瀬戸内海に浮かぶ屈指の観光島、小豆島の見どころと言えばやはりエンジェルロードですね。
日本では大変珍しいトンボロ現象という干潮時に陸と島が一続きになり、一定の時間のみ出現する奇跡の道で、エンジェルロードは瀬戸内海の多島美の中に存在する大変風光明媚な光景であり、その美しさからまるで天使が歩くような道が連なる事からこのような名前になったそうです。
エンジェルロードという可愛らしい名前から近年では若者にも人気のスポットとして、特に恋人の聖地にも選ばれている事からカップル達にも注目を受け、小豆島内でも人気スポットの一つになっています。
しかし、この超人気スポットであるエンジェルロードですが、実は小豆島内にはもう一つのエンジェルロードが存在している事をご存知でしょうか?
今回は超人気スポットであるエンジェルロードの分身的存在である、もう一つのエンジェルロードこと、「希望の道」というトンボロ現象が見られる景勝地を紹介したいと思います。
もう一つのエンジェルロードってどこ?どんなところ?
エンジェルロードが2つ!?と衝撃を受けるかも知れませんが、今回紹介するもう一つのエンジェルロードである「希望の道」は、ちょうど本家エンジェルロードの反対側の東部海岸沿いに位置し、小豆島の玄関口である土庄港のような賑やかさは無く、周りを眺めると町どころか集落も無い、ただ小豆島特有の奇峰や広い海が広がる光景に希望の道はあります。
グーグルマップ等で細かく見ると、エンジェルロードは周辺にも数多くの観光スポットやおすすめスポットが点在していますが、一方「希望の道」周辺は…これと言ったものがありませんね(^^;
つまり、同じトンボロ現象を見せてくれる景勝地にもかかわらず、まるで陽と陰のような関係の景勝地となり、なんだか希望の道という、いかにも希望に満ちあふれた名前ですが、これじゃあ名前負けしてしまう…
しかし、そんなエンジェルロードという華やかな存在と対峙するような関係の希望の道ですが、小豆島東部の山深い環境の中なので、人もほとんどいない静かな環境の中でその光景を眺める事の出来る最大のメリットがあり、恐らく混雑というデメリットとも無縁だと思うので、一人で、ひっそりとトンボロ現象を見て歩いて楽しみたいと思う方には絶好の景勝地です。
また、位置的にもちょうど反対にあるので、私は勝手に”裏のエンジェルロード”といういかにもレアスポット的な感じに呼んでいます。
希望の道入口~希望の道
さて、賑やかな土庄町からここまで車を走らせましたが、辺りは静かで目の前には大海原が広がっているだけの光景です。
そんな希望の道の入口付近は何故かヤシの木が何本も生え、ここだけ南国の雰囲気が漂っています。
というのも、この場所は南風台という瀬戸内海国立公園に指定されており、ベンチも設けられています。
もう一つのエンジェルロードなので、注目を受けていると思いきや本家エンジェルロード周辺と180度違う雰囲気ですね。
エンジェルロード周辺にはオシャレなカフェやお土産屋さんがズラリ並んでいましたが、ここ希望の道周辺は恐ろしいほど…何もありません!
入口には希望の道と説明が書かれた石碑が立てられています。
その横には希望の鐘と書かれた鐘が設置されていました。
恋人の聖地にもこのような鐘がよく置かれていますが、これはそれに対抗する為に置かれたのでしょうか?
しかし、鐘はシンプルでなかなか良いです。
希望の道の由来は自然に道が開け、そこを希望を持ちながら歩けば願いが叶うという事から「希望の道」と名付けられたそうです。
エンジェルロードのメルヘンチックな道に対して同じくトンボロという自然現象によって開かれた神秘の道を、自身の願いそして希望を持って歩こう!という励ましが込められていますね。
ふと横を見ると、こんな感じに希望の道が現れますという写真が掲示されていました。
道幅は狭いものの見事に道が開け、まさにトンボロ現象という感じになっています。
やはりエンジェルロードっぽさも感じるでしょうか?
上の説明書きには「小豆島 希望の道」検索と書かれ、調べてみてね~という思いが伝わってきます。
また、希望の道を小豆島最後の絶景穴場とも書かれ、”絶景”と”穴場”のキーワードは間違いないと思いますね!
あと、もう一つのエンジェルロードや裏のエンジェルロードと言った衝撃を与えるキャッチコピーなんかを付け加えれば、おっ!なになに?ってなるかも!?
それにしても、写真の下には今日の干潮情報が載っていますが、手書きで書かれていました。訪れたのが8時前なので、早朝に誰かが付けてくれたと思います。
この日はど平日で車もほとんど通らないのに、このように自らの手で情報を掲示してくれるなんて、非常に有難いですね!
さて、これから案内に従って進んで行きましょう。
それにしても手書きで書かれた案内板がシュールですw
しかもよく見てみると、まな板?みたいな物に書かれていますね!
ちなみに入口付近には民家らしき家があるんですが、民家どうか怪しいです。
まな板の案内板から階段を下り少し歩くとまたまな板が登場しますw(まな板好きだな~)
ここから先は少し鬱蒼とした下りになりますが、特に危険箇所もなく、3分くらいで現場に到着します。
これがもう一つのエンジェルロード、「希望の道」の全貌
そして、鬱蒼とした道を下るとそこにはトンボロ現象の見られる希望の道の全貌が明らかになります。
この日の干潮は夕方16時50分で、訪れた午前8時頃は海の中に微かに希望の道が見える状況でした。
ビジュアル的のもどうでしょうか?
一瞬あれ?これってエンジェルロードじぇね?!っと頭の中で昨日訪れたエンジェルロードがその場で浮かんできました。
こちら側と先に見える城ヶ島に繋がる道がやはりどこかエンジェルロードを思い起こす風景に感じられます。
しかーし、よーく見ると道も短く城ヶ島もエンジェルロードに繋がる弁天島に比べ丸みを帯びた姿になっています。
下に降り立つとこんな感じ。
ごくごく普通の砂浜ですが、面白い事に道の両サイドから波が立っている様子が確認出来ました。
正面は薄っすら道が見えますね。
干潮になると希望の道が開け、奥の城ヶ島まで歩く事ができます。
カメラが捉えた決定的瞬間!
今まさに波と波がクロスしている瞬間です。
まぁ写真より動画の方が伝わりますね…
砂浜から周りを眺めると…
特にシンボル的となる建物は無く、むしろ大嶽という自然のシンボルが目立つ景色になっています。
個人的にはこのような大自然を感じられる景色の方が好きです。
反対側は特に何もなく、ただ広い海が広がっているだけでした。
エンジェルロード周辺は多くの人工建造物が目立ち、島ではありますが都会のイメージが強い景観に対し、希望の道周辺は山奥の景勝地というイメージが強くこちらも比較すると面白いです。
海の様子ですが、綺麗な色になっています。
この日はあいにく曇り空で、天気がよく太陽の光が届いていたならば美しいエメラルドグリーンの希望の道が拝めたはずです。
干潮時ではないので、歩ける範囲が限られています。
階段を下りると僅かな砂浜しか歩けないので、干潮ではない時は注意しましょう。
ギリギリまで進み、海に沈んだ希望の道を眺める。
向こうの城ヶ島まで渡る事が出来たならば願いが叶うのに…干潮時に訪れる事が出来なかったのが残念だ…
しかし、ズボンをめくって歩けばいけない事もないのでは?と、或いはズボン丸ごと脱いでパンツ一丁で渡ってやろうかなども考えましたが、ふと海を見ると意外にも船が多く行き渡っているのを確認し、もしパンツ一丁の変態が、希望の道も開けていない状況で渡っている姿を目撃され、通報されたらどうしようと、ズボンに手を当てながら突如不安に思ったので、ここは素直に渡るのをやめました…
次小豆島に訪れる時は必ず干潮時の希望の道を渡ってやる!
パンツ野郎の意気込みはさておき、
肝心の展望所ですが、残念ながらきちんとした展望所はありません…
砂浜から振り返ると先ほど下りてきた茂みから石段と手すりが付けられているだけなので、石段の上部から眺めるのがベストだと思います。
その横も岩壁になっていてよじ登ればいい感じに眺める事もできますが、岩壁を登るののは自己責任でお願いします。
周辺のおすすめスポット
希望の道は小豆島の東部に位置し、こちらのエリアは険しい山々が広がりこれと言ったスポットはありませんが、その中でおすすめなのは希望の道から国道436号を北に約5分走ると天狗岩丁場という日本遺産に指定されたスポットがあります。
この丁場の石は二代目大坂城の石垣の一部に指定され、小豆島最大の規模を誇る丁場となり、その遺構は令和の現在でも生々しく残されています。
丁場内には巨大岩である大天狗岩を始め、当時汗水を流しながら必死で石を砕き運び出された残石を眺めながら気軽に散策できるコースとなっているので、こちらのスポットは希望の道訪問がてら立ち寄る事をおすすめします。
希望の道のアクセス、駐車場
土庄港から車で約30~40分
バスの場合は南風台で下車
専用の駐車場はありませんが入口付近が広いので、邪魔にならないように停めましょう。
最後に
希望の道はエンジェルロードによく似ていますが、周辺の環境は山々に囲まれた海岸沿いに位置し、特段目立つ場所ではありません。
また、恋人の聖地として人気を誇るスポットでもなければ、オシャレなカフェやお土産屋さんも無く、観光スポットとしての雰囲気もあまり感じられません。
しかし、周囲には人工物もほとんど無く静かな環境なので、トンボロ現象によって開かれた神秘性を帯びた道をゆっくりと、希望と願いを持ちながら歩く事ができます。
エンジェルロードは干潮時は特に人が多く、賑やかさで溢れたスポットでありますが、「希望の道」は小豆島の知る人ぞ知るスポットの一つであり、雑踏が苦手な方や静かな環境の下で小豆島の景勝地を堪能したい方にはおすすめです。