水質日本一を誇る四国の清流、仁淀川を筆頭に四国は非常に綺麗な川が多く、旅の途中ふと川を眺めると、大抵エメラルドグリーンに輝き、車を停めて写真を撮ってしまうほどその美しさに見とれてしまいます。
昨年は仁淀川ブルーの清流を訪れ、そのあまりにも美しさに度肝を抜かれてしまい、来年も来よう!と心に決めていたので、今年も美しい清流を求め再度四国を訪問しました。
さて、今回訪れたのは瀬戸川渓谷という、四万十川に次ぐ四国第二位の長さを誇る吉野川の支流を流れる瀬戸川の渓谷で、その上流には稲村ダムがあり、国道から遠く離れた山奥にある渓谷です。
渓谷の中には滝が2つあり、渓谷のエメラルドグリーンと迫力のある滝が何とも素晴らしく、奥まった渓谷なので渓谷美を独り占めする事の可能な秘境感溢れるスポットです。
今回はトップシーズンの紅葉ではなく初夏の5月に訪れましたが、生命力あふれる新緑と渓谷のエメラルドグリーンとのコラボもなかなか素晴らしく、気持ちの良い散策となったので、新緑の瀬戸川渓谷の渓谷美と最後に番外編として、近くのおすすめスポットも合わせて紹介したいと思います。
見どころスポット、蛇渕の滝&ぶらぶら橋
国道439号から県道6号に入り、鬱蒼とする細い林道を40分ほど走り抜けると瀬戸川渓谷に到着します。
安居渓谷や中津渓谷、にこ淵のように車で気軽にたどり着ける所ではありませんが、このような分かりやすい案内板が設けてあります。
駐車場は手前と奥のトイレの所にも若干停められるスペースがあるので、どちらからでも入る事ができます。
私は奥に車を停め、まずぶらぶら橋と蛇渕の滝を見に行きました。
遊歩道はきちんと整備されており、渓谷を眺めながら進んで行きます。
5月の時期に訪れたので、木々は緑一色。
ちょうど新緑の時期なので、ご覧の通り遊歩道は新緑で溢れています。
看板には遊歩道の途中にもみじ街道と書かれていたので、恐らく秋には素晴らしい紅葉が楽しめる遊歩道になるでしょう。
もちろん紅葉の季節もいいですが、個人的には新緑の時期も好きです。
若々しい葉って生命力が溢れているので、歩きながらそのエネルギーを感じ取れるし、新芽を見るだけで何故か元気が出るという不思議な現象も起こるんですね。
さて、渓谷を眺めると、やはりこちらも綺麗なエメラルドグリーンになっています。
基本四国の川は街中でもこのような美しい色をしているので、今に始まった事ではありませんが、このような奥まった自然の中で眺めるエメラルドグリーンはやはり特別な光景だと思います。
ほんの数分で橋に到着。
なんとこの橋の名は…”ぶらぶら橋”と言うそうです…
正式名称とかあるのかな?と思いましたが、やはりぶらぶら橋という名前だそうです。
まぁ恐らく渡るとぶ~らぶら~と揺れるからそのような名前になったと、誰が見てもそう思いますよね~
実際に渡りましたが、確かにぶらぶら揺れて少し怖かったです(^^;
ぶ~らぶら~を体験中、ふと下を見ると瀬戸川の渓谷美を味わえます。
5月なので、新緑とエメラルドグリーンのコラボ景観が楽しめます。
秋にはやはり紅葉が綺麗そうですね。
渡り終えてすぐに最初のスポットである蛇渕の滝に到着。
先ほどの橋を渡ると登山道のような雰囲気になり、若干鬱蒼とした道になるので、滝は少しうす暗い場所に流れ落ちています。
落差はそこまでありませんが、勢いのある滝です。
滝壺は深いのでしょうか?濃い緑色なのでそれなりに深いと思いますが、水が綺麗なのである程度見えます。
日差しが当たればこちらも綺麗なエメラルドグリーンに輝いていたでしょうね。
ちなみに蛇渕の滝の奥も道が続いており、時折テープも確認できますが、徐々に不明慮な道になるので進まないようにしましょう。
しかし、しっかりと道として開かれていた面影が残っているので、かつては登山道だったのかも知れませんね。
瀬戸川渓谷最大の見どころ、アメガエリの滝
蛇渕の滝の後は瀬戸川渓谷の中で最も見どころのアメガエリの滝を見に行きましょう!
さて、このアメガエリの滝、一瞬私はアメリカザリガニ??っと読み間違えましたが、どうやらこの滝にも由来があるそうです。
アメガエリのアメは「あまご」というサケ科の仲間で、雨の多い梅雨の時期に多く釣れる事から雨子とも呼ばれ、特に徳島では「あめご」と呼ばれるようになったそうです。
で、そのあめごという魚がこの大きな滝を登る事が出来ず、あめごが諦めて引き返す事からアメガエリの滝という名前になりました。
さぁ由来も分かった事だし、滝へ向かいましょう!
アメゴちゃんも登る事が出来ない滝なのだから、きっと大きな滝に違いないとワクワクしながら降りていくと…
階段を降りてすぐに巨大な滝らしきものが見えて行きましたね!
階段を下り終えると奥に滝が見えますが、ご覧の通り岩がゴロゴロ転がっているので、滝の正面まで行くときは十分に注意が必要です。
巨岩に注意しながら進んで行くと遂にお目当てのアメガエリの滝に到着です。
先ほど歩いた遊歩道沿いの渓谷の清らかな水が岩肌をウォータスライダーのように流れ落ちる様子が分かります。
垂直に流れ落ちる滝ではありませんが、滝は2段に滑り落ち、滝幅はそれなりに広いので音も迫力があります!
また、滝の前には白い遊歩道が何とも絶妙で、滝の正面まで歩くことが出来ます。
この道は自然によるものなのか?人工によって作られたようにも見えなくありませんが、この道のおかげで滝に近づくことが出来ます。
そして、滝の正面にちょうど良い岩が露出していたので、そこに立ってアメガエリの滝とご対面です。
どうでしょうか?ここに立つと流れる勢いと轟音、更に滝しぶきも肌で感じる事ができます。
滝は巨大な岩壁に沿うように流れ落ち、その力強い光景に圧倒されますが、滝壺周辺は綺麗なエメラルドグリーンに輝き、美しさも強調されています。
滝とエメラルドグリーンの景勝地は高知で言えばにこ淵が有名で、実は前日の登山の帰りに訪れました。
確かににこ淵は滝と特にエメラルドグリーンとのコラボが素晴らしく、あまりにも美しい景勝地として有名になり、昨日も多くの方が訪れていました。
ただ有名になりすぎて人が多くゆっくり眺められなかったのも事実です。
にこ淵に比べエメラルドグリーンの色合いは劣るものの、巨大な岩壁から流れ落ちる豪快な滝と滝壺に広がる清流、そして何と言っても人がいないこの秘境感、大自然とたった一人だけが向き合うこの瞬間が何よりも尊く、時間を忘れるほど見入ってしまいました。
滝から先も渓谷が続き、大きな岩がゴロゴロ転がっています。遊歩道はここまでですが、エメラルドグリーンの清流は続いていくんですね。
足元を見ると、やはり水が綺麗!中には色んな石が転がっていて、どれも輝いているように見えます。
さて、アメガエリの滝の他ここにはもう一つ見どころがあり、それがこの盆栽岩です。
周りの岩と比べると一際大きいこの岩のてっぺんを見ると、見事に盆栽になっています!
まるで誰かがこの岩によじ登り、木を植えて日々手入れしているような光景ですが、それにしても確かにこれは盆栽と言っても否定できませんね。
よく見ると苔から何本もの木が生えています。
ここまで育つのに何年かかったのか気になるところですが、他の岩には一切見られず、何故この岩だけに苔や木が生えているのか不思議です!
やっぱり誰かがこの岩によじ登って何年もの間育てたのではないか?とさえ思えてきます。
【番外編】究極のエメラルドグリーン!?息を飲むほど美しい八升渕
瀬戸川渓谷の渓谷美を堪能し終えたらぜひ立ち寄ってほしいのがここ、八升渕。
看板にも書いてある通り、このスポットはエメラルドグリーンに輝く渕が見どころなんですが、そのエメラルドグリーンの色が特に美しく、エメラルドグリーンと強調している通り、息を飲むほど光輝いていました。
全国にはこのようなエメラルドグリーンを強調した景勝地がいくつかありますが、この八升渕も今まで見てきた中でもトップレベルの美しさを誇っています。
しかも不思議なことに、この部分だけ妙にエメラルドグリーンに光り輝き、車で通った時も一瞬で分かるほどその美しさに惹かれました。
近くまで行けないかと思い辺りをうろつくと、ガードレールから下に降りれる道がありました。
しかし、恐らく無理やり降りて出来た道らしく、一番下まで行くにはかなり困難なので、行かれる方は厳重に注意して下さい。
ギリギリまで行こうとしましたが、途中で断念。
行けるところまで行って撮影しました。
やはり近くで眺めてもその美しさは一目瞭然で、水面が川の流れで揺れながらも川底の様子が分かるほど透き通ていました。
これ、完全なる池だったら底まではっきり見えると思いますね。
よく見ると周りが囲まれ、渓谷の一部ですが池のような造りになっています。
そしてこの部分だけエメラルドグリーンの色が濃く更に光り輝き、まるで神様が宿った池のように感じます。
以前東北の山形県で見た「丸池様」という池もこんな感じで、太陽の光が当たるとより一層エメラルドグリーンの色が光り輝き神秘さを増し、地元の人々から丸池様と呼ばれ、立派なお社も建てられるほど崇敬されている池でした。
八升渕周辺には残念ながらお社や神像、石仏等はありませんでしたが、渓谷の一角に光り輝くこの場所には思わず足を止め、その光景は神様の存在を感じてしまうほど、恐ろしくも美しい不思議な感覚に見舞われると思います。
こちらは瀬戸川渓谷へ向かう途中にあるので、瀬戸川渓谷散策後にぜひ訪れて欲しいスポットです。
瀬戸川渓谷、八升渕のアクセス、駐車場
瀬戸川渓谷のアクセス
高知自動車道大豊ICから車で約1時間30分。
県道6号の入口から瀬戸川渓谷までは車で約40分。
瀬戸川渓谷の駐車場
渓谷には無料駐車場有り。
広々とした駐車場です。
また、遊歩道最奥にも停められるスペースが有り、トイレも完備されています。
八升渕のアクセス
瀬戸川渓谷手前に位置します。
看板が小さいので訪れる時は注意深く探しましょう。
駐車場はありませんが、近くに停められるスペースが有ります。
最後に
今回は地図でたまたま見つけた瀬戸川渓谷を紹介しましたが、いかがでしょうか?
瀬戸川渓谷の一番の見どころであるアメガエリの滝は、まるで四国を代表する渓谷スポットである「にこ淵」を思い起こすような滝とエメラルドグリーンの光景を堪能することの出来る景勝地です。
「にこ淵」ほど知名度はありませんが、国道から遠く離れ、奥まった所に位置する渓谷は秘境度も高く、滅多に人も来ないと思うので、渓谷美を独り占め出来ると言うメリットが大きいです。
渓谷には分かりやすい案内板や遊歩道もきちんと整備されており、危険箇所も少ないので安心して楽しむ事もできます。
ただ、渓谷はかなり奥まった場所で、たどり着くまで時間がかかると思うので、訪れる際はきちんと時間を考慮し、入念に計画した上で訪れる事をおすすめします。