9月の19~21日は再び東北地方へ旅に出ました。
初日の19日は津軽半島に位置し、日本百名山最北の山である岩木山に登りました。
岩木山は広々とした津軽平野に突如美しい裾を伸ばしながら雄大に聳え、まるで富士山のような姿から津軽富士と呼ばれています。
標高は1625mとそれほど高くない山ですが、実際に目の当たりにすると思わず立ち止まって見入ってしまうほど美しく、ひと際目立つその姿は古来より神の山と崇められ、信仰の対象になっていたそうです。
また、山頂からは360度の大パノラマが楽しめ、北は津軽半島、南は岩手山や鳥海山、白神山地も眺める事ができます。
山頂まではいくつかのルートがありますが、今回は岩木山の麓に鎮座する岩木山神社から山頂を目指す百沢コースで山頂に向かいました。
山頂からの絶景の他、登山道の様子や注意点等をお伝えしたいと思います。
- 岩木山百沢コースのアクセス
- 岩木山神社駐車場~登拝口
- 登拝口~登山道入口
- 登山道入口~鳥海山
- 鳥海山~岩木山山頂
- 岩木山山頂の様子
- 岩木山山頂からの絶景
- 津軽岩木スカイラインからリフトを経て山頂へ
- 下山後の温泉は百沢温泉へ
- まとめ
岩木山百沢コースのアクセス
車の場合
最寄りのインターは大鰐弘前ICで、インターから40分くらいで岩木山神社の正面駐車場に到着します。
正面鳥居前が駐車場になっていて、十数台くらい停められます。
バスの場合
バスの場合はJR奥羽本線弘前駅より弘南バスで約40分、岩木山神社前で下車。
バスの時刻表はこちら↓
岩木山神社駐車場~登拝口
駐車場の目の前には鳥居があり、いよいよ山頂までの長い登山が始まります。
鳥居の横にはトイレが完備されています。
山頂までトイレはありませんので、注意してください。
最初は長い参道を歩いていきます。
大きな楼門を越えると拝殿前の中門に到着します。
ここを左に曲がると
登拝口に到着します。
岩木山神社は岩木山を御神体とされ、それはつまりここから先の奥宮まで通じる登山道も神域なので、気を引き締めて登りましょう。
登拝口~登山道入口
最初は趣のある古い杉の木に囲まれた道を歩きます。
ここらへんは緩い登りなので、安心して登れると思います。
しばらく進むと桜林公園に差し掛かります。
ここはキャンプ場にもなっていて、夏には多くの観光客で賑わいそうです。
登山道入口直前はスキー場になっています。
そのため、広々とした道になっているので歩きやすいです。
正面には大きな岩木山が聳えています。
登山道入口~鳥海山
スキー場を過ぎると、いよいよ本格的な登山道に差し掛かります。
今までは全て緩い上り坂ですが、ここからは急登も登場し、しかも単調な道が続き展望も全く無いので意外に辛く感じます。
登山道入口から地味に長く急な道を抜けると、避難小屋である焼止ヒュッテに到着します。
ようやくこの辺りから展望も良くなってきますので、ここからの登りはなかなか楽しいです。
ここから先は水量の少ない小さな滝の横を登っていき、登山道も岩が中心となりますので、しっかり見極めながら登って行きましょう。
しばらく登ると徐々に視界が開けてきます。
そして、百沢コース唯一の水場である錫杖清水に到着します。
冷たくて美味しい霊峰岩木山の天然水、ぜひ味わってみて下さい。
錫杖清水から更に進むと何やら怪しい巨大な岩が現れます。
巨大な岩の手前には小さな池が現れます。
これは種蒔苗代という池で、登山者が米や銭を紙に包んで放り投げ、その年の農作物の吉凶を占ったそうです。
分かりにくいですが、池の左側に道が続きここを登っていきます。
登りきると道が左右に分かれ、左は鳥海山及びリフト方面
リフト方面手前には先ほどの巨岩が聳え、奥には鳥海山の噴火口を眺める事が出来ます。
江戸時代の噴火を最後に落ち着いた岩木山
草に覆われていますが、確かに噴火活動が行われていた事が分かります。
山頂に向かうには右のルートを進みます。
写真のように、避難小屋の鳳鳴ヒュッテから先は二のおみ坂という急な岩場が待ち構えています。
鳥海山~岩木山山頂
二のおみ坂の様子
大きな岩が転がり、しかもかなり急な為に注意が必要です。
途中から振り返ると急斜面の様子が分かると思います。
奥は鳥海山の噴火口です。
山頂直前まで容赦なく巨大岩が登山者を襲います。
そしてこの岩場を抜けると、いよいよ大パノラマが待ち受けています。
岩木山山頂の様子
二のおみ坂を登り終え、遂に岩木山山頂に到着しました。
360度の大展望の前に、山頂の様子をお伝えします。
山頂には岩木山山頂と書かれたおしゃれなモニュメントがあります。
日本百名山本州最北の頂上にようやくたどり着いた感を味わえます。
また、モニュメントには写真のように鐘が付いていますが、大きな音が出るので鳴らす時は周りを見てから鳴らしましょう。
山頂はご覧の通り容赦なく大きな岩で敷き詰められています。
山頂内を移動する時は注意が必要です。
所々寛ぐのにちょうど良い岩もあるので、岩に座って展望を楽しむ事も出来ます。
山頂には有難い事にトイレもございます。
トイレもまたおしゃれな建物です。
山頂には岩木山神社の奥宮が鎮座しています。
岩木山神社の伝えによると、780年に山頂に社殿が建てられ、
また、神仏習合時代はこの奥宮に三体の仏像と神像が安置されていたそうです。
岩木山山頂からの絶景
独立峰は遮るものが一切ないので、360度の絶景を楽しめるのが醍醐味です。
岩木山からの景色も素晴らしく、何枚も写真を撮りたくなってしまいます。
写真は奥宮とその先に見えるのは八甲田山。
弘前市もご覧の通り一望できます。
探すのを忘れてしまいましたが、弘前城も見えるそうです。
先ほどの写真にも写っていましたが、鳥居の前に何やら怪しい石が置かれています。
昔の写真を見るかぎり置かれていない事から、誰かがここに置いたと思われます。
それにしても、絶妙なバランスを保っています。
南方面には岩手山が見えます。
写真の中央の奥に尖がった山が岩手山です。
奥宮から麓の方を眺めると、スキー場と里宮の岩木山神社が見えます。
拡大すると写真の上部中央より少し右の所に鳥居が見えると思います。
北方面は津軽半島を望む事が出来ます。
また、日本海も良く見渡せます。
東方面手前はごつごつした岩を含む厳鬼山です。
岩木山は西の鳥海山と真ん中の岩木山と厳鬼山の三つのピークで成り立っています。
奥には八甲田山も見渡せます。
南西方面
世界遺産である白神山地がよく見えます。
手前の山は鳥海山の山頂部です。
拡大すると標識のようなものが立っているので、そこまで行けるようです。
運が良ければ、秋田の鳥海山や秋田駒ケ岳も確認出来るみたいですが、この日は確認出来ませんでした。
津軽岩木スカイラインからリフトを経て山頂へ
岩木山は昭和40年に岩木山スカイラインが開通し、8合目までは車で登る事が可能になり、更にリフトもできたので、山頂までは歩いて30~40分程度で登れるようになりました。
コースは鳥海山の火口の横を通り、鳳鳴ヒュッテを経て山頂に向かうルートです。
気軽に山頂にたどり着けるため、登山者の中にはラフな格好で二のおみ坂を登られている人も多数見られました。
下山後の温泉は百沢温泉へ
岩木山神社の駐車場前にはお土産屋や温泉宿が多数見られます。
中でもおすすめなのは、岩木山神社から車で1、2分程で到着する百沢温泉です。
濁り湯で温度は高めですが、登山後の体に凄く癒されます。
詳しくはこちらをご覧ください↓
まとめ
今回登った百沢コースは岩木山神社からスタートし、また、毎年旧暦八月一日に行われるお山参詣の際に登る歴史と伝統のある登山道です。
岩木山神社から焼止りヒュッテまで展望はなく、急な上り坂が続き、更に山頂直前の二のおみ坂は急な岩場の続く登山道と厳しい道のりですが、山頂からは津軽半島や日本海、弘前市街など文句なしの大展望を目の当たりにする事ができ、帰りたくないと思えるほど素晴らしい景色を味わえます。
また、リフトを使えば山頂まで1時間もかからない為、体力に自信のない方にも絶景を楽しむ事の出来るおすすめの百名山です。
ぜひ、本州最北の百名山の絶景を仰いでみてはいかがでしょうか。