日本一の高さを誇る富士山は静岡県と山梨県の県境に聳え、美しい裾野を広げたその姿はどこから眺めても見応えがあり、周辺には多くの富士山ビュースポットが存在しています。
また、富士山周辺には円を描くように山々が立ち並び、標高も2000m未満の為、富士山周辺の山からは町や湖を始め、雄大な富士山をちょうど良い標高から眺める事ができ、ある意味地上で富士山を眺めるよりも山から眺める方がお得な気分になるのではないかと思います。
そんな富士山ビューおすすめの山が多数ある中、今回は忍野村に位置し、山頂から眺める富士山が素晴らしい事で有名な杓子山を鳥居地峠から登りました。
山頂までの登山道の様子や注意事項、そして山頂からの展望と周辺のおすすめスポットをお伝えしたいと思います。
杓子山のアクセス、駐車場
アクセス
東富士五湖道路の山中湖ICから約10分程度で鳥居地峠に到着します。
駐車場
鳥居地峠登山口前に5台ほどの駐車スペースがあります。
ちなみにトイレは登山口から杓子山山頂まで一つもありません。
なので、一番近いであろう忍野八海にある公衆トイレを利用する事をおすすめします。
杓子山とは?
杓子山は標高1597mの道志山塊に属する山であり、山頂は遮るものが一切なく、まさに富士山を眺めるために用意されたのではないかと思うほど素晴らしい展望が広がる山です。
更に富士山だけでなく、富士吉田市から忍野村の町並みや山名湖も一望できる山として知られ、山梨百名山にも選ばれています。
鳥居地峠~高座山
杓子山は主に不動湯から直接杓子山山頂に登るコースと、鳥居地峠から高座山経由で杓子山山頂を目指すコースがあります。
今回はアップダウンの激しい高座山経由で行ってみたいと思います!
スタート直後は登山道というより車道を歩く感じになっています。
ほとんど車が通る事はないと思うので、安心して進めます。
途中倒木がありました。
木を避けて進む事も出来ましたが、杓子山へ向かう別のルートがあったのでそちらを利用しました。(本来は倒木も無くそのまま進めます)
こちらのルートは道幅が狭く所々急な道もありますが、整備された登山道なので特に心配する程でもなかったです。
ここで本ルートと合流します。
ここから高座山まではご覧の通りススキが広がる道となり、
振り返るとすでに富士山の姿が確認でき、常に富士山を眺めながら登れるコースになっています。
高座山経由で一番の難所と言っても過言ではない急登が見えてきました。
高座山山頂までに急登はこれを含めて2箇所あり、どちらもかなりの急勾配なので、滑らないように心がけましょう。
それにしても辺り一面ススキが見事に広がっています。
富士山の展望も良いですが、この光景もなかなか素晴らしいですね。
やはり、ススキの見頃である秋に登る方がお得かもしれません。
見上げると…
まるで壁を登っている様に感じるほどかなり急です。
私個人的にはストックは使わない派ですが、この急勾配に関しては正直頭の中でストックが欲しいと、何度も頭の中でつぶやきました。
登った急勾配を振り返る。
帰りが心配になるほどの角度です。
しばらく歩き振り返ると一面ススキが広がり、富士山とのコラボがまたいい感じです。
ここはある意味撮影スポットかもしれません。
素晴らしい景色を堪能し、いい気分になってもすぐに急登はやってきます!
2回目の急登は親切な事に、ロープが設置されているのでロープを頼りに登れます。
しかし相変わらずこの角度なので、一筋縄ではいきませんでした。
また、この日は坂に霜柱があった為に行きはそこまで問題無かったのですが、帰りは溶けて滑りやすかったので(実際帰りにこけた)注意が必要です。
おまけに霜柱が溶けだした所のロープは濡れていたので、手がぐちゃぐちゃになってしまいました…
霜柱の影響の無い季節に登るのが望ましいのかもしれません。
高座山に到着しました。
山頂は寛げるスペースもあり、展望はご覧の通り富士山がよく見えます。
高座山~杓子山
ここから杓子山までの道のりは先ほどのような急登はありませんが、
所々急な登りや下りがありますが、基本は安定した登山道になっています。
3月中旬に訪れましたが、ご覧の通りまだ雪が残っていました。
アイゼンを着ける程ではありませんが、雪道となると慎重に進む必要があります。
途中、ハンググライダーの離陸場がありました。
インストラクターと2人でフライトも可能なので、全くの初心者でも体験できるそうです。
この日の様な穏やかな日に、大きな富士山を眺めながらのフライトは気持ちよさそうですね。しかし、離陸台がこの様な形だと少し怖い気もしますが…
体験飛行の申し込みは毎日行っているそうなので、興味のある方は飛んでみてはいかがでしょうか。
【公式サイト】
ハンググライダーの離陸台から先はひたすら登りが続きます。
道幅が狭くなったり急なジグザグ登りが待ち構えていますが、ここを乗り切れば素晴らしい景色を堪能出来るので、ここは辛抱しましょう。
杓子山山頂からの景色
辛い登りを終え山頂に着いた途端、嘘のように視界が広がり、後ろを振り向くと裾野を広げた富士山が堂々たる姿で聳え立っている光景を目の当たりにする事が出来ます。
遮るものが一切ない為に、360度の大パノラマを楽しむ事の出来る山頂です。
山頂には多数の標識が建てられ、どの標識で記念撮影しようか迷ってしまいます。
個人的にはこの天空の鐘と書かれ、実際に鐘を鳴らす事の出来るおしゃれな標識が気に入っています。
遮るものが無いため、鐘を鳴らすと辺り一面に音が響くのがよく分かります。
訪れた際に鳴らしてみてはいかがでしょうか。
右下は富士吉田市が広がっています。
よく見ると富士急ハイランドも確認する事ができ、更に奥に目を向けると南アルプスの山々も眺める事が出来ます。
左下は忍野村とその奥は山中湖を確認出来ます。
後ろには山に囲まれた都留市が見えます。
奥は丹沢まで見渡す事が出来るそうです。
杓子山は独立峰ではなく、道志山塊の一部なので縦走登山も可能な山なので、ここから先は石割山、山中湖まで続き、更に先の山まで歩く事が出来ます。
時間に余裕があれば富士山を眺めながら縦走登山も楽しめますね。
山頂の様子
狭すぎず広すぎずではなく、ちょうど良い広さの山頂になっています。
山頂にはテーブルとベンチが設けられているので、仲間と一緒にゆっくりと食事をしながら大絶景を堪能する事が可能です。
杓子山周辺のおすすめ観光スポット
ふじやま温泉
富士急ハイランドのすぐ隣に位置するふじやま温泉は、温泉の種類が豊富で、特に内風呂は日本最大級の純木造浴室になっていて、他の温泉施設では見られない趣のある浴室を体験する事が出来ます。
また、温泉以外にも旅の疲れを癒すコーナーが充実し、つい長居してしまう温泉施設なのでおすすめです。
【公式サイト】ふじやま温泉
忍野八海
杓子山の麓に位置する忍野八海は、富士山の雪解け水が湧き水となって現れる八つの池から成り立ち、古来より富士信仰の霊場として栄え、今は国指定の天然記念物及び名水百選に選ばれています。
霊峰富士山から湧きだした池の水は神秘的で透明度が高く、見入ってしまうほど美しい光景を目の当たりにする事が出来ます。
【公式サイト】忍野八海 | 忍野村公式観光ホームページ
ふじさんミュージアム
富士山の歴史や富士信仰の歴史を学びたい人におすすめの博物館です。
中は富士信仰に関する展示を中心に、映像による説明や展示物が豊富な為に、子供から大人まで楽しく学べるしくみになっています。
また、御師旧外川家住宅や富士山レーダードーム館の付属施設もあるので、富士山についてもっと知りたい人はそちらにも行かれてみてはいかがでしょうか。
【公式サイト】
道の駅富士吉田
ふじさんミュージアムの目の前に位置し、お土産コーナーと軽食コーナーに分かれています。
また、道の駅内には地ビールである、ふじやまビールを扱う施設が設けられ、出来たての地ビールを味わう事も可能になっています。
更に、富士山の天然水を無料で汲めるコーナーもあり、水を汲むためのボトルやペットボトルも販売され、気軽に富士山の天然水を頂く事が出来ます。
【参考サイト】道の駅富士吉田|富士吉田観光ガイド
まとめ
鳥居地峠からの登山コースは高座山までに急登があるものの、高座山までの登山道は常に富士山とススキの眺望が素晴らしく、山頂からは富士山の他、忍野村、富士吉田市や周囲の山々を見渡せ、地上では味わう事の出来ない光景を目の当たりにする事が出来ます。
また、近くには観光スポットが多数あり、早朝から登れば十分に立ち寄る事も出来るので、登山後の観光もおすすめです。
ぜひ、杓子山の山頂から富士山を始め、素晴らしい絶景を味わってみてはいかがでしょうか。