前日は御嶽山に登り、登山後は御嶽神社を参拝して一日を終えました。
そして、次の日は天気が不安定ながらも木曽の神社や景勝地を巡る旅を計画しました。
車中泊というスキルを覚えてから私の旅は常に車中泊でやり過ごし、この日も目覚めと同時に外へ出て、誰もいない山の中で旨い空気を吸った後、朝食を取り早速本日の旅へ出かけました。
さて、2日目となる木曽の旅は、景勝地を中心に巡る旅として、午前中は周辺の神社を参拝した後、定番ではありますが木曽の名勝である阿寺渓谷を訪れました。
木曽のおすすめの景勝地はどこですか?と質問したら、高確率で阿寺渓谷がおすすめだよーっと返ってくるらしく、私のFB友達も確かに阿寺渓谷をおすすめしました。
なので、今回は阿寺渓谷入口から最奥をマイカーで見学したので、その様子と諸注意、更に素晴らしい阿寺ブルーの写真を紹介したいと思います。
- 阿寺渓谷とは
- 阿寺渓谷を車で見学する際の注意事項
- 車での所要時間と規制について
- 阿寺渓谷のアクセス、駐車場など
- 阿寺渓谷入口~千畳岩
- 千畳岩~樽ヶ沢の滝
- 寄り道!六段の滝~ウナリ島へハイキング!
- 熊ヶ淵~阿寺渓谷キャンプ場
- 最後に
阿寺渓谷とは
阿寺渓谷は木曽郡大桑村に位置し、木曽川の支流である阿寺川を流れるエメラルドグリーンの水と荒々しいく切り立った岩、更にそれを囲むように生える木曽五木の木々が折り混ざり、美しい渓谷美を味わえる景勝地です。
また、木曽川の合流地点から水源方面まで、終始エメラルドグリーンの美しい水を楽しめるので、「阿寺ブルー」という名で親しまれています。
阿寺渓谷を車で見学する際の注意事項
阿寺渓谷は渓谷入口から阿寺渓谷キャンプ場までの6.3kmを車で見学する事が出来ます。
渓谷内の道路は綺麗に整備され、走りやすい道になっていますが、途中細い箇所もあるので、すれ違いの際は注意が必要です。
また、道路沿いには各名所の案内看板が分かりやすく設置されているので、逐一地図を確認してから運転する事なく各名所を見学する事ができます。
各名所を見学する際は道路に路駐すると思いますが、路駐の際は他の車両の通行の邪魔にならないように駐車しましょう。
車での所要時間と規制について
阿寺渓谷入口からキャンプ場までは歩く事も車で移動する事もどちらも可能です。
歩きの場合は入口からキャンプ場まではおよそ2時間と書かれ、往復で4時間かかってしまいます。(遊歩道を歩く場合はもっとかかります)
一方、車の場合は入口から各名所を全て見学し、途中遊歩道も全て歩いて往復2時間くらいかかりました。
私の場合、途中の遊歩道は早めに歩いたので、往復2時間で済みましたが、遊歩道もゆっくり散策したい方は往復2時間半くらい見積もった方がよいかと思います。(遊歩道は1時間くらい歩きます)
遊歩道を歩かない場合は往復1時間半を目安にお考え下さい。
また、阿寺渓谷では渓谷の自然環境の保護の為に、渓谷内の車両進入規制を実施され、規制期間中は入口から全車両進入禁止となり、マイカーで訪れる方は注意が必要です。
ちなみに、今年(令和元年)は7月20日(土)から9月1日(日)までの約1ヶ月ちょっとが規制期間だったそうです。
規制期間の詳しい情報は大桑村観光協会公式HPより、阿寺渓谷のページに進み、阿寺渓谷の交通規制についてをご覧下さい。
阿寺渓谷のアクセス、駐車場など
最寄りのインターは中津川ICで、インターから木曽川沿いの国道19号を北上し、約45分で到着します。
伊那ICの場合は約80分かかります。
駐車場は入口と渓谷の中間地点にそれぞれ有ります(無料)
入場料は無料なので気軽に観光可能です。
阿寺渓谷入口~千畳岩
入口のゲートを潜る前に、入口付近の様子をお伝えしましょう。
入口前は広々としたスペースになっていて、車も停められるようになっています。
入口にはトイレが完備されています。
トイレはちょうど中心部まで無いので、特に歩行で行かれる方は、出来る限りここで済ませる事をおすすめします。
渓谷の奥に行けば行くほど、見どころやおすすめスポットが多数ありますが、実は入口付近もご覧の通り、エメラルドグリーンの阿寺川が眺められます。
阿寺渓谷を奥まで行かれない方でもご覧の通り、入口付近にはこのような光景が味わえるので、気軽に立ち寄れる渓谷になっています。
さて、ここからゲートを潜り、車での見学に参りましょう。
道路は広く、地面も整備されているので非常に走りやすいです。
見学の際は端っこに停めましょう。
最初の見どころにやってきました。
川沿いではなく、この岩壁がポイントですね。
看板によると、この岩の下に立って耳を澄ますと川の音が反響し、あたかも岩から聞こえるように感じるそうです。
実際に立って耳を岩に向けてみましたが…
特に、反響しているようには感じなかったです…
もしかしたら私が音に鈍感なだけかもしれないので、みなさんもやってみては!?
千畳岩~樽ヶ沢の滝
さて、千畳岩からすぐのところにこんなスポットがあります。
かつてはここに列車が走っていたそうですね。
きっと美しい渓谷を眺めながら材木を運んでいたのでしょう。
役目を終えた線路は今もなお面影を残し、かつてここに列車が走っていた事を思い起こさせるように渓谷と同化しています。
次に現れたのは雨現の滝です。
看板のちょうど先を見上げると、何やら岩壁から滝が流れているのを確認出来ます。
拡大するとこんな感じ
巨大な岩壁から3段に流れ落ちる滝になっていますね。
名前の通りこの滝は雨が降った時に現れる幻の滝で、この日は雨が降ったり止んだり晴れたりと、不安定な天候の為に運よく見る事ができました。
つまり、天気の良い日が続くと、ただの岩壁になるスポットですね。
道路を走っていると時よりこのような美しい光景に出くわす事があります。
必ずしも看板が立っているところだけでなく、渓谷全体がエメラルドグリーンなので、
おっ!と思ったら車を停めて、自分だけのエメラルドグリーンの光景を撮るのも阿寺渓谷の魅力の一つです。
さて、いよいよお待ちかねのエメラルドグリーンのスポットにやってきました。
名前は…狸ヶ淵
看板には狸ヶ淵の他、狐ヶ淵とも呼ばれていると書かれていました。
阿寺渓谷にはいろんな動物が住んでいた事から動物の名前の淵が多く、特に狸や狐は人を化かす習性があると伝えられてきました。
この狸ヶ淵は人に化けた狸や狐がその出来映えを確認するために訪れた事からこのような名前が付けられ、鏡として使われるほど水が綺麗である事を物語っています。
立ち寄りスポットになっている為、ここはきちん川に近づけるように整備されているので安心です。
上から眺めるとこんな感じ
先ほどの道路沿いより遥かに美しい渓谷美を味わえます。
やはり、ある程度の深さと川の穏やかさが合わさるとこのような光景になるんですね。
下の方に降りてみました。
間近に見るとその透明度が分かると思います。
顔を近づけるとやはり自分の顔がはっきりと映っていました。
川沿いには手すりやフェンスが無いので、夢中になりすぎて落ちないように注意しましょう。
お次はこれまた動物の名前が付けられています。
名前は…犬帰りの淵
里に住む猟師たちはよく犬を連れて谷を渡り、猟を行っていたそうです。
ところが、この淵に着くと犬はこの断崖絶壁を恐れ渡る事ができなかった事から、犬帰りの淵と呼ばれるようになったと伝えられています。
余談ですが、このような言い伝えの名前は日本各地にあり、群馬県の妙義山にも”鷹戻しの頭”という場所があります。
この場所も断崖絶壁な岩肌で、鷹もとまる事が出来ず帰ってしまうほど急峻な場所から付けられた名前で、妙義山の登山道では死亡事故が起こるほど危険な場所に指定されています。
私も鷹戻しを経験しましたが、生きた心地がしませんでしたね…
話を戻しますが、動物ですら恐れるほど自然は偉大な存在である事を分からせるスポットです。
犬帰りの淵はこんな感じ
巨岩と絶壁に挟まれ、静かに流れる光景は確かに美しいと同時に畏れを感じますね。
さすがに犬もビビる訳ですなぁ~
ちなみにここは下に降りる事はできず、橋から眺めるスポットになっています。
犬帰りの淵を過ぎると、大きな駐車場に到着します。
ここにはトイレがあり、少し休憩するのに最適な場所となっています。
その横には樽ヶ滝という滝があり、この滝は真上から眺める事の出来る滝になっています。
まるで、ウォータースライダーのように流れ、滝を真上から見られるレアな滝です。
寄り道!六段の滝~ウナリ島へハイキング!
さて、ここからは遊歩道を歩いての見学になります。
スタートの赤彦吊り橋から六段の滝、ウナリ島を経由し、中八丁吊橋へ向かいます。
入口の橋です、ここから約1時間の冒険に突入します。
ちなみに私は急ピッチに歩いた為、35分くらいで中八丁吊橋に着いてしまいました…
橋を渡るその前に下に降りて赤彦吊り橋と川の写真を撮りました。
いい眺めですね~
さて、橋を渡りましょう。
橋はこんな感じで、ジャンプすると橋がぐらぐらします。
橋からの光景
相変わらずのエメラルドが続き、つい見続けてしまいます。
橋を渡るとハイキングコースになります。
所々坂道になりますが、特に危険な道では無いので、ゆっくりのんびりと歩けます。
途中には看板も設けられているので、それに従って行きましょう。
最初は六段の滝に参ります。
長い階段を下った先に六段の滝はあります。
そして六段の滝に到着です。
六段に流れ落ちる事からその名前が付けられたそうですが、近くで見ると六段ではなく、普通の滝になっていました。
しかし、帰りがけに道路から眺めるとこのようにきちんと段になっていました。
六段かどうか分かりませんが、誰かがきっと六段を数えたに違いありません(たぶん…)
六段の滝を後にし、細い道や細い橋をひたすら歩いていきます。
途中、少し分かりづらい箇所もありましたが、無事にウナリ島にたどり着いた模様です。
しかし、どうぞ!って言われてもなぁ~
どうぞ!につられてウナリ島に入ってみましたが、どこが島なのかイマイチ分かりませんでした。
周りを見渡しましたが、特に景色が見える事も無く、ただ少し広い空間があるだけでしたので、すぐに引き返しました。
しかも先は行き止まりです。
綺麗なエメラルドにつられて川に近づきましたが、ウナリ島は断崖となっているそうで、近づく時は注意しましょう。
けっこう怖いです。
ちなみに、道路から眺めるウナリ島はこんな感じ
後で看板を読んでみると、ウナリとは苦しむ女の唸り声と男の泣き声が合わさってこのような名前になったそうです。
とある女と男の悲劇の物語が生み出した切ない名前の島だったのですね。
ウナリ島を後にしゴールの中八丁吊橋まであと少し、冒険もクライマックスです。
そして、中八丁吊橋に到着です。
見た目は赤彦吊り橋とほとんど変わりませんね。
橋を渡り終えたら、元の駐車場まで歩きましょう。
ここから駐車場までほんの10分くらいで到着します。
駐車場までにもご覧の様に美しい光景が広がっています。
スポットに捕らわれず、自分だけの阿寺渓谷を感じましょう。
熊ヶ淵~阿寺渓谷キャンプ場
さて、駐車場を後にし、次なるスポットへ到着しました。
次のスポットは…熊ヶ淵
狸、犬の次は熊ですね。
名前の由来は、この辺りは熊が出現しやすく、熊が時折この川で水浴びを楽しんでいる姿を見られたのでこのような名前になったそうです。
途中まで降りられますが、ここも絶壁となっているので下まで降りる事は不可能です。
上流付近なので流れが激しいかと思いきや、この部分だけ広く穏やかに流れています。
なるほど!確かにこれなら、熊さんも綺麗な水につられて水浴びしそうですね。
さて、いよいよラストアニマルスポットにやって参りました!
ラストの動物は…牛!
看板の通り、牛の姿に似ているからそのように名付けられたそうです…が、
なんか、後になるほど名前の由来が雑になっているのは気のせいであろうか…
説明もたった2行…
熊さんあたりから怪しくなってきましたねw
由来の雑さはともかく、さっそく現場へ行きましょう!
牛の姿と書かれていましたが、
はて?
どれが牛の姿なのでしょうか?
それよりも、渓谷一深い場所と言う事で、色も濃く綺麗というよりも畏れを感じてしまいます。
滝のように勢いよく流れているので、このような光景が生み出されたと思われます。
それにしても、深そうですね。
ちなみに、ここも断崖絶壁から覗くような形になっていて、高さも先ほどの熊ヶ淵より高いので、注意しながら眺めましょう。
阿寺渓谷最後の見どころは滝です!
その名も、吉報の滝
なんだか縁起のいい名前の滝ですが、その名の通り、滝の音が聞こえたら里から良い知らせが届くとの事です。
英語版の“グッドニュース”が本当に良い知らせを感じさせますね。
実際に眺めると確かに遠くにあり、音も聞こえたかどうか覚えていませんでした…
もし訪れた時にこの滝の音が聞こえたら、いい事あるかも?
そして、遂に阿寺渓谷キャンプ場に到着しました。
ここが車で訪れる事のできる終着点となります。
ここから先はキャンプを行う人のみ通行可能なので、渓谷のみの観光者は速やかに帰りましょう。
行きそびれた!スポットがあったら帰りにまた立ち寄りましょう。
最後に
阿寺渓谷は上流から下流まで終始エメラルドグリーンの水が流れ、見どころ満載な景勝地です。
徒歩でも車でも見学出来ますが、入口から終点地の阿寺渓谷キャンプ場までは距離が長く、歩きだと半日から半日以上かかってしまう恐れがあるので、車での見学がおすすめです。
また、途中の遊歩道は六段の滝を間近に見られる事とウナリ島上陸以外は特に何にもないので、時間に余裕のある方やハイキングを楽しみたい方のみ訪れた方が良いと思います。
入場料も無く、入口付近でも素晴らしい渓谷美を味わえ、気楽に立ち寄る事が出来るので、ぜひ阿寺渓谷に足を運び、素晴らしいエメラルドグリーンの世界を味わってみてはいかがでしょうか。
※今回訪れた木曽の旅もよろしければご覧下さい。