になっています。

他にもこのようなお菓子があったような…

まぁお菓子はさておき、こちらにも太鼓石の由来が書かれていました。

滝壺から太鼓が鳴るような奇妙な音が聞こえ、不気味に思った頼朝が家来に調べさせ発見されたと書かれています。発見当時も中が空洞になっていたと書かれているので、滝の水圧で穴が開いたのではないか?と思われますが…

しかしまぁこんな形の石が滝壺にあったらさすがに驚きますね。

滝壺にあった時はどのような音を奏でていたのか気になるところです。

更に石には賽銭の他、なぜか線香もお供えされていました。

一応神として崇められてきたと書かれているのに、線香とは…?

この遠照寺は境内が広く、奥には堂々たる富士山の姿が見えます。また、境内には恐らくしだれ桜の木が植えられているので、満開の時期は富士山とのコラボも楽しめそうなお寺です。

陣馬の滝のアクセス、駐車場

アクセス

 

新東名新富士IC及び東名富士ICから車で約40分

駐車場

駐車場は第1、第2駐車場があり、遊歩道入口に一番近い第1駐車場は7、8台ほど停められます。駐車場の横にはトイレも設置されています。

陣馬の滝周辺のおすすめスポット

田貫湖

陣馬の滝から一番近い田貫湖は惜しくも富士五湖に選ばれていない小さな湖です。

位置的に見ても富士五湖は富士山の北部、山梨県側にある五つの湖(本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖)なので、静岡側にある田貫湖は富士五湖というカテゴリーには選ばれていません。

田貫湖は富士山西部のひっそりとした場所にありますが、近くには白糸の滝や少し足を伸ばすと富士宮市にも近いので、観光スポットとしても楽しめる湖です。

湖周辺にはキャンプ場やコテージ、ホテルなどもあり、展望台からは田貫湖と背後に雄大な富士山の絶景も堪能できます。

遊歩道も完備されているので、ドライブがてら田貫湖を散策してみてはいかがでしょうか。

COW RESORT IDEBOK

田貫湖のちょうど反対側にCOW RESORT IDEBOKという牧場があります。

広い面積を誇る牧場で、牧場内にはおしゃれなレストランやドッグラン、更に牛舎の見学もできる施設になっています。

面白い事に、ここの牛舎は年齢別に分かれており、生まれて間もない牛たちは勢いよく寄ってくるのに対し、年齢が増すにつれ人間に興味を持たなくなる様子がはっきり分かります。

レストランには食事の他、牧場ならではの牛乳やカフェオレ、ソフトクリームも充実し、特に珍しいミルクのポップコーンが美味しかったので、ぜひ味わってほしい。

もちろん、牧場からは富士山もよく見え、レストランのテラス席からも雄大な富士山を眺められるので、のんびりと食事やカフェを楽しめる牧場です。

【公式サイト】

cowresort-idebok.com

最後に

陣馬の滝は富士宮市を代表する白糸の滝のような滝で、規模は小さいものの、ひっそりとした岩壁から流れ落ちる姿は美しく、まさにもう1つの白糸の滝に相応しい景観美です。

駐車場から歩いて数分の所に位置するので、気軽に立ち寄る事も可能です。また、周辺には田貫湖やCOW RESORT IDEBOK(牧場)など見どころ満載なので、合わせて観光してみてはいかがでしょうか。