3月のすっきりとした青空の下、2連休を利用して今回は西伊豆の沼津を訪れました。
沼津は伊豆半島の北西に位置し、駿河湾に囲まれた海沿いの地域なので何といっても海の幸が豊富です。
また、伊豆半島はジオパークに認定され、半島全てが「大地の公園」そのものであり、大地が歩んだ歴史やあっ!と驚くような光景が多く、絶景スポットの宝庫でもあります。
今回訪れた御浜岬もジオパークの一つであり、火山の山肌から削られた岩や土砂が流れ、港の入り口に嘴状の形にたまって出来た岬がこのような形になっています。
帯状に連なる不思議な形の岬を今回はほとんど人がいない早朝に訪れ、ぐるりと一周したので、御浜岬から眺める光景や内部の様子、更に御浜岬の美しい全貌を眺める事のできる絶景ポイントもご一緒に紹介したいと思います。
御浜岬の外側を散歩!常に富士山の絶景が!!
第二駐車場に到着しました。
駐車場は全部で三つあり、この第二駐車場が御浜岬の入口部なのでぐるり一周するにはちょうどいい駐車場だと思います。
すでに駐車場から富士山が見えますね!
そしてうれしい事に、階段が付けられています。ここを登って堤防を歩いてみましょう。
堤防からは駿河湾と雄大に聳える富士山!手前には愛鷹山もはっきり見えます。
朝方なのでこれは赤富士って言うのかな?あと、モルゲンロートとも言うんでしたっけ?
朝焼けの富士山は何とも神々しいというか、つい立ち止まって何度も写真を撮ってしまう…しかも海の先にある富士山というシチュエーションがとても絵になりますね!
朝方なので観光客どころか人もほとんどいない状況です。
風も無く穏やかな波の音と徐々に明るくなるに連れ、富士山の色が変化していく様子を眺めながら堤防を歩いています。
何とも贅沢な朝の散歩です。
雲一つない爽やかな早朝に釣りをされる方、そして美しい富士山見とれて写真を撮ることも忘れているのではないか?と思わんばかりにフリーズしている方がいました。
それほどこの光景は素晴らしいです!
堤防はけっこう高いですね。
下を見下ろすと思った以上に高さがあってビックリしましたね。富士山に夢中になりすぎないように注意しながら歩きましょう。
内部はイヌマキの群生地
富士山の絶景散歩を終え、今度は内部に入ってみましょう。
御浜岬全体を見れば分かると思いますが、岬は基本木々で覆われています。その為に内部はうす暗くなっています。(早朝だからかも知れません…)
さて、全体を覆う木々ですがここ御浜岬は常緑樹であるイヌマキの群生地として有名です。
比較的暖かい地域に自生するイヌマキですが、ここ御浜岬には211本が分布されています。常緑樹なので防風や防火の機能があり、湾曲した戸田港を守っているかのようにイヌマキの木々が生えています。過去に何度も津波を防いだと言われているので、とても優秀な防災林って事ですね。
葉はこんな感じ
針葉樹の部類ですが葉は針のように尖っていません。つやがあり細長い楕円を描いた葉で、触ってみるとしっかりとしています。何でしょう?少しオリーブの葉に似ているかもしれませんね。
内部は森のようになっていてイヌマキの他、松やケヤキも含まれているそうです。
地図に書いてあった御浜岬唯一の神社が森の奥まった所に鎮座しています。
諸口神社という名の神社で、御祭神は橘姫と書かれていますが、これはヤマトタケルの妻である弟橘姫でしょうか?
弟橘姫はヤマトタケルの有名な東征物語で登場する女神です。
東征の途中、ヤマトタケルが現在の横須賀にある走水海を渡る時、荒ぶる神の荒波により足止めを受け右往左往の状態に…
しかしその荒波を鎮める為、そして夫の為に自ら海に身を捧げ、自分の命と引き換えに荒波を鎮めた女神が弟橘姫です。
悲しい物語でありますが、この事から渡航安全や海上安全更には豊漁のご利益をもたらす神とされています。
由緒を見るとそのようなご利益が書かれていたので、恐らく弟橘姫ではないかと思います。
参道の先にある鳥居はこんな感じ
海に向けて鳥居が建てられ、まさに海の神社って感じがしますね。
日はとっくに昇っていますが、山で隠れてまだ薄暗い港です。
漁船もまだ出ない静かで薄暗い戸田港は何だか幻想的で、山、海、鳥居が一体となったこの素晴らしい光景をいつまでも見続けていたいと思いながら撮った一枚。
さぁ、新たな一日が始まります!
諸口神社の裏には戸田造船郷土資料館並びに駿河湾深海生物館があります。
日本初の西洋型帆船ヘダ号の建造の歴史や当時書かれた設計図、ヘダ号の模型などが展示され、更に駿河湾に生息する深海生物を紹介するコーナーもあるそうです。
見学しようと思いましたが、時間が早すぎた為に今回は断念しました…
開館時間や様子などは沼津市のホームページへお進み下さい。
御浜岬から戸田港を見渡す
富士山と駿河湾の絶景もいいですが、反対側の戸田港の眺めも素晴らしいです。
目の前にはかつて活火山であった達磨火山と井田火山が見えます。戸田は見事に火山に囲まれた街であり事がよく分かります。
暫くすると太陽が顔を出しました!
まるでご来光のような感動の瞬間です。太陽が現れると同時に一気に明るくなりました。
外側は遊泳禁止でしたが、こちら側は海水浴場になっています。曲線に描かれた砂浜が何とも美しい。
遊具でしょうか?
巨大な恐竜と謎のオブジェがあります。
どうやら滑り台のようですね。
帰りがけに撮った写真
嘴のように長く伸びた岬とまるで海に浮かんでいるような富士山が絵になります。
これから漁に出る漁船の様子もよく分かりますね。
御浜岬全体を眺められる絶景ポイント、出逢い岬
御浜岬は長い年月をかけて出来た岬で、嘴のように伸びた不思議な姿をしています。
そんなまるで神の手によって造られたのではないかと思うほど神秘的な光景は海岸線の県道17号沿いにある出逢い岬という最高の絶景ポイントから眺める事ができます。
もちろん富士山の展望もよく、更に天気が良ければ目を凝らすと南アルプスの山々も確認でき、更に駿河湾の水平線も眺められ、青空と海が一体となった無限の青の世界を目の当たりする事のできるおすすめスポットです。
駐車場も完備され、車から降りた瞬間これは凄い絶景であると確信できます。
この出逢い岬は他にも面白い仕掛けがあり、このモニュメントのリングの先にちょうど富士山の山頂部が入るように設計されています。しかし意外にも撮ることが難しく何度も挑戦しました。皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。
御浜岬、出逢い岬のアクセス、駐車場
東名高速沼津インターから国道414号、県道17号を海岸線沿いに走り約1時間15分で到着。公共交通機関の場合、伊豆箱根鉄道修善寺駅よりバスで50分。
駐車場は広く数ヶ所あります。合計で300台以上無料で停められる大型駐車場です。
夏休み期間は有料になるので注意が必要です。
写真は第二駐車場
出逢い岬は10台ほどの無料駐車場があります。
最後に
御浜岬は火山から崩れた岩や土砂が運ばれ体積された事によって出来た岬で、嘴のような見事な形から自然が造り上げた芸術と言っても過言ではありません。
また、戸田港を防御するように見えるこの岬は幾度も津波や防風を港町から守った事から地元の方々からは守り神のように思えるかも知れません。
ジオパークとしての歴史の他、幕末にはロシアとの交流により日本初の洋式帆船が造られ、西洋の造船技術を広めた場所としての歴史も兼ね備えています。
現在も穏やかな港町としてあり続け、海水浴場や釣りのスポット、更に富士山の展望が素晴らしく、多くの観光客を魅了する景勝地になっているので、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。