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空木岳登山|池山尾根を日帰りで登るコースと山頂からの絶景を紹介!

梅雨も明け、安定した太平洋高気圧に覆われた8月の上旬、今年は久しぶりに中央アルプスの山が登りたいと思い、日帰りで空木岳を登りました。

中央アルプスと言えば木曽駒ケ岳が有名で、ロープウェイで気軽に登れる山として人気を馳せ、百名山にも選ばれていますが、中央アルプスには空木岳と言うもう1つの百名山があり、美しい木曽駒ケ岳とは反面、山頂付近には巨岩群を成し、雄々しい山容が存在感を引き立てています。

木曽駒ケ岳からの縦走コースとしてよく登られている空木岳ですが、今回は少しハードな駒ヶ根高原から往復ピストンの池山尾根コースを選びました。

なので、今回は駒ケ根高原から空木岳山頂までのコースと山頂からの絶景を紹介したいと思います。

登山コース(池山尾根)

今回登った登山ルートは古城公園駐車場から池山尾根をピストンしました。

林道終点まで道路になっていますが、現在は林道終点に一般車両は駐車できないので、駒ヶ根高原の駐車場に車を停めてから登りましょう。

登山口までのアクセス、駐車場

 

中央道駒ヶ根ICから約3分で駒ヶ根高原に到着します。

駐車場は駒ヶ根高原スキー場の無料駐車場の他、駒ヶ池と大沼湖周辺にも無料駐車場があります。

ちなみに古城公園にも駐車場と公衆トイレがありますが、ここから登る人はあまりいないと思います。

古城公園駐車場~林道終点

林道終点まで車で行けると思っていましたが、途中ゲートが閉じられ急きょ古城公園駐車場からスタートする事になりました。

最初から分かっていれば素直に下の登山口から登っていましたが、予想外の出来事だったのでここから登り始めました。

なので、本記事もこの古城公園から順に様子をお伝えしたいと思います。

最初はコンクリートの道路を登っていき、暫くすると「あかつきの塔」というモニュメントに到着します。

どうやらここは展望台になっているみたいで、モニュメントの先に展望台がありますね。

ピラミッド型のモニュメントを潜ると、その先は駒ケ根市と南アルプスを一望できる展望台になっていました。

山に登らなくてもこんなにいい景色が見られます。

さて、あかつきの塔から先も道路が続いていますが、すぐにこのようなゲートがあり、車は通れないようになっています。

昔の古い地図を見ると通れる感じになっていましたが、現在はご覧の通りで車での侵入はできません。

林道終点まで車を進めてそこから登り始めようとしたのに…

まぁ私の事前調査不足だったので、ここはあきらめて歩いて行くことにしました。

緩い坂道が暫く続きます。

車は関係者以外通る事はありませんが、基本車に出くわす事は無いと思います。

緩い車道を歩き続けると正式な登山コースに合流します。

ここからは本格的な登山コースになりますので、気を引き締めましょう。

途中から階段混じりの道になり、地味にキツいですが、林道終点まで辛抱しましょう。

登りきると林道終点に到着します。

ここには車を停めるスペースがあり、かつては一般車もここまで登れたそうですが、現在は関係者の車のみ停められているそうです。

登山者の為でしょうか?

ここにもトイレがあり、使用可能でした。

ちなみに林道終点からもご覧の通りいい景色が広がっていました。

先ほどより高度が増した事がよく分かりますね。

林道終点~空木平分岐

さて、林道終点からもまだまだ道は長いので、早速参りましょう。

出だしからキツいと思いきや意外にも登りやすく、スタート直後はグングン進める道になっています。

暫くすると、篭ヶ沢の岩窟という方面へ向かう分岐点に到着します。

帰りに寄ろうかなと思いましたが、時間があまりなかったので寄りませんでした。

岩窟なので物凄く気になるところですが…

その後も緩い坂道を登っていき、分岐点に到着。

地図で確認すると、どうやら池山という山が途中にあり、そこを経由するコースと経由せずに向かうコースに分かれるみたいですね。

私は池山に立ち寄らないコースを選択しましたので、池山には行きません。

どんな山なのでしょうか?

池山方面でないので、今までのような緩い道が続きます。

こちらは藪が多いコースですが、きちんと整備されているので不快感はありません。

暫くすると水場に到着です。

神社にある手水鉢のような形の入れ物にこんこんと水が流れています。

山頂まではまだ長いので、水に不安の方はここで調達しましょう。

実はここも分岐点になっていて、それぞれの案内が書かれています。

向かうのは尻無方面ですが、ルートが2つありますね。

2つの内、1つは登りでしょうか?

しかし、歩行時間を見るとどちらから行っても変わらないようです。

なんでルートが2つあるのだろう?

水場の分岐点から先は平坦な箇所も見られました。

ここまで急な上り坂や岩場は特に無く、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根に比べて非常に登りやすいコースです。

黒戸尾根は最初から容赦ない登り坂攻撃でしたからねぇ…

そして尻無というポイントに到着。

どうして尻無というのか分かりませんが、標高がもう2000m近くある事に気づきました。

尻無って何だろう?

尻が気になってなかなか前へ進めませんが、時間もあれなので先に進みましょう。

徐々に登りも角度がついてきて、歩くと汗ばむようになってきました。

朝の6時を過ぎたのですが、日が当たらないとまだまだ暗いです。

マセナギという所に到着。

ここまで特に急登は無く、上りやすいコースが続きました。

さて、後半はどのようなコースなのでしょうか?

次の迷いの尾根というのも気になりますが…

後半も目立った急登は無く、上り下り平坦を繰り返すコースになっています。

どうやら尾根ルートいう道らしく、この辺りは白樺の木が多数見られ、何ともいい雰囲気のある尾根です。

白樺の木に気を取られていると、途中からハシゴも登場し、徐々に険しい登山道に変化していきます。

私的にはこのようなハシゴや鎖ももっと登場してほしいです。

ここに来てようやく鎖場や岩場も出始めます。

しかし、レベル的にもそこまで困難な箇所ではないので、サクッと進めます。

そしてここが一番の難所でしょうか?

地図では大地獄、小地獄と書かれ、どうやらこの鎖場がそれのようです。

見た目はヤベーですが、実際に登ってみるとこんなものか~と思えるレベル。

登り終えて振り返るとこんな感じ。

下りは慌てずしっかりと三点支持で下りましょう。

その後は目立った鎖場は登場せず、細い登りが続き、迷い尾根というポイントに到着しました。

名前からしてちょっと縁起の悪い場所ですが、特に迷いやすい箇所ではないので、ここはスルーです。

相変わらず階段と岩の組み合わせの登山道が続き、まだまだ展望は開けませんが、この登りには花がたくさん咲いていました。

種類はそれほど多くないですが、綺麗に咲いていました。

何の種類だかは分かりませんでしたが…

そしてヨナ沢の頭という箇所に到着。

先ほどの尾根道より若干ですが、少し明るくなってきました。

そろそろ展望が開けてくるかもしれませんね。

しかし、進んでもまだ展望の無い尾根道が続きますが、ヨナ沢の頭から先は比較的平坦な道になります。

平坦な道を終えると再び登りに差し掛かりますが、こちらもそれほど急ではないのでスムーズに進めます。

この辺りから時折中央アルプスの主脈がちらほら見え始めます。

長い時間展望の無い登山道を永遠と歩いてきたので、このような光景を眺めるとテンションが上がりますね!

時折木々の隙間から現れる中央アルプスに目を奪われながらも遂に空木平分岐に到着です。

この分岐点は奇岩である駒石と避難小屋に分かれるコースになります。

歩行時間は若干駒石方面の方が長いですが、駒石は圧倒的なスケールの石で、この石は間近で眺めたい石なので駒石方面から登りました。

空木平分岐~空木岳山頂

空木平分岐から先は、待ちに待っていた展望コースに差し掛かります。

今まで長い時間、展望なしの暗い登山道でしたが、ここから先は素晴らしい景色を堪能しながら登っていきます!

それと同時にこの辺りから森林限界も突破し、いよいよアルプスを登っているという自覚が湧いてきます!

暫く歩いて振り返ると南アルプスの全貌がよく見えますね。

歩いては止まって写真を撮るの繰り返しで、なかなか先に進めません…

歩く事すぐに、何やら巨大な石が出現します。

あれが噂の駒石ですね!

駒石に到着しました!

改めて駒石を間近で眺めると、あまりにも大きく、何度も見上げてしまいます。

少し遠くから眺めると、そのスケールが何となく分かると思いますが…モンスターのような巨大な怪物にも見えますね!

駒石に登っている人も見られますが、私はちょっと遠慮しときます…

駒石から先も所々巨岩が目立ちますね!

しかし、残念ながら名前は付けられていないようで、名もなき巨岩という事になります。

山頂に近づくに連れ、景色も更によくなってきました。

振り返ると南アルプスや八ヶ岳が一望でき、歩いてきた稜線もご覧の通りいい感じになってきます。

山頂に到着してから恐ろしいスピードでガスが襲ってきましたが、登っている間はまだ中央アルプスの主脈たちもはっきりと見えます。

ちなみに、中央アルプスの奥には北アルプスも僅かですが見えました。

南アルプスもそうですが、空木岳もご覧のような花崗岩と砂道が時より姿を見せてくれます。

天気が良いので、青と白のコントラストが何とも美しいですね。

その後も巨岩と白い砂浜のような登山道を登っていきます。

相変わらず素晴らしい景色です。

そして遂に駒峰ヒュッテに到着。

水が足りなかったので、この山小屋で水を購入しました。

避難小屋コースとはここで合流します。

外のベンチからの景色も素晴らしく、木曽駒ケ岳方面の山がよく見えます。

ここで休憩や食事をしたら気持ちよさそうですね。

さて、ここまで来たら山頂まであと少しです!

意外にも最後は急登が待っていました。

スタートから長い距離を歩き、比較的緩やかな登山道でしたが、最後はやはりキツさを感じました。

空木岳山頂からの絶景

そして遂に空木岳山頂に到着です!

山頂は360度の大絶景で、南は南アルプスの全貌と、北には木曽駒ケ岳方面と奥に北アルプスの山々、更に近くには御嶽山と乗鞍岳も見えます。

まず最初に目に飛び込んできたのは、木曽駒ケ岳へ続く稜線と宝剣岳がよく見えますね。

残念ながらガスで北アルプスは少し微妙です。

反対側は南駒ケ岳方面の稜線が見えます。

南駒ケ岳は二百名山ですが、百名山の山に負けないくらいどっしりとした風貌を成しています。

あちらまでの縦走も楽しそうですね。

南を向くと今まで歩いてきた道と奥には南アルプスがご覧の通り眺められます。

南アルプス方面はガスっていないようですね。

さて、拡大コレクションと行きましょう。

中心の尖った岩峰が宝剣岳で、その左奥が木曽駒ケ岳山頂でしょうか?

拡大するとその様子がよく分かります。

残念ながらロープウェイは見えませんね。

少しズームアウトするとこんな感じ。

中央アルプスは地味と言われますが、そんなことはありませんね!

木曽駒ケ岳の左斜め後ろには北アルプスの山々も見えます!

分かりにくいですが、中央に槍ヶ岳が見えますね!

ガスが発生しなければもっとはっきり見えていたはずです。

ほとんどガスで全体の姿を確認できませんが、たぶん御嶽山だと思います。

中央アルプスから眺める御嶽山は立派で、こちらは全体を眺めたかったですね。

左から鋸岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳と南アルプスの名山がずらりと並んでいます。

実は富士山も見えるんですね!

山の後ろにちょこんと山頂部だけ顔を覗かしているのが分かります。

最後に山頂部の様子を。

山頂は岩が多く、所により足場が悪い箇所もあるので、写真を撮る時は注意が必要です。

南駒ケ岳方面へ少し散歩

思ったより早く山頂に到着できたので、時間の許す限り南駒ヶ岳方面へ歩いてきました!やはり縦走は楽しく、木曽駒ヶ岳から永遠に歩きたいものです。

今回は日帰りという事で、空木岳の山頂のみ登りましたが、やはりアルプスは縦走してなんぼなので、日数に余裕があれば縦走してみたいと思います。

途中まででしたが、こちらのコースの景色も見事でした。

下山後のおすすめ温泉と食事

こまくさの湯

下山後の温泉は中央アルプス通りにあるこまくさの湯がおすすめです。

登山口から恐らく一番近く、気軽に立ち寄りやすい温泉施設です。

開放感あふれる露天風呂も完備され、メニュー豊富な食堂もあるので、下山後はぜひこまくさの湯へ行かれてみてはいかがでしょうか。

【公式サイト】

www.komakusanoyu.com

ソースカツ丼を食べるなら明治亭

駒ヶ根名物と言えば何と言ってもソースカツ丼です。

元々街おこしの一環で始まった駒ヶ根名物で、4月27日は駒ヶ根ソースカツ丼の日という記念日も設けられるほど、駒ヶ根に浸透した名物です。

駒ヶ根のソースカツ丼は見ての通り、まるでわらじのような超巨大とんかつになっています。そのとんかつにはソースがたっぷりしみ込まれ、大量のキャベツが敷きつめられた上に、豪快に乗せられています。

濃いめのソースは、登山で疲れ切った体にはうれしい味付けとなっているので、登山後はぜひ駒ヶ根名物のソースカツ丼がおすすめです。

明治亭はこまくさの湯の目の前と駒ヶ根インター近くの2店舗あり、こまくさの湯の目の前の明治亭は営業時間が短いので、時間を逃したらインター近くの明治亭に寄りましょう。こちらは夜まで営業しています。

【公式サイト】

meijitei.com

最後に

今回は中央アルプスの名峰、空木岳を日帰りで登れるルートを紹介しました。

駒ヶ根高原から往復の日帰りですが、意外にも急登は少なく、高低差の割に登りやすいコースでした。

主脈縦走で空木岳山頂へ向かうより岩場が少なく、岩場や鎖が苦手な方は駒ヶ根高原から登る事をおすすめします。

難所は少ないものの、それなりに時間はかかるので、じっくり計画してから空木岳を登りましょう。そして下山後は、こまくさの湯に浸かり、ボリューム満点の駒ヶ根名物、ソースカツ丼を食べてみてはいかがでしょうか。