男鹿半島は秋田県の北西部に位置するなだらかな海岸線に突如突き出した半島です。
果てしない年月を重ね今の形となった男鹿半島は火山活動や浸食など様々なドラマによって形成され、今を生きる私たちにその歴史を知らしめるかのような姿を観察できるジオパークの宝庫になっています。
また、男鹿半島と言えば「なまはげ」が有名で男鹿のなまはげとも呼ばれ、なまはげ発祥の地としても興味深い場所になっています。
そんな、自然と歴史の交差する観光地である男鹿半島をぐるりと車でドライブし、ドライブがてら気軽に立ち寄れる男鹿半島のおすすめスポットを紹介したいと思います。
- 男鹿半島ドライブマップ
- ゴジラ出現!?海岸に現れるゴジラ岩
- なまはげ発祥の地、赤神神社五社堂
- 三つの窓が神秘的!カンカネ洞
- 壮大な日本海を眺められる公園、戸賀湾展望公園
- しましま灯台が目印!北緯40度の入道崎
- 巨大な火山湖と絶景が眺められる八望台展望台
- 男鹿半島を代表とする絶景スポット寒風山
- 最後に
男鹿半島ドライブマップ
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ゴジラ出現!?海岸に現れるゴジラ岩
男鹿駅前観光案内所から海岸線沿いを走り暫くすると潮瀬崎に到着します。
ここでは男鹿半島の観光スポットの一つであるゴジラ岩を眺めることが出来ます。
道路沿いにゴジラ岩という案内があります。
スロープを下ると車を停めるスペースがあるのでそこに車を停めます。
ちなみにこのスロープ、車高が低いと擦る可能性があるので注意が必要です。
正面には既に奇岩、怪岩が立ち並び、まるで異世界に迷い込んだのではないか?と思うほど奇景が広がります。
3000万年前の火山活動によって出来た凝灰岩が風化されてこのような光景を生み出された自然の美術館です。
一番の見どころはやはりこのゴジラ岩!
駐車場から歩いてほんの1分位のところにゴジラはいます。
顔の形や背びれ、口の開き方など確かにゴジラと言えばゴジラに見えますね。
しかしこれ、夕方の逆光でシルエットのようになればもっとゴジラっぽく見えるかもしれませんね。
ちなみに反対側はこんな感じ
どうでしょう…
ゴジラと言われても、う~ん、てなりますね…
ゴジラというよりも恐竜に見えるんですが…いかがでしょうか?




ゴジラ岩の他ガメラ岩、カメ岩、双子岩など様々な奇岩を見ることが出来ます。
また、岩以外にも地層や地下の割れ目など様々な自然美を堪能することも可能です。
自分ならではの名前を付けながら、自然の芸術品を巡ってみてはいかがでしょうか。
なまはげ発祥の地、赤神神社五社堂
男鹿のなまはげの発祥の地として伝説が残る赤神神社五社堂は鬼が積み上げた九九九段の石段を登った場所に鎮座されています。
現在は赤神神社となっていますが、かつては赤神山日積寺永禅院という寺院でした。
現存の社殿は江戸中期に建てられたものであり、神仏分離により境内のほとんどが取り壊されましたが、五社堂だけは当時のまま残されています。
横一列に並ぶ社殿は全国的にも珍しく、神社でありながら権現や仏が祀られており、神仏習合の当時の面影を感じる事が出来ます。
それでは駐車場から境内に至るまでの道を見てみましょう。
駐車場から鳥居を潜るとすぐに長い石段にたどり着きます。
よく見るとやはり人の手で積み上げられた石段であることが分かりますね。
あっ!人の手ではなく鬼の手でしたねw
長い九九九段の石段を登り終えると目の前に再び鳥居が現れます。
いよいよ境内に差し掛かります。
境内図を見ると、かつては熊野堂や馬頭観音堂などが建てられていたと書かれていますが、いずれも推定とされ、本当の事は分かっていないみたいです。
この場所も厳しい廃仏毀釈が行われていたという事でしょうか?
地図に書いてある熊野堂や馬頭観音堂の跡に行ってみましたが、礎石すらありません。
また、下の鳥居周辺や階段の途中には〇〇堂跡という看板が立てられていました。やはりこの場所も神仏分離令により被害を受けていたと思われます。
現在は赤神神社として鎮座されていますが、奥の五社堂は社ではなく現在でもお堂として残されています。つまり、唯一の神仏習合時代の貴重な文化遺産となりますね。
実は五社堂から先は、男鹿三山である毛無山、本山、真山へのトレッキングコースが続いています。真山神社まで続く道はかつて修験者が歩いていた歴史を感じる登山道になっています。男鹿半島の絶景と自然と共にかつての信仰の道を歩くのもおすすめです。
三つの窓が神秘的!カンカネ洞
五社堂から再び海岸線沿いを走ると、広い日本海と奇岩が織りなす奇景を目の当たりにし、ますますドライブに精が出ると思います。
そんな中、ここカンナネ洞は波によって浸食された洞窟で、洞窟内に海、陸、空の三つの窓があり、そこから差し込む光とエメラルドグリーンの海が何とも神秘的で幻想的な光景を生み出すスポットです。
さて、早速洞窟探検をしましょう!
駐車場からほんの少し歩くと何やら巨大な洞窟の入口に到着します。
入口は大きな岩がゴロゴロ転がり足元は不安定になっているので注意が必要です。
洞窟ですが奥行きはほとんどなく、入ったすぐ目の前にこのような光景が現れます。
長い年月をかけて窓が開けられたと思いますが、ご覧の通り見事に三つの窓が見えますね!
薄暗く少し怖さを感じますが、静かな波の音と三つの窓から差し込む光が何とも幻想的で不思議な感覚でした。暫くは眺めていたいと思える空間です。
海もご覧のように見事なエメラルドグリーン!
薄暗い洞窟に突如現れる海を目の前にすると、まるでここで何らかの祭祀が行われていたのではないか?と思うほど神聖な雰囲気を感じます。
壮大な日本海を眺められる公園、戸賀湾展望公園
カンカネ洞を後にし更に北へ走らせると、広い駐車場に到着します。
どうやらここは公園のようです。
ご覧のように駐車場が恐ろしいほど広いですね…
こんな広ければライブも余裕でできてしまうのではないか?と思います。


展望台からは一面海が広がります。
本当に海しか見えません!
ベンチも備え付けられていました。ここに座って眺める景色は最高ですね!
ベンチと海というこの光景も絵になります!
公園にはトイレが完備され駐車場も広いので、ドライブの休憩やゆっくり海を眺めたい時に立ち寄ることをおすすめします。
しましま灯台が目印!北緯40度の入道崎
さて、男鹿半島の最北の地である入道崎までやってきました。
ここには男鹿のしましま灯台と言われる入道崎灯台があり、日本の灯台50選に選ばれています。また、男鹿国定公園と称され、灯台の周りは広い芝生とどこまでも広がる日本海の絶景を眺めることが出来ます。
近そうに見えて意外に遠い芝生を進んでいくと、断崖絶壁の海岸に到着し広大な海が目の前に現れます。ここの海岸沿いの岩も恐らく火山から流れた溶岩で、複雑な形になっているのが分かると思います。
この日は修学旅行生も訪れ、広大な芝生を駆け巡り、みんな気持ちよさそうに寝転んでいましたw
こんな広い芝生と壮大な日本海を目の前にしたらそりゃはしゃいだり寝転がってみたくなりますよね~
また、入道崎は北緯40度の地点でもあり、このようなモニュメントが設置されています。
何でしょう、円上に石が配備され、更に奥には巨大な岩が聳えていて、まるでストーンヘンジのように見えますね!
何か宗教的な意味合いでこのようなデザインになったのでしょうか?それとも…
モニュメントの隣に写っていた、しましま灯台の入道崎灯台にやってきました。
ここの灯台は全国でも珍しい登れる灯台であり、灯台の上から絶景を仰ぐ事が出来ますが、残念ながらこの日は強風のために登れないと受付の方から言われました…
条件が良ければ登れるので、入道崎に来たらぜひ登ってみましょう!


ちなみに灯台の横には展示室になっていて、ここでは灯台の歴史や役割などを無料で学ぶことが出来ます。
巨大な火山湖と絶景が眺められる八望台展望台


戸賀湾からなまはげラインの間には八望台という、360度の大パノラマを味わえるスポットがあります。名前の由来は八方の雄大な眺望を楽しめるとの事から昭和27年に高松宮殿下によって命名されました。
展望台に立つと目の前には深い弧を描いた戸賀湾とその手前には二ノ目潟を確認することが出来ますね。実は戸賀湾も元々は火口だったらしく、火口に海が侵入して現在の形になっているそうです。確かに戸賀湾を眺めてみると火口のような形をしているのが分かると思います。
削れないままだったら戸賀湾のマールが一番大きなマールになっていたのかも知れませんね。
反対側には一番大きな一ノ目潟が見えます。
火山湖というより、普通の湖に見えますね。
このマール、一ノ目と二ノ目は確認できますが、実は三ノ目も存在しているらしく、しかも外からは見えないので幻のマールとも呼ばれているそうです。
写真の中央奥の辺りに三ノ目があるそうです。窪んでるところがそうかな?
三ノ目潟は男鹿半島のマールの中で一番美しいと言われていますが、そこへ行くには道なき道を行かなければならないそうです。
三ノ目潟と行き方を知りたい方はこちらのサイトをご覧ください↓
展望も素晴らしく、東を向けばドーム状に聳える寒風山が見えます。その更に北東は男鹿半島のなだらかな海岸線を眺める事ができます。
南には真山神社が鎮座する真山と本山が見えますね。
元々は山岳信仰の山でしたが、ハイキングコースとして楽しめる山でもあります。
男鹿半島を代表とする絶景スポット寒風山
男鹿半島の入口に位置する寒風山は平地からドーム型の山容を確認する事の出来る山です。約2万年前の噴火によって出来た火山活動の跡はドライブコースからも確認でき、低山ながら非常にダイナミックなその姿は、私たちに噴火活動の物語を知らしめるようなジオサイトになっています。また、ジオサイトだけでなく、寒風山周辺には春から秋にかけて多くの花が咲き誇り、花の山としての一面も見せてくれます。
山頂までは車で行けるので気軽に立ち寄る事が可能です。特に山頂からの景色は世界三景にも選ばれているそうで、男鹿半島から南部にかけての曲線を描く海岸線が何とも美しく、天気が良ければ鳥海山も眺める事もできる大パノラマが待っています。
寒風山の詳しい情報はこちらの記事をご覧ください↓
最後に
今回は主に海岸線沿いの立ち寄りスポットをメインに紹介しました。
男鹿半島はジオパークとしても有名で、大地の物語を感じる事の出来るジオスポットが特におすすめです。
海岸線は奇景が連なり、雄大な海と織りなす光景が素晴らしく、常に絶景を味わいながらのドライブが楽しめると思います。
また、男鹿半島の中心部に位置する寒風山からは男鹿半島全てを見渡すことが出来るので、こちらもおすすめです。
ぜひ、絶景とジオの旅を満喫してみてはいかがでしょうか。