素晴らしき日本の景色たち

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伊予ヶ岳登山|千葉のマッターホルンを日帰りで登ってみた!

まだまだ寒さが優勢な3月上旬、スリルを味わえる低山で有名な千葉県の伊予ヶ岳を登りました。

千葉県には1000mを越える山が1座も無く、登山者にとっては物足りない標高と感じますが、この伊予ヶ岳は標高336mにもかかわらず、県外から多くの登山者が訪れる事で有名です。

その理由は「千葉のマッターホルン」と呼ばれ、山容は低山ながら存在感があり、山頂付近の岩場にはスリル満点のロープ場が設置され、歩行距離は短いものの非常に登りがいのある山だからです。

今回は朝一番に千葉のマッターホルンを登り、下山後時間が余ったので、ついでに近くの鋸山にもお邪魔し、登山と同時に鋸山観光も楽しみました。

天気も良く、素晴らしい景色も堪能できたので、伊予ヶ岳山頂の光景と登山道を紹介したいと思います。

伊予ヶ岳のアクセス、駐車場

アクセス

 

鋸南富山ICから車で約10分で登山者駐車場に到着。

電車の場合はJR岩井駅を下車し、バス(市営路線バス富山線・トミー号)に乗り天神郷で下車。約25分で到着します。

【外部リンク】

www.city.minamiboso.chiba.jp

駐車場

駐車場は登山口すぐ隣の神社の目の前に約20台ほど停められます。(無料)

トイレも駐車場の隣に完備されていますが、水洗和式でした。

伊予ヶ岳とは

伊予ヶ岳は南房総市に位置する標高336mの山で、富山、御殿山と共に富山三山の1つに数えられています。

山名に注目すると、”伊予”という文字が付いていますが、伊予とは現在の愛媛県を示し、「伊予の大岳」と称される西日本最高峰、石鎚山からきており、伊予ヶ岳とはつまり、霊峰石鎚山を思い起こす山容から名付けられたそうです。

山中には修験道を思わせる祠や岩場があり、かつては信仰登山として多くの修験者が登られていたと思われ、その証拠に伊予ヶ岳には天狗伝説も語られています。

伊予の霊峰石鎚山の他、現在は「千葉のマッターホルン」という名で知られ、確かに麓から眺めると天を穿つ岩峰、マッターホルンのように見えるかもしれません。

そんな伊予ヶ岳は麓から山頂まで50分程度で到着でき、山頂直下には低山とは思えないスリルを味わえる長いロープ場もあり、短時間で多くの体験をできる非常におすすめな山です。

平群天神社~分岐点、展望所

駐車場の目の前に平群天神社が鎮座されています。

その後ろ奥には伊予ヶ岳の岩峰が聳えているのが分かります。

天神社なので、御祭神はもちろん学業の神様で知られている菅原道真公です。

霊夢によって北野天満宮から勧請されたと書かれていますが、御祭神には木花之佐久夜毘売命や、天照大神、建御名方神などが祀られているので、他にも由緒がありそうな気がします。

さて、神社のすぐ隣には山頂へ向かう登山道があります。

案内看板に従って進みましょう。

暫く舗装された道を進んでいくと、大きな登山口看板に到着します。

ここから本格的な登山道に入るので、気を引き締めて参りましょう。

ふと見上げると…

そこには山頂部が見えますね!位置的に南峰でしょうか?

拡大するとポールのようなものが見えますが、あそこを歩くとなると少し心配になります。

最初は広い道で、この辺りまでは車が入れるくらいの広さになっています。

徐々に道幅も狭くなり、いよいよ登山道らしさを感じる道になってきました。

いきなり、竹藪と笹が大量に生えている道になります。

所により竹が倒れかけているので、注意しながら進みましょう。

登山口から竹、笹の道はやはり、低山ハイクを思わせる光景ですね。

出だしから急登と思いきや、意外にも平坦な道が続き、途中には整備された道も見られます。

いきなり急登が来るのか不安ですが…

不安ながらも足を進めても急登はありませんでした。

むしろ登りやすい道が暫く進みます。

そして、早くも分岐点に到着。

ここから伊予ヶ岳山頂とすぐ隣に聳える富山方面へ進む道に分かれます。

下山後そのまま富山を目指すのもアリかもしれませんね。

分岐点から先は更に道が細くなり、先ほどよりも角度が急になってきた様子です。

が、急登までは行かないので、安心して進む事ができます。

暫く進むと徐々に険しさを増してきます。

所々岩が露出した道にも出くわし、ロープが垂れ下がった道も出現します。

分岐点から数分歩くと展望所に到着します。

ここからいよいよ核心部に差し掛かりますが、その前に絶景をこの場で味わいましょう。

展望所には東屋の他、テーブルとベンチが設置され、南東から南西にかけて展望が開けていました。

山頂からの方が景色はいいと思いますが、休憩しながらこの光景もなかなかのものですね。

ちなみに展望所から先にも道が続いていましたが…

すぐに行き止まり?というか、先に進むのはまずそうな道になっていたので、引き返しましょう。

行こうと思えば行けそうですが、地図には記されていないので、恐らく進むのは危険かと思います。

ちなみに、展望所から山頂部を見上げると、先ほど麓から見えたポールと鎖が見えますね!

本当に断崖という感じで、早くあそこに立ってみたいです。

分岐点~核心部、ロープ場!

さて、ここからいよいよ核心部に参りたいと思います。

しかし、出だしから物凄い注意を促す看板が目立ちます!

こんな事を書かれたら少し萎えますが、ここまで来て引き返すわけにもいきません!

煽り看板から先は壁のような登山道が待っていました。

どうやらここから先は暫くロープを登らなければならないようだ。

やばそうなオーラーを放っていたロープ場ですが、最初は登りやすい岩壁でした。

下を眺めるとこんな感じ。

意外にも足をかける所が多く、すんなり進めると思います。

そして、途中やたらキケン✖と煽るルートに差し掛かります。

もしかしてここが…

と、嫌なことを想像しましたが、ここは矢印の通りに進みましょう。

まるで、危険ゾーンを迂回するような形になっていますが…

迂回し危険ゾーンを見下ろしましたが、どこが危険なのか分かりません。

まぁとりあえずは指示に従ってここまで登りました。

さて、ここから先もまだまだロープ場が続きそうですね。

どんな難所が待っているのでしょうか。

そして、恐らくここが真の核心部だと思います。

見上げるといくつものロープがぶら下がっています。

まずは手前のロープを登り真横にトラバースしてから、あのぶら下がったロープを登る形になります。

トラバースし、振り返る。

幅は狭く少し怖いですが、断崖を渡るわけではないので、そこまで心配する必要はないかと。

ロープは4本?あります。

どれを使うかは自由ですが、登りよりも下りの方が怖そうですね。

完全に壁を登るような感じになっていますが、3点支持を上手く使えばそんなに難しい場所ではありません。

登り終え、上から見下ろすとこんな感じ。

振り返り、怖そうな写真を撮ってみました!

実際はそこまで怖くありませんが、この写真だとめちゃくちゃ怖そうなロープに見えますね!

まるで妙義山の鷹戻しの鎖場のような写真が撮れましたが、あそこも実際そこまで怖くなかったですね…

核心部を越えてもロープ場と岩場は続きます。

が、この後は比較的楽しめる範囲で進む事ができます。

山頂が近づいてきたのでしょうか?

視界が広く、青空が目立ってきました。

山頂付近の登山道は岩がメインですが、特に危険個所はありません。

伊予ヶ岳南峰からの景色

そして遂に南峰の山頂エリアに到着です。

山頂にはテーブルとベンチ、その後ろには標識が立てられています。

標識には336.6mと書かれていますが、3366mにも見えるような気がしますねぇ…

3366mって北岳よりも高いんですが・・・

それはさておき、恐怖のロックブリッジを渡りましょう。

両サイドは断崖で、スパッと切れています。

地面は不安定で歩きにくいので、先へ進む時は慎重に進みましょう。

下を見るとこんな感じ。

落ちたら…まず助からないでしょうね。

数メートルのロックブリッジの先端からは素晴らしい景色が広がっています。

正面の猫耳の山は富山で、富山三山の1つです。

富山三山なのに、名前が富山ってなんか変ですね~

見事な猫耳ですが、風貌は何となく尾瀬の燧ケ岳に似ているかも?

少し視線を右にすると、東京湾が見えますね!

春霞のせいか、視界が思ったより良くなく、本来であれば富士山や伊豆半島もはっきり見えるはずなのですが、残念ですね。

左方面も奥には山々が見えますが、あちら側も標高200~300mくらいの山でしょうか?

千葉県特有の低山連峰が続いています。

あのどこかに富山三山の最後、御殿山があるはずです。

ちなみにすぐ隣には北峰が聳えています。

標高はあちらの方が低いと思いますね。

北峰奥を眺めると、ギザギザした山並みが確認できますね。

あれは恐らく鋸山方面だと思います。

あちらにはロープウェイで気軽に登れる山で、かつては採石場として開かれた山ですが、現在は完全に観光の山になりましたね。

しかし、さすがに先端に立つと少し怖いです。

覗こうと思えば行けますが、ここは大人しくしましょう。

しかしまぁ穏やかで、高い山ではなく見事な丘陵が広がっていますね。

高山の絶景もいいですが、このような光景も和みます。

南峰~北峰

さて、南峰の景色を楽しんだので、最後に北峰まで歩きましょう。

北峰までは南峰から一旦下り、再び登る形になります。

鬱蒼とした登山道で、展望はありません。

が、途中先ほどまでいた南峰を眺めるポイントがありました。

なんと!ちょうど人がいて、歩くところを撮る事ができました。

先ほど歩いた先端があんな怖い所になっていた

というか、鋸山の地獄のぞきに少し似ている気がしますが、いかがでしょうか?

そして最後の登りを終えると北峰に到着します。

北峰は南峰と違い、怖い岩場ではなく平らな地面が広がっているだけです。

ちなみに、北峰には三角点がポツンと設置されるだけで標識はありません。

シンプルな広場になっています。

景色も先ほどの南峰とほとんど変わりませんが、こちらの方が視界は狭いです。

南峰もよく見えます。

相変わらず恐ろしい箇所に展望所がある事が分かると思います。

さて、実は北峰には祠と書かれた看板があり、どうやら下れるルートがあるので行ってみました。

入口から急な下りで、ロープが垂れ下がっているので、しっかり握りながら下りましょう。

意外にもこの場所は急な下りなので、注意しながら進みましょう。

そしてすぐに祠の場所に到着します。

そこは展望の開けた場所で、ここからもなかなかの景色を味わう事ができます。

そこにはポツンと一基の祠が安置されています。

麓の看板には山頂付近に少彦名命の祠があると書かれていました。

果たしてこれがそうなのか分かりませんが、祠を見ると中に多くのお賽銭があり、今でも崇敬されているのが分かります。

ちなみに、北峰奥にも道が続いていました。

少し進むと徐々に道幅が狭くなり

房総半島屈指の観光スポット、鋸山も訪れよう!

伊予ヶ岳からすぐ近くにある鋸山は”地獄のぞき”というスポットで有名な観光スポットです。江戸時代から採石が盛んに行われ、山にはいくつもの石切場が確認でき、現在でも生々しい丁場跡を見学する事ができます。

また、山中には1300年の歴史を誇る日本寺が建立され、至る所に石像や羅鑑像が安置され、特に日本寺には日本一の大きさを誇る石仏など、見所満載です。

信仰としての山から採石としての山まで幅広い歴史を持つ鋸山は現在ロープウェイで簡単に登れる山になっていて、日本寺を中心に石仏や羅鑑像巡りから採石によって繰り広げられた奇景を巡るハイキングなど幅広く楽しめるスポットになっているので、伊予ヶ岳を登り、時間に余裕がある方はぜひ立ち寄ってみて下さい。

www.mt-nokogiri.co.jp

最後に

いかがでしょか?

低山が連なる千葉県の名山、伊予ヶ岳は迫力満点の登山道を有する山でした。

山行時間も少ないので、下山後は鋸山に足を伸ばす事も可能で、伊予ヶ岳と同時に鋸山の奇景を楽しむ事もおすすめです。

また、伊予ヶ岳は関東百名山にも選ばれているそうで、関東周辺で登山をお考えの方はぜひ登られてみてはいかがでしょうか。